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| 政府が進めるe-Japan※1が2005年度で終了するが、教育分野の目標達成は難しい見通しとなっている※2。教育の情報化を阻んでいるものは何か。情報化の進む社会で生きる子どもたちのために、教師はどうあるべきなのだろうか。 |
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e-Japanは、世界的な流れである情報化にうまく対応することで日本を豊かにし、国際競争力を高めようという、数次にわたる政府の大きな施策です。日本は情報化への対応が進んだ国だと思われがちですが、実は遅れている部分も少なくありません。国内でも医療分野は一歩、教育分野は二歩も遅れているとさえ言われます。
これには、日本社会の特質も反映していると思います。島国である日本ではどこでも日本語が通じますので、異文化にある人と意思を疎通させる必要性をあまり感じなくて済みます。これに対して諸外国では、日常的にさまざまな相手とコミュニケーションする必要に迫られていますから、うまくコミュニケーションしやすいIT(情報技術)機器の重要性をすぐに理解できるのです。学力の問題にしても、「これからは知識の量が問われるのではない」ということは外国の人なら切実に感じていることですが、日本ではまだ旧態依然の教育をしていても大丈夫だ、という風潮が残っているように思います。 |
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教育の情報化を進める視点として、3つの柱があります。第一は「教育方法の変化」で、学力向上のためにITを役立てることです。第二はいわゆる情報教育の「教育内容の変化」で、情報を集め、整理することはもとより、メディアリテラシー、情報モラル、プレゼンテーション能力、コミュニケーション能力なども入ってきます。第三が「校務の情報化」で、教師の雑務を効率化して、本務である授業や生徒指導などに力を振り向けようというものです。実はこれらが、e-Japanの教育分野のポイントでもあります。
このうち第一の柱はすべての教科、すべての先生にかかわることであり、一番重要だと私は考えています。黒板とチョークだけでは理解させることが難しい事柄を、図や動画によって一目で理解させることもできます。情報化の中で育ってきた今の子どもたちにぴったり合った授業を行うことで、学力を確実に向上させることができるのです。
整備が進んでいない自治体では、実は先生が活用の必要性を感じていないから予算要求が進まない、という悪循環に陥っている例が少なくありません。2006年度からは新たな「IT改革戦略」※3が始まりますが、日々の授業の革新が整備を促進させることにもつながるのです。
教師なら誰しも授業の腕を上げたいと思っているはずです。IT機器はそのための有効な道具になってくれますので、まずは可能なところからIT機器を使って授業をしてみることが大切です。情報化社会の中で仕事をする教師として、上手に使って、いい授業をしてほしいと願っています。(談) |
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| *1 e-Japan |
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| 政府のIT戦略本部が「5年以内に世界最先端のIT国家となる」という目標を掲げて2001年1月に打ち出した「e-Japan戦略」をはじめとした施策の総称。現在は「e-Japan戦略II」(2003年7月策定)と「e-Japan計画―2004」(2004年6月策定)に基づいて施策が進められている。 |
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| *2 教育分野での目標達成状況 |
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| 「e-Japan計画―2004」で示された目標について、文科省調査による2005年9月現在の実態(カッコ内の数値)を照らし合わせてみると、▽すべての公立学校が高速インターネットに接続できるようにする(接続率84.0%)▽すべての教室がインターネットに接続できるようにする(整備率48.8%)▽すべての公立学校教員がITを使って指導できるようにする(指導できる教員74.0%)――となっている。 |
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| *3 IT新改革戦略 |
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| e-Japanを受け継ぎ、2010年までに「いつでも、どこでも、誰でもITの恩恵を実感できる社会の実現」を目指して2006年1月、新たに策定された施策。教育分野では、すべての教員に1台のコンピューターを整備し、IT活用による学力向上を図るとしている。 |
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