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| 科目選択の指導や学力向上対策の一環として「シラバス」※1を作成する高校が全国に広がっている。高校のシラバスにはどんな可能性があり、どう活用すればいいのか。 |
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日本でのシラバスの作成は1990年ごろから大学で始められました※2。高校ではそれを参考に、単位制高校が授業を選択させる際の資料として1ページ程度の簡単なものを先導的に取り入れていました。それを、私が埼玉県教育委員会の指導主事時代に「県立高校学力向上総合推進事業」(2001〜2004年度)の一環として学年制普通科高校などにも導入することを推進しました。現在、全国的に広がっています。
シラバスの定義に確定したものはありませんが、同事業ではシラバスを「教科・科目の目標や指導計画、学習の到達目標、評価方法等を記した学習案内」として、その効果については(1)生徒の学習を支える(2)授業改善を促す(3)計画的な教育活動を推進する(4)教員の指導方法が向上する(5)学校の説明責任を果たす――の5点にまとめています。いわば授業の「品質保証書」だと言っていいと思います。
シラバスの導入には「作成効果」と「活用効果」がある、と私はとらえています。作成に当たっては、教員個人はもとより教科担当者同士などで組織的にそれまでの授業を検証することが必要になり、取り組み自体が授業改善につながります。多くの高校でも、そうした効果を期待して導入しているのでしょう。しかし、それでは一度作成してしまえば、効果は終わりです。授業に活用してこそ、シラバスは大きな効果を発揮するのです。 |
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最近ではただ授業の計画を示すだけでなく、自己評価などを生徒が書き込めるようにしている工夫が見られるようになってきました。私の前任校である幸手高校※3でもシラバスをバインダー形式にして活用できるようにしたところ、生徒の学習に向かう意欲が向上しました。授業で使ったプリント類を挟み込めば、それ自体が教材やポートフォリオになります。また、同校では教科だけでなく、進路、清掃などあらゆる活動でシラバスを作りました。いま春日部東高校では学校全体のシラバスと言うべきグランドデザインを策定しています。このように、シラバスは教育活動を総合化・構造化する可能性も秘めているのです。
そのためにも、決められた様式にとらわれたままではいけません。何よりも学校や生徒の実態をよく観察し、どういう学力をどの場面でつけさせるのか、しっかりと確認して独自の工夫を行うべきです。具体的な力を伸ばさないシラバスでは、何の意味もありません。生徒を育てるための「見取り図」として、授業実践を高めるための道具としてシラバスを活用してほしいものです。(談) |
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キーワード |
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| *1 シラバス |
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| 英語のsyllabusは、ギリシャ語のsittuba(羊皮紙製の書籍ラベル、表題紙)が語源。「授業計画」「講義要目」などと訳される。 |
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| *2 日本の大学でのシラバス |
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| 1991年2月の大学審議会答申「大学教育の改善について」で、学生の学習意欲を高め、学習内容を着実に消化させるための方策の一つとして、シラバスを作成・公表するよう提言。その後、急速に各大学に広がり、文部科学省の調べによると2004年度は99%の大学で作成されている。 |
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| *3 幸手高校のシラバス |
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| 「さちこうシラバス」は、(1)教科外シラバス(学習、環境美化・清掃、進路、読書、新体力テスト、健康生活)(2)教科シラバス(学年・教科ごと)(3)総合的な学習の時間――で構成され、「あらゆる教育活動についての総合型」「普段から活用する記述型」「バインダー形式の進化型」を特徴としている。 |
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