キャリアガイダンスVol.414
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取材・文/松井大助大村先生の授業デザイン時短をして生徒の思考時間を増やす多様な見方や表現を生徒が学ぶ深い思考や創造に生徒が挑む生徒と共に授業改善・授業創造①「学習計画」(写真左)を毎週配布、生徒に予習をしての授業参加を求める。②「移動黒板」(写真右の奥)に事前に数式などを記述、板書時間をカット。③「ストップウオッチ」を片手に「3分で考えよう」「30秒で相談」などタイムキーパー役を務め、個々のワークの間延びを防ぎ、集中を促す。①「様々な授業手法」(他人の見方にふれるグループワーク、全員理解を目指すグループワーク、問題を自作して解き合うワーク等)で視野を広げる。②「教具」(三角定規、平面模様や立体を形作れるポリドロン等)を積極的に活用、生徒が実物をさわったり見たりしながら考える時間も重視。①「教科書の課題学習」のアレンジ問題に挑み、既存知識を組み合わせて考えることで新しい定理を導いたり、東大入試を解いたりと、生徒が新たな知見を創造。②「ヒントの紙片」を大村先生が持ち歩き、問題に行き詰まった生徒から求められれば個別に渡す。自分で考えたい生徒は時間ぎりぎりまで粘っていい。①「振り返りシート」「授業の感想」を生徒に書かせ、気づいたことや学んだことを振り返らせると同時に、授業の良かった点や課題もあげてもらう。②「タブレット端末」で3年前から授業を時おり撮影。当初の目的は生徒の様子の把握だったが、今では先生自身の授業中の言動の振り返りにも活用している。題に挑んだときのことだ。わかった生徒が手をあげて発表すると、それを聞いたある女子生徒は、うしろの席の男子生徒に「sin15°も求められるかな?」と投げかけた。彼女は中学生のときは数学に苦手意識をもっていたという。 「中学では定理を覚えこんで、ひたすら問題を解くだけだったので。今は、なんでそうなるのか、そういう過程からやるので楽しいです。sin15°も自分だけでは求められないかもしれないけれど、みんなと学び合いながらやると、私では思いつきもしないことを、まわりが言ってくれたりするので」 学んだことを基に生徒が自分たちで問いを見つけて、さらに学びを深める。大村先生が願っている、自主ゼミのような空気が芽生えつつある。 この先、大村先生としては今以上に「教師と生徒にマッチした授業」「生徒と創る授業」を目指したいという。 例えば、場合の数と確率の単元では、日常生活の生データを分析するような授業をできないか検討している。というのも「自分も挑戦して面白いと思えるような授業でないと、生徒たちに数学を学ぶ楽しさを伝えきれない」と思っているからだ。 ただし、挑戦するだけで満足はせず、生徒からのフィードバックも必ずもらう。そもそも今の1年生の半数は、中学校では講義形式の授業を中心に受けていて、生徒同士の学び合いに慣れていなかった。だから大村先生は、隣同士で話し合うことやグループワークを少しずつ導入してみて、そのつど振り返りシートや授業後の雑談で、生徒から今回の授業の「良い点」「今後の課題」「より深めるには」について意見を求め、授業を一緒に創ってきたのだ。 「どういう授業がいいと思う?とこちらが真剣に問うと、生徒も真剣に返してくれるんですよ。『グループワークをまたやりたい、説明したり説明されたりすると理解しやすい』『一人で考える時間もないと、話し合っても中身がない』などと。学び合いですね。この子たちに私も教わっています」教師として挑戦を続け生徒と一緒に授業を創る今後行いたい授業1234授業で活用するポリドロン「授業」で社会を生きる力を育む【Report 04】 数学232016 OCT. Vol.414

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