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| 2007年度から使用される高校教科書の検定結果が先ごろ発表された。今回の検定対象は主に低学年用で※1、これで全学年の教科書に「発展的記述」がそろうことになる。変わる教科書と、どう付き合っていけばいいのか。 |
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「発展的な学習内容等の記述」は、いわゆる学力低下に対する懸念を背景にして、2005年度から使用される教科書から全面的に認められたものです※2。
しかし、私の専門教科である地理歴史を例に取ると、どの教科書を見ても「発展」という印はありません。検定基準ではどの教科でも発展的な内容を取り上げることができるようになっているのですが、今回の検定では数学や理科などが中心になっています※3。地理歴史などは、難しそうな記述でも学習指導要領の枠内として処理されているのです。
従来の教科書でも、例えば日本史や世界史のA科目はあくまで近現代史を中心とし、それ以前の歴史は主題学習として扱えばいいはずなのに、実際にはほとんどの教科書で通史を記述しています。これ自体、指導要領の枠外と言えなくもないわけです。つまり発展的記述のあるなしにかかわらず、高校の教科書は既に多様化しているのです。 |
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私も教科用図書検定調査審議会の委員になって痛感したのですが、最近の教科書は本当にバラエティに富んでいます。検定自体も緩やかになっています。教科書会社も現行の学習指導要領の意図を丁寧にくみ取って、かつ学校現場の要望にも沿いながら、今時の生徒の興味を引くような編集上の努力を相当にしているように思います。
ところで、現場の先生方は教科書をきちんと読んで選択しているでしょうか。「うちの学校の生徒には、このくらいの教科書で」と安易に選んでしまってはいないでしょうか。大学入試センター試験の問題をよく分析すると、現行の学習新指導要領や新しい教科書の傾向を強く意識していることが分かります。よく「大学入試があるから」とそれを基準に分量の多い教科書を選ぶ先生がいますが、それでよいでしょうか。
今の子どもたちに必要な「学力」とは何か、そのためにはどういう授業が必要かをしっかり考えた上で、いろいろな試みをしている教科書を読み比べてどれがいいかを選び、生徒に考えさせるような面白い授業を、ぜひ行ってほしいものです。
「教科書『を』ではなく、教科書『で』教えるのだ」とは昔から言われていることですが、依然として教科書「を」教えているどころか、教科書「しか」教えていない先生も少なくないのではないでしょうか。教師自身が興味をもち、新しい知識や物の見方に感動し情熱をもって行う授業は必ず生徒の心に響きます。教科書を「発展」させられるかどうかは、教師にかかっているのです。(談) |
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| *1 教科書検定のサイクル |
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| 教科書検定は「小学校」「中学校」および高校の「主として低学年用」「主として中学年用」「主として高学年用」の区分で、それぞれ4年ごとに行われている。2005年度検定は高校低学年用が対象で、2006年度に採択が行われ、2007年度から使用開始となる。 |
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| *2 教科書の発展的記述 |
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| 2003年12月の学習指導要領一部改訂に対応して、2005年度使用分から適用される高等学校教科用図書検定基準で、各教科共通して「学習指導要領に示していない内容」も取り上げることができることが明記された。ただし、指導要領の内容と関連したもので、生徒の過重負担にならないことを条件としている。なお、2004年度使用分の高校中学年用教科書でも一部教科で発展的記述が許容されたため、実質的には今回の検定分で低・中・高学年がそろったことになる。 |
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| *3 発展的記述の記載 |
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| 高校教科書検定基準では、発展的な内容を取り上げる際には「それ以外の内容と区別され、学習指導要領に示していない内容であることが明示されていること」という条件をつけている。そのため、本文とは別に「発展」マークをつけて発展的記述であることを明示している教科書が多いが、今回の検定で実際に発展的記述が掲載されたのは数学、理科、書道、家庭、情報の5教科だった。 |
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