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| 学校の教育理念や運営方針に賛同する教員を募る「公募制」を公立学校でも導入する教育委員会が増えている*1。公募制の導入はどういう効果をもたらし、教員生活にどういう影響を与えるのだろうか。 |
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現在は公立学校であっても、学校経営計画に基づいて学校教育の特色を打ち出すことが求められています。また、教育行政全体が内にも外にも透明性を求められており、さまざまな事情や地域の“文化”を勘案しなければならない教員の人事も、従来の方法だけにとらわれていては地域住民の期待する効果を上げられなくなってきている面もあると思います。
静岡県では数年前から知事部局が公募制を実施していて、県教育委員会内でも他県の動向などに目を配りながら、関心を持って見ていました。そうした中で2004年秋、県教委として導入の方針を打ち出し、同年度末の人事異動から「希望表明制度」*2を実施することになったのです。
初年度はどうしても「教科指導に力を入れたい」「母校に恩返ししたい」という気持ちの強い先生が応募してくるケースが少なくなかったようですが、2年目の2005年度末人事では教職員の理解も進み、生徒指導などの校務分掌や、学校の多様な特色に応じた課題などにも関心が広がってきたように感じます*3。今春配属された先生について尋ねても、ほとんどの校長先生が「非常によい」という評価をしており、否定的な意見は一人も聞かれません。希望表明時からモチベーションが高いため、すぐにその学校で活躍してくれているようです。 |
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他県に比べて多いといっても、本県の場合、公立高校全体で毎年1000人余りの異動規模のうち20〜30人にしか過ぎないわけですから、あくまで人事の本流にはなり得ません。しかし、「この学校で仕事がしたい」という先生の存在は、学校全体の活性化や、教員の組織的な資質向上に大きなインパクトを与えるものと期待しています。
高校には多様な生徒が存在し、学校もまた多様な特色を打ち出すことが求められています。その一方で教員自身にも、自らの使命感や指導理念を模索し、それをもっとも実現できる学校を選択できる余地が認められる時代になってきつつあるのではないでしょうか。もちろんその分、責任は重くなりますし、PRできる「売り」を持つことも不可欠になります。自らの教員としてのライフステージを見通して、どの学校でどのような経験を積み、指導力をつけることが必要かを考えるきっかけとなり、またそれを実現するためのシステムとして、先生方に公募制を積極的に活用してほしいと願っています。(談) |
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| *1 公募制の導入状況 |
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| 文部科学省の都道府県・政令指定都市教育委員会を対象とした「公立学校教職員の人事行政の状況調査」によると、06年4月現在で公立学校に教員公募制を導入しているのは25教委(うち政令指定都市6教委)で、前年度に比べ7教委増えた。応募者数、配置者数ともに最も多いのは東京都(応募者数671人、配置者数257人)で、静岡県(各394人、170人)はこれに次ぐ全国2位の規模。 |
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| *2 静岡県教委の「希望表明制度」 |
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| 県教委から各校に公立高校全校の学校経営計画をまとめた冊子が配布される。教員はそれを参考に、異動希望高校、そこで実践したいことや身に付けたい資質・能力、これまでの教育実践に関する自己評価を記入した「希望表明用紙」を、校長を通して県教委に提出する。県教委はこれを参考にして人事異動を行うが、教員個人に面接を行ったり、希望先の校長に意向を尋ねたりすることは行っておらず、発令後に異動先の校長にその教員が希望表明制度の対象者であることを伝えている。 |
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| *3 静岡県での希望表明の推移 |
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| 高校の場合、初年度の2005年度末人事では131人が応募し、31人が希望先に配置された。2年目の2006年度末人事では応募が78人、配置が24人となっており、県教委では「制度が教職員に理解され、浸透してきたのではないか」(水元参事)とみている。 |
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