キャリアガイダンスVol.414
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 まして、教育現場と社会の接続などスムーズにつながらなくて当たり前。それまでお金を払って教育を受けていた人間が、お金を稼ぎにいくわけですから、学校の常識は通用しません。そうした違いに気付き、受けとめ、どうしたらいいのかを考えて対処する。これもまた問題発見・解決の力であり、こうした壁を乗り越えていけるだけの資質・能力を育むことが、学校の重要な役割なのだと思います。生徒が成長するには、周りの支えも必要。支えになるような評価のあり方が求められます。 最後に「何を学ぶか」ですが、次これは、問題発見・解決のプロセスをもっているかどうかで変わります。大学の授業が面白くないとしたら、それは本当に面白くないからなのか、それとも、その教員の話が理解できるレベルにまで達していないからなのか。そこまで考えて必要な手だてを打つ。「わからない」で終わるのではなく、「わからない」ところからスタートできるようになってほしいのです。 少し話がはずれますが、私は中高・高大といった学校段階間で、円滑な接続だけが重要だとは考えていません。少しのつまずきや違和感も必要だと思うのです。そこをどう乗り越えるかというときにこそ、自分に内在している力が引き出されるチャンスだと思います。期学習指導要領においては、「共通性の確保」と「多様化への対応」の観点を軸に、教科・科目構成の大幅な見直しが検討されています。例えば、国語科においては、言語能力の育成を引き続き目指すため、共通必履修科目として「現代の国語(仮称)」および「言語文化(仮称)」を設定。外国語科では、聞く、話す、読む、書くの4技能を総合的に扱う科目群として「英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ(仮称)」を設定するなど。 個人的には、現場の戸惑いを考慮すると、目新しい教科・科目を増やしていくことには慎重な立場ですが、現行の学習指導要領でやろうとしてきたことを発展させるという点では大いに期待しています。 「理数探究(仮称)」や「総合的な探究の時間(仮称)」なども含め、何のための教科・科目であり、生徒にどのような資質・能力をもたらすのかを検討し、教員間で共有していくことが大切だと思います。教育課程は、学習指導要領を踏まえ、各学校の教育目標を実現するものですから。● 学習指導要領は、各校で教育課程を編成する際の基準であり、生徒にどのような資質・能力を育てるかを示したある種のガイドラインで円滑な接続も重要だが、つまずきや違和感もまた必要もあります。今回、「学びの地図」という言葉も使われています。しかし残念なことに、自分の教科に関する部分を除き、一般の先生方に定着しているとは言い難い面もありました。言ってみれば、社会どころか、教員にも開かれていなかったのです。 そうではなく、自分たちの学校の生徒はどういう状況で、どんな力を付けたらいいのか、そのためにはどんな方法があるのかを教科を超えて全員で真剣に話し合う。教育課程の編成を核として学校教育全体の改善と充実を図る。これが次期学習指導要領で重視される「カリキュラム・マネジメント」のあり方です。 中心に据えるのは生徒。その生徒にもっとも近い場所にいらっしゃる先生方が、生徒の現状を分析し、目標を立て、共有し、振り返りつつ取り組んでいかれることが重要です。私たちも、中教審の各部会において、生徒が生きていくうえで必要になる資質・能力は何か、本気で議論してきました。ただ、現場を意識しつつも、そこに実体としての生徒の顔があったわけではありません。だからこそ、学習指導要領という大きな方向性のなかで、各校が独自の目標と重ね合わせて、生徒それぞれのことを真剣に考えることが大切です。「何を学ぶか」新教科・科目への対応「授業」で社会を生きる力を育む【Lecture】 現場教師に求められるのは?132016 OCT. Vol.414

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