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 高等教育機関の経営者が語る日本の教育の未来予想
 

2004年3月29日更新

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四日市大学 理事長・学長 宗村南男氏

宗村南男氏

宗村南男氏
1962年慶應義塾大学文学部卒業、1978年学校法人暁学園理事長に就任、1999年四日市大学学長に就任。1993年から2001年まで三重県教育委員会員。

地域に根ざした大学運営で、
個性に輝く大学をめざす

四日市市の協力を受けて開学した「公私協力型大学」

 四日市大学の母体である学校法人暁学園は、終戦直後の1946年に創立しました。この時期、「日本のそしてこの地域の復興には、まず教育の充実が必要」という四日市市の要請を受け、初代理事長が学園を興したのです。それから数年間で幼稚園、小学校、中学校、高等学校、短期大学を開設し、一貫教育校の先駆けとして、多くの優れた人材を社会に送り出してきました。
 四日市大学の成り立ちも同様に、地域との深い関係を持っています。本学の開学は1988年。「この地に高等教育機関を」と願う四日市市の要請と協力を受け、「公私協力型大学」としてスタートを切ったのです。当時、四日市市が市民に「どんな大学・学部が必要か」といったアンケート調査を行い、その結果に基づいて経済学部経済学科と経営学科の1学部2学科の大学として開設されたことは、本学の成り立ちを象徴するエピソードといえるでしょう。

四日市らしさにあふれる「環境情報学部」

   ご存知のように、過去、四日市市は公害の街として全国に知られる存在でした。しかし市は公害の克服に全力で取り組み、大きな改革を成し遂げました。単に公害の原因となるものを取り去っただけでなく、産業活動を以前よりさらに活発化させ、経済成長を持続した点で、市の活動は大きな注目を集めました。今ではこうした環境改善のノウハウを国外にも報告し、国連環境計画の「グローバル500賞」を受賞するなど高い評価を受けています。
 このような地域に位置する本学ですから、「経済学部に続く第2番目の学部を」という計画が持ち上がったとき、環境情報学部の構想が生まれたのは、ごく自然な流れだったといえるでしょう。環境情報学部は1997年に開設され、すぐれた教授陣が集まってくれたこともあって、大きな研究成果・教育成果を上げているほか、多くの卒業生がここで学んだ知識を生かして社会や大学院で活躍しています。

地域へすぐれた人材を送り出す「総合政策学部」

 引き続いて2001年には、総合政策学部を開設しました。この学部は政策学を中心に、政策を立案、決定、実施、評価できる人材育成をめざすもので、地域の行政機関やNPO、NGO、企業などにすぐれた人材を送り出すことを大きな目的としています。こうした意味で、総合政策学部もまた地域と深く関連し、地域への貢献をめざす学部といえます。
   しかし、開設当時は総合政策学部という名称になじみが薄く、よく「これはどんな学部か」という質問を受けました。ようやく最近になって総合政策学部を設ける大学が増えてきたため、一般の方々の理解は深まってきたように感じています。2005年3月には本学部の第一期卒業生がいよいよ社会に旅立ちますから、彼らの活躍によってさらに総合政策学部への理解が深まり、社会からの期待が高まることを願っています。

地域との共同研究・共同事業にも積極的に取り組んでいます

 本学と地域とのつながりは、学部での教育だけにはとどまりません。本学では「四日市大学地域政策研究所」を設け、共同研究・共同事業に積極的に取り組んでいます。
 たとえば、四日市市とは「高齢者活用」「政策評価」「都市内分権」などのテーマで共同研究を行ってきました。また、三重県や鈴鹿市からの依頼を受け、「三重県における分権型社会の推進に関する調査研究」「鈴鹿市地域政策アドバイザー業務」などの受託研究事業を展開してきました。ほかにも三重県をはじめ多くの自治体からの職員研修を受け入れています。また、この研究所の仕事以外にも、三重県内をはじめとした各地の環境調査などを受託し、実施するなど実に多彩な活動を行っています。
 地域のなかで本学は、教育機関としてだけでなく、「知の拠点」としても重要な役割を担っています。だからこそ今後も、こうした共同研究・共同事業には積極的に取り組んでいく考えです。ただし、これまでは依頼を受けるままに事業に取り組んできた傾向があったため、今後は少し取り組む分野を整理し、力を集中させることで、より大きな成果を上げることができればと考えています。

年間のべ5000人を上回る市民が参加する
「市民対象講座」

 コミュニティカレッジの活動も、本学の大きな特色のひとつです。これは大学の設備や人的資源を活用して、地域社会へ貢献しようとするもので、2ヶ月間を1シリーズとして、1クールで60近い市民向けの講座を開講しています。講座には英会話からパソコン、写真、書道、ヨーガまでを用意し、たいへんな人気を集めています。実際、ここで学ぶ市民の方々は年間のべ5000人にもおよび、すっかり地域に浸透してきたと感じています。特に学ぶことに対する市民の熱意には感心するばかりです。こうした熱意が四日市大学の学生にも良い影響を及ぼし、キャンパスがさらに活性化していくといいですね。
 こうした活動は地域貢献であるとともに、地域に大学の存在と価値を知ってもらい、また大学に親しんでもらうという効果もありますから、これからも講座のさらなる充実に取り組んでいきたいと考えています。

学生と社会のニーズに応える学部・学科改革を

 こうして地域に根ざした大学運営を行うとともに、本学では多様化する学生のニーズに対応した学部・学科改革にも取り組んでいます。そのひとつが2004年4月開設の新学科・メディアコミュニケーション学科(環境情報学部)です。
 学部名に「情報」の2文字があるように、これはもともと環境情報学部内の一分野として開設当時から取り組んできた分野です。キャンパス内にはプロ用の施設としても通用するレベルのスタジオを設け、映像・音響分野の教育に取り組んできたほか、多数のマルチメディアパソコンを設置してデザイン・出版などの教育も展開してきました。
 近年では特に、こうした分野に深い関心を持つ学生が増えるとともに、いわゆる情報の中身を企画・制作するコンテンツビジネスも盛んになってきました。こうした傾向を受け、本学ではこの分野を学科として独立させることにしたのです。ここでは企画力・制作力を研くのはもちろんのこと、大学ならではの研究機能を生かして、今後のメディアのあり方・コンテンツのあり方・新しい時代のコミュニケーションのあり方を探求し、その成果を社会に還元していきたいと考えています。

2005年4月には
「ライセンスビジネス学科(仮称)」を開設予定

 本学ではさらに、2005年4月の開設をめざし、ライセンスビジネス学科(経済学部)の設置構想を進めています。これは最近の学生の資格取得に対する高い意欲に応えるもので、授業のなかに資格対策の科目を組み込み、全員が何らかの資格を取得できるよう支援するのが特色です。対象となる資格・検定としては当面、簿記検定、販売士、ファイナンシャルプランナー、コンピュータや情報処理関連資格、秘書士などを予定しています。
 しかし実社会では単に資格を取得するだけでは高く評価されないことも事実です。そこで本学科では、資格取得を足がかりとして、本当に社会で必要とされる情報活用能力、ビジネスセンス、英語力などを研くとともに、実践的なゼミ活動などによって学生の実務能力・応用力を高めていきたいと考えています。過去に書かれたテキストから学ぶだけではなく、今まさに大きく動いている実社会から学ぶのが、本学科の最大の特色なのです。そのためにも早期に資格取得させることは学生の大きな自信となり、また学ぶことの喜びを知る契機になるものと信じています。

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