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 高等教育機関の経営者が語る日本の教育の未来予想
 

2004年3月8日更新

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chapter49
 

阪南大学 理事長 菅 博三氏

菅 博三氏

菅 博三氏
愛媛県出身。1947年5月11日生まれ。1970年3月阪南大学商学部卒。1974年10月から同学事務職員となり入試広報課長、総務課長、法人課長、法人部長、法人事務局長を歴任。1996年4月より学校法人阪南大学常任理事、2002年3月理事長に就任。

商都・大阪にあって、
企業と大学との「知」の循環を活性化し、
全学挙げて「就職に強い大学」を目指す

ビジネス街に近い都市型の大学

 阪南大学ができたのは1964年。学園創設者である小林菊治郎は次のように考え、大学創設を決意しました。それは、「今後の国際社会における日本の行く末を思うと、資源の少ない国家として、日本は必然的に商業立国、貿易立国への道を探らねばならない。今後の日本にとっては進んで世界に雄飛していくに足る有能有為な人材、真の国際商業人の育成こそ急務と考える」というものでした。そして本学は1965年4月、入学定員100名の商学部商学科の単科大学としてスタートを切りました。
 その後1972年には経済学部経済学科を新設、1986年には商学部に経営情報学科を設置し、1996年には既存の商学部商学科・経営情報学科を流通学部流通学科及び経営情報学部経営情報学科へと改組しました。さらに1997年には、西日本で初めての観光学科となる国際コミュニケーション学部文化コミュニケーション学科及び国際観光学科を設置、2000年には大学院に企業情報研究科修士課程も設置し、4学部5学科と大学院を擁する文科系総合大学へと発展してきました。
 本学の強みは、ビジネス街に近い都市型の大学であるということです。商都・大阪、西日本では最大のビジネス都市であるこの地に本学が位置し、そこで、企業と大学における「知」の循環の中に身を置けることは、何より大きな強みということができるでしょう。そのため、今回大幅な施設・設備の整備事業を実施し、講義で学んだことが日常の学生生活において実践できる環境を整備しました。
 また、卒業生へのバックアップ体制として、卒業後も気軽に足を運べ、各種相談事項にも対応できるよう、2004年4月から大阪市内のビジネス中心地淀屋橋にサテライトを設置し、新たに「中小企業ベンチャー支援センター」を開設します。また、このサテライトは、都市の中心という地の利を活かし、企業情報収集、企業訪問のアドバイス、企業関係者によるセミナー実施など、在学生の就職活動支援の拠点としても積極的に活用していきます。

目指すのは「就職に強い大学」
すなわち「就職率100%の大学」

   このたび本学園の理事会、評議員会で決めた方針は、「就職に強い大学」すなわち「就職率100%の大学」です。
 今、この景気低迷の時代に、企業は顧客ニーズにいかに応えていくかを真剣に考えています。それは大学においてもまったく同じことが言えると私は思うのです。では大学が世の中のニーズに応えるには何が必要かと言えば、社会が求める人材を育成することに他なりません。今、社会が求める人材は、言われたことを忠実に実行するのでなく、「自分で考え、行動し、問題を解決できる人材」です。しかしながら急激な社会情勢の変化に伴い、学生の気質も大きく変化しています。したがって従来の教育方法を継続するだけではなく、常に新たな工夫が必要であり、社会の要請や学生のニーズに沿ったものであるかどうか日々検証して、時代の変化に合わせて教育内容も変更する必要があると考えています。とりわけ今まで以上にきめ細かい実学教育の実施が必要であり、また充実した実学教育実施のためには、多彩な実務経験を積んだ実務家によるさらなる教育・指導が必要不可欠です。本学では、ビジネス界を中心に多彩な方面で活躍中の方々を講師に迎え、社会の動きに直結した教育を展開しています。
 また、大学に入学した時点から実社会に対する職業観を養い、将来の職業選択の一助とするための「キャリア支援プログラム」を開設しています。このプログラムは、新入生の時点から学生自身が卒業後に実社会に出て活躍する自分の将来像を描くことを目的としています。また、社会で働くための専門的知識をより高めるため、各種資格の取得を目指す学生に対しては、授業内容と連動した資格の取得を推奨し、資格試験合格を支援するための対策講座「エクステンションプログラム」を開講して、資格取得を積極的にサポートしています。
 その結果、試験に合格して資格を取得した学生には、学内のみならず各種専門学校など学外の資格対策講座を受講して合格した場合も含め、その努力を評価する意味で、表彰の上、奨励金を支給する制度を用意しています。

大幅な改革でイメージ刷新を狙う

   本学の将来に向けた取り組みとしては、大学キャンパスに隣接する附属高等学校移転後の用地を組み入れた大学キャンパスの総合整備計画が2004年末に完成します。
 具体的には、図書館・情報処理施設等を備えたインテリジェントセンターを新設し、学術情報関連施設の充実を図ります。また、既存の施設・設備についても大幅な整備を実施し、阪南大学の従来のイメージの刷新を図ります。学生が興味を持つことができるキャンパスづくりを目指し、ハードとソフトを含めて学生の期待に応えたい。そのことにより、学生の満足度をさらに高めたいと考えています。
 今後の課題としては、「就職に強い大学」を実現するために、教育職員、事務職員及び我々理事を含めた全構成員が力をあわせ、何が必要で、どんなことを実行していくべきかを考えていくことです。入試制度をはじめとして、入り口から出口までのすべての制度を見直すことにより、今後も引き続いて多彩な学生を受け入れ、様々な個性を持った人材を社会に送り出していきたいと思っています。このたび「就職に強い大学」をミッションステートメントとして明確に打ち出しましたが、その実現に向けて各構成員自らが検討しながら実行していってくれたらと考えています。

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