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基礎から分かる教育トピック キャリアガイダンス@メール
「教育特区」〜文科省関係で162件が実施〜
 地域を限って国の規制を取り払い、地方自治体や民間の自主的な事業を進める「構造改革特区」制度。文部科学省関係だけでも現在、162件の特区(教育特区)が実施されている※1
規制はもとより、慣例を打ち破る契機に
 特区が登場した背景には、以前から規制改革や構造改革の必要性が叫ばれながら、法律改正などの壁に阻まれてなかなか進まなかったことがあります。地方自治体や民間事業者にとっても、これまで制度というものは「上から降りてくるもの」でした。しかし、自分たちで代替案を考えて提案できるようになったことで、自治体や民間の自立が促されます。それに加えて、特区が実現する、しないにかかわらず、これまで「慣例」でだめだとされてきた規制がなぜ必要なのかが、提案や申請の過程※2ですべて文書によってオープンになる、という意味は大きいものがあります。これは私自身、当研究所で関係者を集めた教育特区のセミナーやシンポジウムを重ね、また自分でも三重県志摩市に学校設置会社による通信制の「代々木高等学校」を開校(2005年4月)して、はじめて分かったことです。
 とりわけ教育関係は、この慣例が非常に根強い分野ではなかったでしょうか。本来、日本の教育法規は細かいところまで規制せず、校長の裁量でかなりのことができる“使いやすい法律”になっているはずでした。しかし慣例主義がはびこるによって、裁量権を行使する勇気がいつの間にか薄れてしまっているように感じます。  特区制度は、これまで実験すらできなかったことを「やっていいよ」とお墨付きをくれると言った意味もあるのです。特区の論議をきっかけに、教育の分野でも改革が急速に加速したことは間違いありません。
教員個人でもできる規制緩和の提案
 当研究所が昨年行ったアンケートによると、市区町村の多くが特区に興味を持ちながら、実際に活用しているのは1割もありません。しかし、「提案があれば前向きに考えたい」というところも少なくないのです。
 実は、規制改革の提案が個人でもできる※3ことは、あまり知られていません。これまで慣例によってできないとされてきたことが、本当にできないのかどうか、特区制度を使って確認できるのです。そうした使い方もできると思います。
 学校の先生たちも、それぞれに自分のやりたい教育の理想をお持ちのはずです。特区提案をきっかけに、そうした理想を語り合って、理想の学校づくりを実現することができるのです。そのために「まず動いてみませんか?」と呼び掛けたいと思います。(談)
 
この人が解く!
  21世紀教育研究所 代表理事 一色 真司 氏
 
キーワード
*1 特区の認定状況
 2003年4月の第1回認定以来、2005年11月の第9回までに累計709件が認定を受け、全国展開されたもの等を除くと現在、498件が実施されている。このうち文科省関係は162件で、特区研究開発学校(67件)、市町村費負担教職員任用(32件)、学校設置会社による学校設置(31件)などがある。このほか、高校の学校外学修単位を20単位から36単位に拡大する事業などは既に全国展開されている。
*2 特区認定までの仕組み
 規制改革の提案があれば、提案者に代わって内閣官房構造改革特区推進室が所管省庁と協議。過程はすべて構造改革特区推進本部のホームページで情報公開され、規制の特例措置が認められれば関連法令が改正される。実際に事業を行うには自治体が実施主体となって特区計画を申請し、認定を受ける必要がある。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi
/kouzou2/
*3 誰でもできる特区提案
 規制改革の提案は年2回程度、内閣官房の特区室が受け付けている。同室では「地方公共団体に限らず、民間事業者、NPO法人、個人、業界団体など、どなたでも直接規制緩和の提案ができる制度」(「特区提案の手引き」2005年10月)とPRしている。
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