まず、建築士全体の概要からお教えください。
「わが国では、 1950 年に建築士法が制定され、一級および二級の各建築士が誕生しました。一級建築士は国土交通大臣、二級建築士は都道府県知事の免許を受けて、それぞれの名称を用いて規定の業務範囲における設計や工事監理などの業務を行うことができます。一級建築士は二級建築士より大規模な建築物を手がけることができます」
「建築士法には、学校や病院、劇場、映画館がある集会場(オーディトリアムのあるもの)、百貨店といった延べ面積が 500 uを超える建築物、木造建築物で高さが 13 m、または軒の高さが 9m を超えるもの などは、一級建築士でなければ設計または工事監理をしてはならない旨が規定されています。また、一級建築士には独立する人が多いですが、独立するには管理建築士を置かねばなりません。管理建築士とは、その建築事務所の設計や監理業務に関する技術的な責任者で、二級や木造建築士でもなることはできます」
「 2006 年度の試験の場合、職域別では、建設業 37.5% 、設計事務所 30.3% 、ハウスメーカー 8.5% 、官公庁などが 6.7% 。職務内容別では、建築設計が 43.0% 、現場管理が 21.5% 、工事監理が 7.0% 、行政が 4.7% です。受験資格別では、大学を卒業して 2 年以上の実務経験を積んだ者が 66.3% 、二級建築士の資格のみで受験した者が 21.1% 。男女別では、男性が 75.7% を占めています。平均年齢は 31.0 歳です 」
受験者数や合格状況は。
「試験は学科と設計製図に分かれており、設計製図は学科試験に合格していなければ受験することはできません。製図で不合格だったら、翌年のみ学科試験は免除されます。 06 年度の受験者数は学科 4 万 950 人、製図 1 万 1386 人。合格率はそれぞれ 10.0% 、 31.4% で、製図合格者数を学科と製図の受験者合計数で割った総合合格率は 7.4 %でした。 01年度は、それぞれ 5 万 4210 人、 1 万 2480 人が受験し、合格率は 12.7% 、 33.0% 。総合合格率は 6.9% でした。この 6 年間では、総じて受験者数は減少傾向にあります。調査をしたわけではありませんが、受験者数の減少原因は、少子化傾向および建築科出身者の進路の多様化があるのではないかと見ています」
「例えば、街づくりのコンサルティング業務などは建築士の免許はなくてもできますが、建築士の専門知識が活かせる局面は多々あるでしょうし、取得していたほうが信頼もされるかと思います 」
「『建築物の設計・工事監理を行うために必要な知識、技能』に加えて、法令遵守等の観点からも出題されました。なお、建築士法の改正を踏まえた試験問題の見直しなどについては、今後検討されることになっています」
一級建築士
大学の建築または土木課程を卒業し、建築に関する実務経験 2 年以上 ほか
計画(建築計画、環境工学、建築設備など)
構造(構造力学、建築一般構造、建築材料)
施工(建築施工、建築積算など)
年1回(学科:7月 設計製図:10月) 会場:各都道府県に設置
1万5100円
財団法人 建築技術教育普及センター http://www.jaeic.jp/
資格人図鑑 「一級建築士を活かした仕事」を見る