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公開シンポジウムレポート ニート――何が問題なのか
シンポジウムのご案内 キャリア教育シンポジウム
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「ぎふ未来教育モデルシティプロジェクト2006」
公開シンポジウムレポート ニート――何が問題なのか

ニート(NEET=Not in Education,Employment or Training)に対する社会的注目が高まっているが、その実態や原因・背景についてはいまだ明らかでない面も多い。このシンポジウムでは、ニートに詳しい各界の論者が、それぞれの角度からニート問題に鋭く切り込んだ。

日時/2005年10月1日
場所/東京大学本郷キャンパス
主催/日本学術振興会、東京大学大学院教育学研究科 教育研究創発機構

 初めに堀有喜衣氏(労働政策研究・研修機構人材育成部門研究員)が演壇に立ち、労働研究の立場からニート問題に言及した。イギリスにおけるNEET問題は、どちらかといえば社会的排除層(出自等を起因とする雇用や貧困等の問題を抱える層)の問題として認識されているが、日本では若者全般にかかわる問題として捉えられている。イギリスでは十代の若者(16〜18歳)にフォーカスしているため教育訓練に重点を置いた支援をしているが、日本は対象年齢が幅広く(15〜34歳)、労働問題として認識される傾向が強いなど、日英の相違を指摘した。イギリスの支援はCCISという若者の進路追跡情報データベースを基とし、若者全員の状況をつねに監視・把握して行政側から働きかけるという体制だ。日本の支援策も今後さらに充実すると思われるが、仮にCCISのようなデータベースをつくるとすれば、自分の周囲に網が張り巡らされるような社会を息苦しいと感じる若者は少なくないのではないかという見解も示した。

コミュニケーション能力の向上で解消されるか?
 中西新太郎氏(横浜市立大学国際文化学部教授)は若者研究の立場から、現在のニート言説は、若者の社会に出る意欲のなさ、働く意欲のなさが主たる原因であるといったニュアンスで広がっているが、そのことが本人や家族に強い屈辱感を抱かせていると語った。また、そうした世間の認識が、外向的な性格形成やコミュニケーション能力向上をめざした訓練の必要性を後押ししているように見えるが、そのような動きは極めて危険であると指摘した。なぜならそうした訓練は個人の内面に、本人の人格とは別の外向的キャラクターを作り出すことを強いる可能性があり、若者たちに人格を乖離させる技法を身につけさせる結果を招きかねないからだ。中西氏はニートが問題であるというよりも、ニートが問題であるという社会の認識こそが問題であり、社会的な「自立像」の組み換えが今後必要であると主張した。

  浜井浩一氏(龍谷大学大学院法務研究科教授)は非行問題とニート問題の共通点として、雇用問題を挙げた。日本の少年非行については、マスコミ報道などの影響で多くの人が「低年齢化」「凶悪化」「一般化」といったイメージを持っているが、実態はそれと異なり、全般的に安定化の傾向にあることをデータから明らかにした。ただし気になる面がないわけではなく、これまでは15歳をピークに急減するという特徴があったが、その減じ方が鈍くなってきており、18、19歳をピークとする欧米型に近づきつつある兆候が見えるという。従来、非行少年が15歳を境に急減していた主たる理由は社会の雇用システムがうまく機能していたためと思われるが、そうした受け皿の減少がこの問題の背景にありそうだ。ニート問題も非行問題も個人に対する教育は不可欠だが、雇用の創出が今後一層の課題になるだろうと語った。
火急の問題は「若年就労問題」
 以上のスピーチを受け、本田由紀氏(東京大学大学院情報学環助教授)はニート問題にまつわる最大の問題として、ニートのイメージと実態とのズレが、この問題の議論と解決とを困難にしているのではないかと指摘した。ニートは大別すれば「非希望型」と「非求職型」に分けられるが、92年〜02年の10年間に非希望型(仕事につきたくない人)が横ばいである半面、非求職型(仕事につきたいが求職活動にいたっていない人)は17万人ほど増加している。それ以上に増えているのは、ニートには含まれない「求職型」(おもに失業者)と「フリーター」である。同じ10年で求職型は倍増し、フリーターはそれ以上に激増している。つまり現在の若者問題としては、フリーター(ニートに含まず)、失業者(ニートに含まず)、非求職型(ニートに含む)といった人々の就労問題がもっとも火急であろう。またニートはひきこもりに近い若者としてイメージされることが多いが、ひきこもりの人に対する支援と非求職型の人に対する支援は異なるはず。したがって、それぞれの困難に応じた対策を講じるためにも、さまざまなタイプの若者を包含してしまっている「ニート」という名称は使うべきではないだろうと主張した。
シンポジウム:キャリア教育シンポジウム
「地域に根ざしたキャリア教育の推進」を目指し、全国に25の推進モデル事業を選定して産業界と教育界が一体となって行う経済産業省の「地域自律・民間活用型キャリア教育プロジェクト」。産業界、教育界、および保護者など関係者が同プロジェクトの主旨の認知を深めるために、「子供たちを骨太の大人に育てるために〜地域と民間の活力が生みだすキャリア教育について」をテーマに「キャリア教育シンポジウム」が行われる。
【日時】 12月5日(月)14:00〜18:00
【会場】 六本木ヒルズ 森タワー49階タワーホール
【主催】 経済産業省
【参加申込み】 電話:03-5459-2907
もしくは下記専用ホームページより申込書をプリントアウトしてFAX送付
【申込み締め切り】 11月15日(火)
【詳細】 専用ホームページ http://www.career-edu.jp/symposium/
イベント:第3回岐阜市教育公表会「ぎふ未来教育モデルシティプロジェクト2006」
「『21世紀に生きる人を育てる!』考える力・コミュニケーション力・心の絆」をテーマに、岐阜市教育委員会が主催する教育公表会。教育先進国であるフィンランドの視察報告や、プロジェクト学習モデル校からの3年間の成果と課題の報告・提案、学校間連携メディアリテラシープロジェクトに参加した子どもたちの声の紹介および分科会が行われる。
【日時】 2006年 1月 6日(金)10:00〜16:00
【会場】 長良川国際会議場(大会議室・国際会議室)
http://www.g-ncc.jp/
【主催】 岐阜市教育委員会
【詳細・参加申込み】 下記ホームページ参照
http://www.gifu-gif.ed.jp/city/event/project2006/index.htm
【問い合わせ】 岐阜市教育研究所
電話:058-241-2114
E-mail:niwa-y@city-kyouken.gifu-gif.ed.jp
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