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「学芸員」を活かした仕事
文化財を調べ、発見した事実を伝えて興味を喚起することが大事
東京国立博物館 文化財部列品課列品室研究員(東洋考古) 川村佳男さん(31歳)
やりがいは、来館者の「これなあに?」
 日本を中心に東洋の諸地域の文化財を収集・保管、一般公開しているほか、収蔵品に関連する調査研究や教育普及を行っている東京国立博物館。ここで中国や東南アジアの文化財を担当している学芸員の川村佳男さんは、学生時代を通じて主に漢時代の中国考古学を研究している。「子どもの頃、父が奈良に連れていってくれた時、大陸伝来の美術を通じて中国に興味を持ったことが、この道を志したそもそものきっかけでした」

 研究員の仕事は、文化財の調査研究と保存・管理および展示普及に大別される。調査研究は、担当地域の文化財の収集から始まる。中国の場合、基本的に文化財は国外持ち出しが法律で禁じられているので、法律制定前に日本にもたらされた作品の寄贈や古美術商からの購入が中心。「真贋の見極めが難しいですね。経験を積んで目を養うしかありません」。収集した文化財は、それがいつ頃、どういった目的で使用されていたのかなどを調べ、解説文をまとめて博物館内に展示する。「中国の土器で二千年前の台所で使われていたカマドのミニチュアがあって、一見地味ですがよく見ると、表面に包丁、魚、スッポンなどの調理具や食材の浮き彫りがある。当時の生活風景がしのばれるんです。そんな作品に秘められた魅力や面白さを伝えたい」という川村さん。解説文を書く際には、押し付けがましくない程度にとどめることで、モノの存在感を伝えるよう工夫しているという。

 子どもが親に自分の展示した作品を指して「これなあに?」と聞いている姿を見ると、その瞬間、その子に興味が生まれたことにやりがいを感じるという。「展示を見た人が、それを通じて外国の文化や歴史に興味を持ち、さらにその国の人々と交流してみたいと思える機会になれば、と願っています」
 
川村さんのキャリアステップと気持ちの変化
大学時代 史学科で考古学を学ぶ。学芸員資格の存在は入学後に知る。卒業と同時に学芸員資格取得。
大学院時代 中国考古学の研究者を目指して大学院に進学。教授の紹介で東京国立博物館でアルバイト。学芸員に接し、所蔵文化財の管理など研究以外の業務が多いことに疑問を感じた。
中国留学 博士課程時に中国に留学。そこで日本の学芸員の業務範囲の広さは、モノを大切にし、愛でるという日本人の誇るべき文化に根ざしていることに思い至り、学芸員の仕事の意義を再認識。
就職 たまたま東京国立博物館が中国考古の学芸員を募集していることを知り、そのチャンスに大学院を中途退学しての就職を決意。
現在 いずれ博士論文を提出し、博士号を取得することを目指す。
川村さんから高校生へのメッセージ
「川に入って石をめくった時、裏に虫が付いていて驚いた経験がありませんか。そのように、何でもないと思っていた物の中に、キラリと光るモノを見つけた時の感動を大切にしてほしいと思います。また、日本の博物館は、昔から物を大切にする風土に根ざしています。テレビの『お宝鑑定番組』に出てくるような物だけでなく、身の回りにある何でもないような物に込められている意味を考えると、いい勉強になるのではないでしょうか」
学芸員の取り方と活かせる仕事
学芸員を活かせる仕事の例
国家公務員地方公務員学芸員
 
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