キャリアガイダンス@メール

                            2004年6月28日
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 キャリア教育のいまがわかるオンタイム・オンラインマガジン
 ◆◆◆ キャリアガイダンス@メール ◆◆◆     ∞ No.30 ∞

       *発行:株式会社リクルート「キャリアガイダンス」編集部

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【変化する社会、人――高校教育のあり方とは?】
いま、「働く価値観」は多様化しています。
キャリア教育・進路指導においても、変化し続ける生徒個人個人の「興味」
「能力」「価値観」を踏まえることが必要とされています。「キャリアガイダ
ンス@メール」では、いま社会で変化しつづけている「働く価値観」をめぐる
オピニオンや最新のキャリア教育に関するニュース等をタイムリーにお伝えし
ます。ぜひご指導のご参考にしてくださいますようお願い申し上げます。

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@キャリア教育ニュース解説 Career Guidance Eye@

大学補習時代に求められる高校の役割
〜単なる受験対応でない履修指導を〜

 ▼このNEWSを読む
 ●大学の約6割が補習を実施、大学改革状況調査
 (3月23日)
 →全文はこちら http://www.career-g.net/mmag/040412/news.html#2

 高校時代の科目履修状況に配慮して補習などを実施する大学が増えている。
大学の補習は、大学生の「学力低下」を示すエピソードとしてマスコミなどで
も盛んに取り上げられ、生徒を大学に送り出す側の高校における「学力向上」
を求める論拠の一つにもなっている。しかし、高校が学力向上さえ図れば、こ
の問題は解決するのだろうか。いわゆる「大学全入時代」を控えて、学力向上
と同時に取り組まなければならない課題が高校にはあるのではないか。

●大学の意識変化が背景に

 文部科学省が3月に発表した2002年度大学改革状況調査の結果によると、高
校の履修状況に配慮した取り組みを実施しているのは国公私立404大学で、大
学全体の59%に上っている。補習など学生の「学力低下」への対応が、大学に
とっても一般的な取り組みとなりつつあることを示すものだ。ただ、取り組み
内容をみると、「補習授業」の実施は168大学で、161大学だった00年度からほ
とんど変わっていない。
 一方で、「経済学部の学生なのに統計を知らない」「理学部なのに物理を学
んでいない」など高校教育の多様化を批判する大学関係者は少なくない。実際
に今回の調査では、高校の科目履修状況に応じて「既習組と未習組を分けた授
業」を実施するのは00年度の80大学から02年度は102大学に増加しており、対
応せざる得ない大学側の状況がうかがえた。
 「学力低下」と高校教育の多様化の関係は、さまざまな議論があるが、ある
大学関係者は「学力問題や高校多様化に対応するようになったのは、実は大学
自身の事情だ」と指摘する。不況により自前で社員を教育する余裕がなくなっ
た企業が、即戦力として大学に質の高い学生を求めるようになっている。就職
率は大学の人気も左右するので、必然的に大学は生き残りのために学生の質の
向上に力を入れざるを得ないという見方だ。数多くの授業に登録し、難しい授
業は途中で放棄するという安易な履修選択を防ぐため、年間履修科目数に厳し
い上限を設ける「キャップ制」を導入した大学は、00年度の272大学から02年
度は381大学へ、研修など組織的に大学教員の授業力向上を図る「ファカルティ
・ディベロップメント」の導入も00年度の341大学から02年度は458大学へと、
それぞれ急増している。大学生き残り競争の中で、研究中心だった大学関係者
の意識が教育中心へと大きく変化していることが、高校教育に対する注文や批
判の背景にあると言える。

●「受験」から「進路」への転換を

 学生の質を上げる最も簡単な手段は、入試を難しくすることだ。06年度入試
から国公立大学が大学入試センター試験で「5教科7科目」を課すのはこれに
当たる。しかし、国公立大と一部有名私大を除けば、少子化による受験者数減
少の中で科目増加に踏み切ることは難しい。一方、01年度入試で207大学が実
施したAO入試は、03年度入試には337校に増加しており、今後も導入が進むの
は間違いない。いわゆる「大学全入時代」を実質的に迎えつつある中で、生徒
のほとんどが国公立大を受験する高校以外では、入試科目増による「受験圧
力」はもはや切り札とはなり得ない。
 入試で合否判定をして入学させたのだから、補習でもなんでもして大学が対
応すべきだという見方もあろう。正論ではあるが、本来、高等教育をすべき大
学が限られた予算と人的労力を補習に使うのは、教育資源の有効的な活用とは
言えず、大きな視点で見れば日本の教育にとって好ましくはない。また、欧米
のように「卒業するのが難しい大学」にすべきとの意見もある。一定の成績に
達しないと退学させるという「グレード・ポイント・アベレージ(GPA)」
を何らかの形で導入している大学は、日本でも02年度で全体の21%に当たる
146大学に上っている。しかし、欧米と違い財源のほとんどを学生の授業料に
依存している日本の大学で、GPAが本当に機能するのか疑問視する向きも少
なくない。
 いずれにしろ、多くの大学が根本的な解決方策を打ち出せない以上、今後ま
すます高校への要請が強まるのは確実だ。また、大学が批判する未習科目問題
も、生徒の安易な科目選択というより、国公私立別や理系・文系別など「受験
対応」の視点でカリキュラムを組んでいる高校に責任の大半があるという見方
もできる。「大学全入時代」を迎えつつある中で、生徒にきちんとした進路意
識を持たせ、それに対応した選択科目の履修指導をすることが、現在、高校に
求められている。大学で何を学ぶのか、そのためにどんな科目を履修しておく
必要があるのか指導をせず、単に「受験対応」の「学力向上」に励んでも、大
学の高校生に対する学力低下批判を止めることはできないだろう。


     このコーナーは毎月第4週配信号に掲載します。

     ▼この記事はキャリアガイダンス.netにも掲載しています
      http://www.career-g.net/mmag/040628/eye.html

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@最前線! 職業人インタビュー@ vol.14後編

「ドクハラ」も告発する、ガンの治療医・相談医
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 土屋 繁裕氏

 つちや・しげひろ●1956年、福島県生まれ。帝京大学医学部卒業後、2000年
 3月までの16年間、癌研究会附属病院に臨床外科医として勤務。現在、福島
 県郡山市の医療法人慈繁会土屋病院外科部長。また、2000年7月、患者の立
 場に立った最良の治療の選択と闘病支援を目的とした組織「キャンサーフリ
 ートピア」を東京都千代田区に設立、代表に就任。ガンのセカンド・オピニ
 オン専門医として、ガン治療をトータルにコーディネートする活動を行って
 いる。著書に『ストップ ザ ドクハラ』(扶桑社)、『ドクターハラスメン
 ト』(扶桑社)、『がん病棟の真実』(経済界)、『このガン、切るべきか
 切らざるべきか』(NHK出版)がある。 http://cftopia.com/index.html
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 ※インタビュー:2004年3月24日

 もっと個性を伸ばす教育を

 僕は、福島県立安積高校という、県下で1、2を争う進学校の中でも、さら
にトップクラスの理数科に入りました。このクラスだけ、学校区がなくて生徒
は全県から集まってくる。1クラス40人で、3年間クラスの生徒は変更ないん
です。そのせいか、今でもそれなりのつき合いは続いていますよ。学校はバン
カラでしたが、理数科には勉強できるやつばかりが集まっていて、休み時間も
席を立たずに勉強している。僕なんかは、入学して以降、剣道ばかりやってい
たこともあって、クラスの中では落ちこぼれになっていきました。周りは秀才
ばかり。一番成績がいいヤツは、僕たちとも話を合わせようと、新聞のテレビ
欄を読み込んで話題を仕入れてきていました。そいつの教科書を見ると、やた
らめったら線が引いてある、欄外まで。そんなに線引いたらどこが大事かわか
んないじゃない、と言ったら、「大事じゃないところがあるの?」って聞き返
されました。僕は勉強はあまりしなかったな。根っからの怠けものなんですよ。

 でも、人間なんて基本は怠けものでしょう。その上でいかに自己管理ができ
るかが大事なんであって。人間性のある医療が大事だ、なんて言っている僕で
も、夜中に病院から電話かかってきて呼ばれるのは嫌だしね。でもそうやって
いやいや行っても、患者さんの顔を見れば変わりますよ。家族と同じような感
覚ですからね。だから、患者さんを家族と思えるような医療は、たくさんの人
相手では無理なんですよ。そうかと思えば、患者さんに面と向かって「あなた
のせいで3日も寝てないんだ」などとドクハラを言う医者もいる。そういうの
は医者に向いていないと思いますが、そもそもは現在の医療のシステムがドク
ハラの土壌になっているんですね。

 医者になるためには、体力が一番大事だと思います。これはどんな職業でも
そうだと思いますが、体力がなければ技も知識もついてこないと思います。よ
く「心・技・体」といいますが、僕は「体・技・心」だと思う。剣道もそう。
体ができていないと、メンタリティだけではカバーできないんです。だから、
若い頃は強靭な体を作るために鍛えなければならないと思いますよ。それから
心ですね。患者さんの苦しみや悲しみが自分のこと、家族のこととして思える
かどうか。みんな最初はそんな志があっても、研修医は忙しくて本も読めず、
流れ作業的に患者さんに対応していくうちにそんな本質を忘れてしまうんです。

 体や心が大切といっても、医者にはやはり成績が優秀な人がなっていきます。
人間性は試験では判断できないから、仕方なく偏差値の高さを競う学力試験の
結果で判断し、医師の免許が与えられている。ところが、偏差値の高い人は、
勉強ばかりやって、あまり人づき合いをしてこなかったような者が多いんです。
だから、医者は病気は診れても人は診れない、と批判されるんだと思います。
僕はよく、医者は新生児のまま社会に出ているようなもんだ、と言っているん
です。医者になるとすぐに先生と呼ばれ、1晩数万円という金も入ってくる。
ステイタスも高く批判が届きにくい。第一、医学生は就職活動しないんですよ。
医局に入って、そのまま病院が決まる。自分で仕事を探すという意識が欠落し
ているんです。自分自身が医者になろうと思ったのは、やはり父親の影響です。
子どもの頃から手術に好奇心があって、毎日のように家の病院で見ていたんで
すよ。手術してどんどんガンをやっつけてやりたいって思っていました。

 いい医者を生むためにも、学校教育でできることはたくさんあると思います。
バランスのとれた高度な知識も大事なんですが、社会に出れば専門性があれば
通用しちゃいますから、もっとそれぞれの個性を伸ばして専門性を身につける
教育をしてもらいたいですね。アメリカでは、スペシャリストはみんな同列の
扱いですよ、スポーツでも商売でも学問でも。一方、日本では文武両道といわ
れ、普通の子がスポーツだけできてもあまり評価されない。日本のエリートは、
何でもできる子でしょう。高校教育までで最低限のインテリジェンスを身につ
けて、大学に入ったらやりたい分野に集中して伸ばすようにできればいいと思
うんです。なのに、大学受験までがきつくて、大学で遊んじゃうから勉強した
ことなんか抜けちゃう。それでは何のために学問するのか、わかんないですよ
ね。だから、成績がいいからステイタスの高い医者になった、というやつが多
くなるんですよ。だからこそ、なおのこと個性を生かす教育をしてほしいと思
いますね。

    次回は、『13歳のハローワーク』を担当した編集者、幻冬舎常務の
    石原正康氏にご登場いただく予定です。

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@リレーエッセイ@
高校生がワカル、大人がカワル−6

『最後の旧カリ生』 予備校講師 飯田 高明

 1学期も半ばを過ぎ、我が塾生も予備校の授業に慣れ、私のもとには質問や
相談が後を絶たなくなってきた。今年の高3生は例年になく危機意識が高い。
今回はそのことについて述べたい。
 現在、高3生は旧カリキュラム(94年度より施行)の最後の受験生である。文
部科学省の学習指導要領の改訂で、次年度からは新カリキュラムでの入試とな
る。「受験に失敗すると、次の年には今の勉強が役に立たなくなるって噂をき
いたんだけど…」「学校の先生に今年合格しないと大変になるぞって言われた
けど本当?」これらの言葉の中には真実もデマもあり、これらが相乗的に受験
生の危機を煽っているようである。
 カリキュラムが変更されると、大学受験ががらりと変わる可能性がある。例
えば、ある大学は、今年度は「化学・生物」の理科2科目で受験できたが、来
年からは「物理・化学・生物」の3科目を必須にすることを表明している。受
験生には災難としか言いようがない。当然、高校も予備校も対応を迫られるこ
とになり、私も来期の対応に四苦八苦である。ところが大学側はのんびりとし
たものであり、新カリキュラムでの受験科目を公表しているのは、意思決定の
迅速な「一流大学」が主であり、大半は他のことで忙しいのであろうか、公表
する気配がなく困ったものである。
 もっと可哀想なのは高2生である。新聞紙上などでご存じだと思うが、今回
のカリキュラム改訂では、各科目の内容が3割カットされている。では、大学
受験の内容も3割カットかというと、そう甘くはない。過去の経緯を見ても内
容が増加することはあっても減少することは考えられない。受験生には何の罪
もないのに、小1〜高3まで内容がカットされ続け、受験内容が減らないとい
う理不尽と戦わなくてはならないのである。
 しかし、予備校にとって今年はありがたい。授業に対する真剣さが格段に違
う。例年なら夢と現実がかけ離れて、11月頃から慌てて質問や相談にくるのが
予備校の風物詩であった。しかし今年は6月の時点で「問題演習をガンガンや
りたいけどいい問題集教えて」「今から大学の過去問をやった方がよい?」
…実に頼もしい限りである。俄然、こちらも気合が入る。おかげで私のスタミ
ナはもう切れかけている。彼らのエネルギーに圧倒される毎日である。こうい
うのを「嬉しい悲鳴」というのだろうか…。何とか梅雨を乗り切りたいもので
ある。

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 執筆者プロフィール
 いいだ・たかあき 河合塾講師。1968年三重県に生まれる。広島大学教育学
 部(理科)卒業後、同大学院理学研究科博士課程に在籍中の1995年より、河合
 塾広島校で生物を担当。2000年より、東京地区へ移籍し、現在、東大オープ
 ンや全統マーク模試をはじめとする模擬試験やテキストの執筆を手がけ、東
 京と広島を毎週往復し、生物の講義を行う。人気、実力ともに高い評価を得
 ている名物講師。著書に「こだわって!国公立二次分野問題集(河合出版 
 小畑成美・前田真共著)」がある。
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    次回は、米在住カウンセラー 大谷 彰氏の執筆です

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  編集長   : 角田 浩子
  編 集   : 長濱 良 キャリアガイダンス編集部 
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  編集協力  : 株式会社ブックデザイン
  発 行   : 株式会社 リクルート http://www.recruit.co.jp/

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