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リレーエッセイ:FORZA! キャリアガイダンス@メール
少しだけ、こころが壊れていませんか?

 いま、先生方も年度をまたぐ忙しい時期をすごされていることでしょう。体調はなんとかもちこたえていますか? 気力がどうしても出なくて、毎日が過ごしづらくありませんか?とかく、いまの時期のように、大きな仕事を終えてやれやれと一息ついたときに思わぬ体調の崩れを起こすことがあるものです。あるいはようやくここで一息つけると期待したはずなのに、それを周りが許してくれないハプニングが起きてしまうなどといったことがあると、やはり変調に陥ることがあるものですね。

 実は、ついにわたしもたおれてしまいました。いま、病院の病室のベッドのなかから最後のエッセイを書いています。「最期」とならなければよいのですが・・・。同じ病院でも診察室のなかの医師としてでなくて、病室のなかのひとりの患者としてですから、またその感慨はずいぶん違うものですね。

 これまで短期間の連載でしたが、進路指導に関わる先生方の日頃お考えになったり、悩まれたりされていることについてちょっぴりヒントをお示しできたかなと思っていました。

 そのなかでも何度かヒントとして挙げたのが、「働きすぎ、疲れすぎ、数量化しすぎ」など「すぎること」でした。これに気づいた段階で自分でも周りでもストップをかける、ということの大切さでしたね。

 わたしも今回、あ、これはまずいなと気づいていました。周りも声をかけてくれました。が、このくらいは実際のところ、しばしばあるものです。このくらいの激務はなんとか乗り越えながらやってきたものです。しかし今回は実にタイミング悪く、いかんとも避けられない業務が重なったという不運に出会ったというところでしょう。人生まったく計算どおりにはいきませんね。まさに坂本龍馬前のめりにたおれる、の図で救急車搬送される始末となったわけです。しかも既に身体疾患は進行していました。

  さて最終回の今回、先生方に申し上げるとすれば、もはや「すぎることに注意してくださいね」というわけにもいきませんね。「とにかく人生計算どおりにはいきませんから、後悔しないように。絶えず軌道修正をしながら生きてください」ということでしょうか。なんだか、冴えない最後のヒントの言葉となりましたが、筆者自身の近況がこの有様だけに、こんなもので勘弁していただきたいと思います。

 今後、先生方の進路指導がさらに充実し、しかもご自身が健康にお仕事に向かわれることを期待しています。

 参考までに、教職についてのメンタルヘルスのお話は、拙著(ネットで容易に検索できます)をご覧いただければと存じます。

 
 
  社団法人東京都教職員互助会 三楽病院精神神経科 中島 一憲 氏
 
なかじま・かずのり
1956年、広島県生まれ。1982年、東京医科歯科大学医学部卒業。精神科医、医学博士。1990年より社団法人東京都教職員互助会三楽病院精神神経科に勤務。1999年、同部長。2006年より東京都教職員総合健康センター長兼務。東京都教育庁委嘱医。東京医科歯科大学臨床教授。日本学校メンタルヘルス学会運営委員など。主著に『先生が壊れていく―精神科医のみた教育の危機』(弘文堂)、『あなたの学校は大丈夫ですか? 教師のメンタルヘルスQ&A』(ぎょうせい)、『こころの休み時間―教師自身のメンタルヘルス』(学事出版)、『教師と子どものメンタルヘルス―診察室からみた社会と教育』(東山書房)などがある。
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