提言の背景には、えり好みしなければ誰でも入れる「大学全入時代」にあっても、入学してくる学生の質を一定程度確保しなければならない、という大学側の強い危機感があります。とりわけ推薦入試やAO入試に関しては、入学生の学力が担保されていないという懸念が相当あるようです。
これについては、高校側としても理解できます。それほど勉強もしないで大学に入れるという状況は疑問ですし、ある程度の入試科目を課して入学させた方がいいという意見が、校長会でも大勢を占めています。高校にとっては、高校教育の質をどう保証するかが一番のポイントだ、と言っていいでしょう。
ただ、大学側の問題もあると思います。本来、AO入試はさまざまな資料を使って緻密な選考を行うべきなのに、実際にはエントリーすれば簡単に合格できるような大学が存在しているのも事実です。しかも生徒が自分でエントリーできるため、高校では出願したかどうかすら把握できず、十分に指導できないこともあるのです。
一方で大学側にも、推薦やAOに限らず一般入試でも高校時代の学習履歴やポートフォリオを活用して受験生を幅広く見たい、という意向があります。学力試験だけでない、高大連携によるきめ細かな選抜をこれから進めていこう、ということでしょう。WGが提言した「高大接続テスト(仮称)」※3も、そうした方向を示したものです。
大学入試センター試験を米国のSAT(大学進学適性試験)のような資格試験にすべきだという意見もありますが、そうなると現在60点で設定している平均点を80点くらいに引き上げなければならず、選抜機能が薄れることになるので、現実には難しいでしょう。
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