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テレビ番組やコマーシャルなどの映像コンテンツは、収録・撮影された素材に映像処理や音響処理が加えられて作品として完成し、放映される。この処理工程は「ポストプロダクション」と呼ばれ、放送メディアの多様化やWebコンテンツへの転用が進む現在、この業務へのニーズが増大している。業界大手の株式会社音響ハウスで、エディターとしてCMなどの編集作業を担当しているのが鳥越直樹さん。入社して丸3年、「最近、ようやく一本の仕事を任されるようになりました」と言う。
鳥越さんが主に担当する顧客は、テレビCMの企画や収録を行う制作会社。営業担当と連携しながら先方のディレクターと打ち合わせを行い、CMのねらいや企画意図とともに最終的な仕上がりのイメージを共有する。そして、託された収録素材にほかの映像を合成し、1本のCM作品に仕上げていく。例えば、タレントを起用する場合、スケジュールや天候の都合などの諸事情で、収録できないことがある。そんな場合は、別の場所で収録したタレントの映像に、ディレクターが意図した背景を探して自然な感じに合成する。「ディレクターのイメージを映像処理技術で組み立てていく感じですね」。したがって、ディレクターの意図を汲み取り、また技術的な知識をもとに処理方法の提案を行うためのコミュニケーション力が求められるという。「社員でも、個人がウデを競っている世界。コミュニケーションがうまく取れない人に仕事は回ってこないと思います」
もう一つ気を配るのは、制作にかける時間とコストを制約内に収めること。機材によって時間当たりの使用コストが変わり、意図どおりの作品に仕上げるために機材を選択する力量も問われる。映像音響処理技術者資格取得で得た知識は、それら一連の業務の基礎。資格取得後にアシスタントをしながら現場経験を積み重ねることでしか一人前にはなれない。「苦心して手がけた作品が放映されるのを見ると、何ともいえずうれしいですね」 |