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キャリアガイダンス@メールTOP基礎から分かる教育トピック vol.16

基礎から分かる教育トピック キャリアガイダンス@メール
「主幹制度」〜東京都で登場から3年が経過〜
 校長・教頭以外は一般教員という「鍋ぶた型組織」を改めようと、東京都教育委員会が全国に先駆けて2003年度に導入した新たな職「主幹※1」。文部科学省によると、約30教委が同様の職を導入・検討しているという。
学校の機能的な組織運営のために
 学校がいじめ、不登校などさまざまな教育課題に対応し、一方で開かれた学校づくりなどの教育改革を推進するためには、校長のリーダーシップの下で、組織として適正に機能していくことが、いっそう求められます。従来、必ずしも機能的な学校運営ができていなかった理由の一つとして、学校の柱となるべき主任に、校務上の役割は与えられても管理運営上の役割が果たせないなど、制度上の限界があったことが挙げられます。そこで東京都では独自に新たな職として主幹を設置したのです。

 主幹は、経営層である校長・副校長(教頭)と、実践層である教諭等との調整的役割を担う「指導監督層」です。会社組織で言えば、近い将来に課長を目指す「係長」だと言えば分かりやすいでしょうか。都内の公立学校では「企画調整会議」※2の資料作成や司会進行などを主幹が担っており、経営層の意向をトップダウンで教諭等に徹底するだけでなく、各分掌などの意見をボトムアップで吸い上げ、議論に反映させる重要な役割を果たしています。これによって学校の組織的な課題対応力が高まり、迅速に保護者や都民の要望に応えることができるようになってきました。また、主幹が教諭等を指導することを通して計画的な人材育成が可能になり、学校全体の教育力も高まりつつあると見ています。単に新たな職を設ければいいというのではなく、主幹を活用してどういう組織づくりをしていくかが重要なのです。
複線化で職責や能力に応じた処遇も
 現在の悩みは、主幹級職選考※3の受験者数が減少傾向にあることです。高校に関しては2009年度までの計画的な配置を目指しているのですが、必要数約1200人に対して、2005年度現在で約600人と半数しか確保できていません。「忙しそうだ」というのが主な理由のようですが、校長が手を挙げてほしいと思うような力のある先生でも「授業で勝負したい」といった方が少なくありません。いかにインセンティブを与えるかが、今後の課題です。

 東京都ではこのほか、全体の85%を占める教諭層を「主任層」と「一般層」に分け、主任層を「主任教諭」(仮称)に任用して給与にもメリハリをつけることなども検討しています。職責や能力に応じた処遇を進めることは、教員一人一人の意欲を高めるために重要です。児童・生徒によりよい教育を行い、保護者・住民の信頼に応えるために、自分たちの職がどうあればいいのか。先生方にも前向きにとらえてほしいですね。(談)
 
この人が解く!
  東京都教育庁 勤労課課長補佐 横山 章夫 氏
 
キーワード
*1 東京都の「主幹」職
 給料表上も教諭(2級)の上位級である「特2級」に位置付けられ、1)副校長の補佐 2)校務分掌間の調整 3)教員の人材育成 4)教員の指導・監督―を行う。主任との兼務で、原則小学校2人(教務主幹、生活指導主幹)、中学校3人(教務主幹、生活指導主幹、進路指導主幹)、高校6人(教務主幹、生活指導主幹、進路指導主幹、各学年主幹)を配置するとしている。
*2 企画調整会議
 文科省に先駆けて職員会議を「補助機関」と位置付けたことに伴い、2003年4月の都立学校管理運営規則改正で新設された。学校運営の中枢的な組織と位置付けられている。校長、副校長、事務長、主幹を主なメンバーとし、校務に関する企画立案や連絡調整を行う。
*3 主幹級職選考
 都内公立学校の教職経験年数が10年以上で38歳から58歳未満の現職教諭または養護教諭を対象とし、本人の申し込みか推薦(都立学校の場合は校長)により選考。個人面接を行い、日常の勤務実績評価(人事考課制度により各校で実施)を加えて合否を判定し、合格した者を任用候補者として名簿に登載する。
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