経営以前に大学としての社会的な使命が大切。
関西鍼灸大学は、昭和60年に創設した関西鍼灸短期大学の実績を継承するかたちで、平成15年、鍼灸学部の単科大学として開学しました。母体は昭和32年創設の関西鍼灸柔整専門学校(現関西医療学園専門学校)で、学園としては50年近い歴史があり、これまでに多くの人材を送り出してきました。
大学、専門学校に共通した経営の態度は、経営以前に教育理念の実現が役割であり、それをいちばん大切にしてきたことです。学校経営は利潤追求ではありません。とくに大学には社会的な使命があります。大学は社会をよくするための研究機関であり、本学の場合、鍼灸の発展のために研究成果を発信していく義務があります。かりに経営的にはマイナスであっても、大学での教育・研究は維持されなくてはならないのです。しかし教育環境をよくしていくには、当然資金が必要です。事実、本学を大学に昇格させるときには、かなりの資金を要しました。その点、本学園には関西医療学園専門学校という財務基盤のしっかりした学校があり、学園の総合力で経営にあたることができます。
鍼灸の大学である以前に理系の4年制大学である。
学園内に鍼灸という同じ分野で大学と専門学校という2つの流れがあるわけですが、大学と専門学校とでは役割、目的はおのずと違います。専門学校は実学重視。大学は幅広い教養とともにハイレベルな知識の修得をめざします。だからスケジュールにも差があります。専門学校の場合は、治療所でアルバイトをしながら学校に通うことも可能で、経済的な面では利点があります。大学の場合はその約3倍くらいの学習量は用意されています。それぞれの状況の違いで、選んでほしいと思います。やはり若い人には大学を勧めたいですね。本学には東洋医学、西洋医学にわたる幅広いカリキュラムがあり、多くの教養も身につきます。なにより進路も多彩です。鍼灸の大学であるとともに、理系の4年制大学であることもわかっていただきたい。つまり鍼灸のハイレベルな研究ができるだけではなく、学んだ知識を生かして企業や研究所などに勤務する進路も開かれるのです。
免許に差がない大学と専門学校の違いを伝えることが課題。
大学で鍼灸を学ぶ意義をどう伝えるかは大きな課題です。大学、専門学校で得られる免許に差がないので表面上の違いがわかりにくいのです。本学には付属の診療所もあり、臨床レベルでの研究もできるなど、実際にできることは相当に違います。教員も実に優秀な研究者がそろっています。またこれは学園全体の伝統ですが、一人ひとりに密着した教育ができることも本学の強みです。大学の教員は一般的に成果の見えやすい研究を優先しがちです。しかし本学は教育に力を入れます。これは鍼灸という患者さんとのコミュニケーションが重視される分野では非常に大切なことです。自分の判断で患者さんを診ることは責任重大で、ひとつ間違えれば命に関わることにもなります。また患者さんに、きちんと納得していただく説明義務を果たす必要もあります。こうした問題に対処できる人間になるためには、知識・技術ともハイレベルなものが求められます。この分野は、一生勉強です。しかし学生時代に多くのことを学んだほうが有利です。学生時代の学習量は、その後の人生にも大きな影響を及ぼすものです。
次のステップとして、関西医療学園大学を構想。
本学園はもともと武田学園という個人名でした。それを関西医療学園と改称したのは、もっと社会的な存在として、多くの役割を果たしていこうとする意志の表れです。大学は現在、鍼灸学部のみの単科大学ですが、今後は関西医療学園大学へと発展させたいという構想をもっています。学部を増設し、幅広い医療関係の大学にする。鍼灸学部での教育・研究で実績を積んでいけば、自然とその流れができるのではないでしょうか。
*関西医療学園専門学校についてはこちらをご覧下さい
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