2004年7月12日
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キャリア教育のいまがわかるオンタイム・オンラインマガジン
◆◆◆ キャリアガイダンス@メール ◆◆◆ ∞ No.31 ∞
*発行:株式会社リクルート「キャリアガイダンス」編集部
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【変化する社会、人――高校教育のあり方とは?】
いま、「働く価値観」は多様化しています。
キャリア教育・進路指導においても、変化し続ける生徒個人個人の「興味」
「能力」「価値観」を踏まえることが必要とされています。「キャリアガイダ
ンス@メール」では、いま社会で変化しつづけている「働く価値観」をめぐる
オピニオンや最新のキャリア教育に関するニュース等をタイムリーにお伝えし
ます。ぜひご指導のご参考にしてくださいますようお願い申し上げます。
@教育関連ニュース&イベント@
▼今号のニュース
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●青少年就業●高卒就職者の5割以上が3年以内に離職 青少年白書
内閣府は6月22日、「青少年白書」を公表した。それによると、青少
年の失業率は依然として深刻な状況にある中、高校卒就職者の5割以
上が3年以内に就職先を離職している。高校卒就職者の離職率は、就
職1年目が26.3%、2年目が14.7%、3年目が9.3%で、新卒採用の高
校卒業者の5割以上が就職3年目までに離職していることになる。
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http://www.career-g.net/mmag/040712/news.html#1
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●大検改革●全日制生徒も大検受検可能に 中教審中間報告
大学入学資格検定(大検)の改革を審議していた中央教育審議会(鳥
居泰彦会長)は6月21日、合格必要科目数の引き下げ、高校全日制課
程の生徒への受検機会の拡大などを内容とする中間報告をまとめた。
規制緩和により2003年9月から、高校卒業資格がなくても個別大学ご
との審査で入学を認めることができるようになり、大検資格の必要が
薄れたことを受けて、新しい大検制度の在り方を検討していた。中教
審が今夏にもまとめる答申を受け、文部科学省は2005年度から、新大
検をスタートさせる方針だ。
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http://www.career-g.net/mmag/040712/news.html#2
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●教育改革●改正地教行法・学校教育法が成立 通常国会
6月18日に閉会した通常国会では、主な教育関係法案として改正地方
教育行政組織法(地教行法)と改正学校教育法の2つが成立した。改
正地教行法は、学校運営に地域住民などが参画する「地域運営学校」
を設置するもので、来年度から創設が可能となる。文部科学省は、地
域運営学校の指定対象を主に市町村立小・中学校と想定している。一
方、改正学校教育法は、薬剤師の資質向上を目指して、大学の薬学部
に6年制課程を導入することが柱。
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●調査●経済的理由で修学旅行不参加が急増 全国私教連
全国私立学校教職員連盟は6月9日、2004年度「経済的理由での退学
者調査」をまとめた。それによると、経済的理由で修学旅行に参加し
なかった私立高校生の数は156校503人(1校当たり3.18人)に上り、
前年度よりも169人増加している。全国私教連は、国や地方自治体に
授業料の補助・減免制度などの創設を求めている。
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http://www.career-g.net/mmag/040712/news.html#4
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●評価規準●高校版「評価規準参考資料」作成 国立教育政策研究所
国立教育政策研究所はこのほど、「評価規準の作成,評価方法の工夫
改善のための参考資料」高校版をまとめた。新学習指導要領における
各教科・科目別の評価の観点などを示しており、2002年の小・中学校
版に次ぐもの。新学習指導要領での高校における評価の在り方全体を
解説するとともに、各教科・科目別に評価の観点の趣旨を説明。この
うち原則必履修科目については、各単元ごとに細かく評価基準とその
具体例を作成して提示している。
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▼今号のイベント
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●イベント●
第3回『天職発見のためのキャリア・カウンセリング』
NPO法人日本心理カウンセリング協会が、自分の天職、適職がわか
らないで悩んでいる若者のためにカウンセリングを行う。まず天職発
見テストを受け、それをもとにカウンセリングしながら天職の診断と
助言を行うもの。期日は8月7日(土)・8日(日)。
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●セミナー●
教師のための“話し方入門”講座
「生徒の心をつかむ―その理論と実践」と題し、いかに生徒を引きつ
けて相互信頼を芽生えさせるか、そのための「話し方」が実践的に学
べる国際教育協議会主催によるセミナー。期日は8月19日(木)。
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@最前線! 職業人インタビュー@ vol.15前編
『13歳のハローワーク』を作った、ベストセラー編集者
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株式会社幻冬舎 常務取締役 編集本部・出版局担当
石原正康 氏
いしはら・まさやす●1962年、新潟県生まれ。高校時代からロック音楽に熱
中し、アマチュアバンドでギタリストとして活躍。ヤマハ主催の音楽コンテ
ストで新潟県の「ベスト・ギタリスト」に選出される。法政大学経済学部入
学後、85年から角川書店の「月刊カドカワ」編集部で、アルバイトで編集者
の仕事を始める。88年、担当した山田詠美氏の『ソウル・ミュージック・ラ
バーズ・オンリー』直木賞受賞で編集者として認められ、同社に入社、書籍
編集部に配属。93年、同社のトラブルを契機に、上司であった見城徹氏(現
・幻冬舎代表取締役社長)らと6人で退社し、同年11月の幻冬舎設立に参加。
常務取締役就任。
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※インタビュー:2004年6月23日
一編集者として常に現場に身を置き、
ピュアな気持ちを失わずにいたい
幻冬舎は、10年前の設立以来、五木寛之氏の『大河の一滴』、郷ひろみ氏の
『ダディ』、石原慎太郎氏の『弟』、天童荒太氏の『永遠の仔』、そして村上
龍氏の『13歳のハローワーク』など、ミリオンセラーが続いています。設立し
た当時は、「自分たちが読みたい本を作ろう。それが喜び」というシンプルな
志があり、その思いで作った本は絶対に売れるという確信もありました。少し
前には村上春樹さんの『ノルウェイの森』が数百万部も売れていて、文芸でも
売り上げをあげることは可能だったんです。それに、山田詠美さん、よしもと
ばななさん、五木寛之さん、村上龍さんといった売れっ子作家と懇意にしてい
ましたので、何とか滑り出せると。チェ・ゲバラ(*)が言うところの「革命
を起こすには用意周到な準備はいらない、何かを立ち上げれば必要なものは見
えてくる」ということを信じてやってきましたね。
ぼくは常務取締役ですが、編集の仕事ももちろん、やっています。現場感覚
が経営に反映されないと会社がおかしくなりますから。キツいですけど、得が
たいポジションだと思っています。編集者として、どうしてもその作家と仕事
をしたいというモチベーションがなければできるものでもありませんから、自
分がやりたい相手、というだけで担当する作家を決めています。作家とは、気
難しくて、それでいてデリケートな人が多い。作家からよく言われるのは、
「普通の本を作りたくない」ということですね。そういう仕事は、作家のスケ
ジュールを押さえて何か書いてもらう、とか、会社の都合で何か企画を出して
書いてもらう、というようなことではないんです。全くの個人同士の付き合い。
ですから、書けるかどうかはわからないが、「コイツのためなら書いてやって
もいいか」と思ってもらえるように愛嬌度を高めておくのは大切なことだと思
うんです。
村上龍氏は「うまく仕事をするための特別な神経の持ち主」、山田詠美氏は
「感じよく振る舞うだけなら誰でもできるが、彼はケンカできる相手」と僕を
評してくれています。例えば、同じ新宿を歩いていても、村上龍的新宿、山田
詠美的新宿、と全く違う風景になるんです。その世界に一緒にいる人間として、
ゼロから作品を作る作家を支えてあげたい、という編集者的愛情を覚えること
が大切です。とはいえ、編集者が、「この作家にこんなことを書いてほしい」
とアイディアを出すことはありません。作家の中から出てきたものでないと、
書くエネルギーが生まれてこないですから。ですから、なるたけ作家と一緒に
過ごして、作家の愛情や意欲がどんなことに向かっているのかを知ることが非
常に大切なんです。愛情が向かっている、ということは、積極的に書ける状態
なわけですから。つまり、編集者として作品をものにするチャンスは、作家の
周辺に常にあるわけです。そこからあふれたものをどう察知して、作家に明確
にイメージにしてもらえるか、が勝負どころではないでしょうか。
ぼくも作家志望の時期がありました。高校生の頃、大の小説好きの女性とつ
きあい始めたんですが、高3のとき、彼女からフラれまして。でも好きだった
から、彼女が好きな小説を書く作家になれば振り向いてくれるんじゃないかと、
大学に入ってから書き始めたんです。新人賞に軒並み応募したんですが、落選
ばかり。そうしているうち、角川書店の「野生時代」新人賞の審査員が中上健
次、村上龍、三田誠広、宮本輝といった若い作家たちに変わったことを知り、
ひょっとしたら、と思ってもう1作書いてみることにしたんです。そうしたら、
当時編集長だった現・幻冬舎社長の見城から、最終選考に残ったという連絡を
もらいました。結果、落選したんですが、それを契機に編集部でアルバイトを
させてもらうようになったんです。
見城が「月刊カドカワ」に異動になり、ぼくも移って原稿取りの仕事をやり
始めました。当時、山田詠美さんが『ベッドタイムアイズ』を出して騒がれて
いました。彼女に短編の連作を書いてもらうことにしたのですが、その『ソウ
ル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』が直木賞を受賞しました。ぼくが24
歳のときで、編集者としては若いときの業績でしたね。あ、編集者でいけるな、
と。それ以来、作家志望は捨てました。相当ひどい小説とは言え、一応、自分
でも書いていましたから、書き手の気持ちがわかったんです。あ、ここで苦労
しているな、とか、この一行は余計かな、とかね。それを率直に作家に伝える
ことはできるんです。作家は孤独で、その中で生んだ作品について何かを言っ
てほしいんです。体で反応した言葉をぶつける存在になればいいということが
わかってきていました。
(*)チェ・ゲバラ
アルゼンチン生まれのマルクス主義革命家で、キューバのゲリラ指導者。彼の
生涯と思想は西側の若者や革命を目指す者たちに熱狂的にもてはやされた。
(1928−1967)
後編に続く
▼この記事の全録版は7月26日キャリアガイダンス.netに掲載します
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@リレーエッセイ@
高校生がワカル、大人がカワル−7
『若きアメリカ新入生の悩み』
米在住カウンセラー 大谷 彰
「アメリカの大学は入学しやすいが、卒業しにくい」とよく耳にする。授業
料の急騰にともない、アメリカの大学入学も近年困難になりつつあるが、それ
でも日本の入試に較べるとやはりまだ楽な方と言えよう。しかしながら入学の
容易さはそれだけ問題をかかえる学生が多いということを意味する。日本でも
定着した学生カウンセリング相談センターといった組織がアメリカの大学に早
くから設立されたのも、実はこうした背景を踏まえているのである。
2001年度のアメリカの高等教育リサーチ研究所 (HERI) の調査によると、最
近の新入生には(1)家族によるサポートの低下、 (2) 悩む学生の増加、
(3)問題の深刻化、(4)精神衛生の悪化、が目立っている。ちなみに新入生の
ドロップ・アウト、すなわち「落ちこぼれ」は32.7パーセントにも達しており、
まさに3人に1人の学生がキャンパスを去ってゆくという現状である。ドロッ
プアウトした学生の多くは再入学にトライするが、日本の大学ではまず考えら
れない数字であろう。そうでありながら、「専門カウンセラーによる援助を受
ける意思がある」と回答した学生数はわずか6.6パーセントに過ぎなかった。こ
うした数字が大きな社会問題を示唆していることには間違いないが、アメリカ
のマスコミで特に取り上げられなかったのは、やはり大学生活が新入生にとっ
ては艱難辛苦であり、ある程度の自然淘汰は仕方がないと考えられているから
だと思われる。
青少年の発達を研究した、ニューヨーク州立大学のマイケル・バーゾンスキ
ー教授によると、アメリカの高校生や大学生は意思決定のアプローチによって
3種に大別できる。第1は必要とされる様々な情報を収集し、それの分析から
意思決定を試みる「情報(information)タイプ」である。このタイプの学生は自
分の問題や悩みに対して積極的に取り組み、自我の確立が最も進んでいる。2
番目の「規律(normative)タイプ」は両親や尊敬する恩師・先輩などの意見に従
うグループで、意思決定にあたり慣習を重んじ、既存の価値観や自己の信条に
固執する。このため判断は柔軟性を欠いた保守的なものになりやすい。最後の
「分散/逃避(diffuse/avoidant)タイプ」は自己の当面する問題と積極的に取り
組まず、成り行きまかせに意思決定をおこなう学生たちである。3つのうち、
このグループに最も問題が多いのは言うまでもなかろう。最近のメリーランド
大学カウンセリングセンターのアンケート調査によると、情報タイプは女性に
多く見られ、男性には分散/逃避タイプが目立ったが、規律タイプには男女差
がなかった。こうしたデータは同じ過酷な状況におかれた新入生でも性別や意
思決定スタイルによって、その対処の仕方が大きく違ってくることを示してい
る。
もし同じ調査を日本の高校生や大学生対象に行ったら、果たしてどのような
結果が出るであろうか? 日米文化の違いから、情報タイプの学生が個人主義
と自己決定を重視するアメリカの理想像とすれば、しきたりやタテの人間関係
が尊重される日本では規律タイプの学生が意外と多いのではなかろうか? こ
の場合、自我はどのように確立されてゆくのであろうか? また日本の新入生
にはどのような困難が待ち受けるのであろうか? 興味は尽きない。今後の研
究が待ち望まれる。
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執筆者プロフィール
おおたに・あきら メリーランド大学カウンセリングセンター、シニア・サ
イコロジスト。1955年大阪生まれ。高校在学中に米国オハイオ州へ1年間、家
庭滞在留学を体験する。帰国後、上智大学外国語学部英語学科に入学し、卒
業と同時に再度渡米、西バージニア大学院にてカウンセリング心理学を修め
る。教育学博士。ジョンズ・ホプキンス大学助教授を経て1989年よりキャリ
アと臨床心理のカウンセリング実践を行う一方、GCDFインストラクター、京
都ノートルダム女子大学客員教授として日米で積極的に研修・講演活動を行
う。著書に『カウンセリング・テクニック入門』(二瓶社)はじめ論文多数。
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次回は、精神科医の香山リカ氏の執筆です
▼この記事はキャリアガイダンス.netにも掲載しています
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編集長 : 角田 浩子
編 集 : 長濱 良 キャリアガイダンス編集部
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