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資格は「ないよりはあった方がいい」に決まっています。問題になるとしたら、資格をもっていないと「全然ダメ」なのか、どうかということでしょう。
そもそも「資格」にまつわる職業には次の二つの種類が考えられます――資格がないと就けない職業(医師・弁護士・教職等)と、なくても就ける職業との二つです。前者は、国家試験と呼ばれる資格試験に合格しなければそもそもその職に就くことができませんし、後者においても、たとえば「飲食店に勤務すること」はできても、調理師免許がなければ板場には立てない等の制約がある場合がありますから注意が必要です。
ですから、職業毎に必要とされる資格要件が違っているという根本的な要件を鑑みて、学生はそもそも「なにが出来るのか?」ということよりも、「何をしたいのか?」というアプローチこそが大切だと言えます。
結果として、勉強ができるので「医学部に行かないともったいない」からといった理由で、本来料理の道こそが本人のイチバンやりたいことであり、その才能があるのにもかかわらず断念するのは「もったいない」と言えます……と「ありもしない例」を挙げると、きっと鼻白む先生も多いかもしれません。
実際に、自分達の学生時代をふりかえってみても、「なにが出来るのか?」から職業や進学の選択をしたのであって、いくら「自分のしたいこと」を先に考えても、学力の劣る子が医者になりたくてもなれるわけないだろ、と反論されると思うからです。
たしかに、この2者の関係には「逆はまた真なり」ということが必ずしも成立しないように思えますが、それであっても例えば、「医者にはなれないけど介護師の資格をとるのはどうだろう?」であるとか、「エックス線技術者はどうだ」と、ひらたく言えば自分の身の丈にあった、それでも医療の現場に立てる資格取得ならびに職業選択の道もあることも事実です。
結論から言えば、その両者のバランスこそが大事であって、「せっかくとれる資格だからもったいない」と遮二無二に資格取得だけに、そのタイトルの数を誇るだけのために精を出したところで「資格をとること自体が目的」ということになりかねませんから、やはり「何をやりたいのか?」を考え、次に「それならいったいどうやったらなれるのか?」を考えることが大切だと言えます。
ちなみに「医療を通じて人のケアや幸福に役立ちたい」という希望があるのなら、特段医師にならなくとも、なんら専門知識や資格がなくとも「病院経営者」となってその夢や希望が叶うことだってあります。ですから、やはり先ずあたまに「何をやりたいのか?」を考えることこそが、「急がば回れ」のことわざにあるように、一見ムダなようで大切な自分自身への問いかけ(Quest)になっていると思います。
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| うめもり・こういち |
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国際人事コンサルタント。エグゼクティブ向けコンサルティング「アップダウンサイジング・ジャパン」主宰。1958年生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、三井デュポン・フロロケミカルに入社、総務・人事に従事。88年、チェース・マンハッタン銀行東京支店の人材・組織開発担当マネージャー、93年、ケミカル銀行東京支店の日本統轄人事部長に就任。さらにチェース・マンハッタン銀行東京支店、ソシエテ・ジェネラル証券東京支店においてディレクター・人事部長を歴任。それらの間、合併作業に伴う大量の人員削減、その一方での中途・新卒の採用活動、各種人材開発プログラム、給与・厚生プログラムの見直し、新規の人事制度導入等にかかわる。主著に「面接力」(文春新書)、「転職したいヤツに欲しい人材はいない」(光文社)、「『採用したい!』と言わせる技術」(大和書房)、「成功する会社の『女性力』」(ソフトバンククリエイティブ)など多数の著作がある。
http://www.updownsizing.com/ |
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