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キャリア教育ニュース解説
(2004年3月22日掲載)

 少子化による「大学全入時代」の到来が近づきつつある中で、一部の有名大学を除けば、大学入試の難易度が過去に比べれば確実に落ちていると同時に、大学の個性化・多様化も急速に進んでおり、高校の進路指導では、従来のような入試難易度による単なる「出口指導」は、もはや通用しなくなっている。しかし、多様化・個性化が進む大学の実態は、各大学が発信する情報や、予備校などによる情報だけではなかなかとらえきれない。そこで大学の評価の一つとして注目されているのが、COE、COLの採択だ。

教育行政の初出は中教審の「接続」答申
 COEは「Center of Excellence」の略で、一般的には文部科学省の「世界的教育研究拠点の形成のための重点支援−21世紀COEプログラム」のことを指す。大学などの科学技術研究に対する国の補助金は、科学研究費補助という制度が主体となっているが、いわば「広く浅く」という基本方針が取られている。これに対して、世界をリードするような水準を持つ研究に重点的に予算を配分しようというのがCOEの狙いだ。各大学から対象となる研究を公募し、文科省が審査した上で決定する仕組みで、2002年度は50大学113件、2003年度は56大学133件が選ばれた。

  COEに採択されたということは、その研究が世界的水準であるということを文科省が認めたことを意味している。実際には国立大学や慶應義塾大学、早稲田大学などの有名私立大学がほとんどだが、どの大学がどんな分野で世界的水準の研究を行っているのかが一目で分かり、科学研究における大学の真の実力を知るための重要な手掛かりとなろう。ただ、COEには、短期的に成果の出ない基礎研究などの分野が大学で冷遇されるようになると懸念する声も大学関係者の一部にある。

自立した社会人になるための教育
  COEが世界的な水準の研究を育成、支援しようというのに対して、大学のもう一つの役割である教育に重点を置いているのが、2003年度からスタートした文科省の「特色ある大学教育支援プログラム」だ。一般的には「Center of Learning(COL)」という通称で呼ばれている。学生に対して特色ある教育を行っている大学を選び、広く社会に紹介することがCOLの目的で、文科省自身が審査するCOEと違い、文科省が大学基準協会に審査を委託する形をとっている。これには、大学の教育内容に文科省が介入するという誤解を招かないようにという配慮もある。

  初年度の2003年度は、全国で664件の応募があり、そのうち80件が採択された。大学・短大は全国で約1200校あり、その半数以上がCOLに応募したことになる。実質的に応募できる大学が限られているCOEと違い、特色ある教育を競うCOLは、ほぼすべての大学・短大が応募可能であるほか、直接に学生と関係する事柄だけに、進路情報としてはある意味でCOEよりも重要かもしれない。実際、初年度の採択校をみると、必ずしも全国的な知名度が高いとは言えない大学も多く含まれている。また、私立の4年制大学では、西日本で選ばれたのは2校のみで、東日本の大学でほぼ占められているという「東高西低」になっていることも注目される。

  2004年度からはすべての大学・短大に対して、文科省認証機関による第三者評価が義務付けられるほか、民間投資格付け会社によるランク付けを受ける大学も増えており、COEやCOLの選定も大学に対する第三者評価の一つと言える。大学の多様化が加速する中で、COEやCOLの採択内容は、大学の評価を知る上で今後不可欠な進路情報となるだろう。

このNEWSを読む
文部科学省「特色ある大学教育支援プログラム」80件決定(2003年9月19日)
 大学・短大の特色ある優れた取り組みを選定し、その事例を広く社会に情報提供することで、高等教育の活性化の促進を目的とする文部科学省の「特色ある大学教育支援プログラム」の初年度分として80件(大学55、短大21、大学と短大の共同の取り組み4)が決まり、昨年9月19日に発表された。募集テーマは
(1)総合的取り組み
(2)教育課程の工夫改善
(3)教育方法の工夫改善
(4)学生の学習・課外活動への支援の工夫改善
(5)大学と地域・社会との連携の工夫改善
の5つを設定し、全部で664件の応募があった。大学の採択率は国立大24.7%(採択23件/申請93件)、公立大13.0%(同6/46)、私立大7.7%(同26/338)ほか。国立大の採択率が高いのは、来年4月の法人化に向けた改革が進んでいるためと見られる。採択された取り組みには、関連支援経費が支給される。
http://www.mext.go.jp/
a_menu/koutou/tokushoku/
03091801.htm
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