キャリアガイダンスVol.414
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米田謙三先生教員歴25年。英語と社会科の教員免許を取得して大学卒業後、高校教員に。情報科の設置とともに情報の教員免許も取得し、今は英語と情報を担当。ボランティア部顧問。外部との連携では、顔を合わせて信頼関係を築くことを大事にしているという。 ICT(情報通信技術)は、学校現場にはまだ導入半ばな感がある。しかし「今の高校生にはICTはもうあって当然のものです」と米田謙三先生は言う。 「彼らは生まれたときからインターネットも携帯電話もあった『デジタルネイティブ』。ICTは文房具と同じで、生活の一部になっているんですよ」 だから情報の授業は、ハードウェアやソフトウェア、ネットの知識を教えるだけのものではない、と思っている。 「ICTを活用して情報をどう取り込み、どう判断するか。情報をどのように発信するか。『情報をいかに賢く使いこなすか』を学んでほしいと思っています。情報は扱い方によって良くも悪くもなる。自分次第であることを理解し、賢く使えるようになってほしいのです」 情報を賢く使うとは、具体的にはどういうことだろう。米田先生の念頭にあるのは、ICTを活用した生徒一人ひとりの「学習の充実化」だ。ICT機器やデジタル教材の活用、ネットの遠隔教育など、様々な学び方を授業に取り入れることで、多様な生徒がより自分に合った学習をできるようになることを目指している(図1参照)。 もう一つ大事にしているのは、情報の扱い方を学ぶことと合わせて「他者とどうつながるか」も考えることだ。そのために、大学生や社会人、海外の人などと組んだ「協働学習」を、学期ごとに2〜3回は行っているという(図2参照)。 例えば、ネットの可能性と危険性を生徒が学びながら、情報系企業の社会人と一緒に、スマホを安心・安全に利用するためのサービス(警告表示など)を考える授業。プログラミングでロボットを動かす基礎を学びながら、社会人と一緒に、そのロボットの動作によって人の役に立つサービス(健康管理や道案内など)を考える授業。大学生と一緒にネットマナーを学びながら、海外にいる青年海外協力隊の人とネット上で情報交換し、地球規模の課題に自分たちは何ができるかを考える授業。 協同学習ではなく、文字通り「協働学習」。一緒に学ぶことそのものを目的とするのではなく、誰かと一緒に学び合ったことをもとに、他者に対してどんな働きかけをできるか考えるのだ。 「ICTや情報の扱い方を学んだ、その次なんですよね。みんなで情報社会の問題の解決を考えてみる。地球や地域で暮らす一員として何ができるか考えてみる。学んだことをもとに、生徒が誰にどのように喜んでもらいたいかを思い描く、そこにもっていきたいんです。人間は一人では生きていけませんし、他者や社会とつながることで本当の意味で『自立』していくと思うからです」ICTを活用した多様な学び方や協働を体感どんな授業なのか1923年創立/普通科/生徒数1100人(男子382人・女子718人)/進路状況(2015年度実績)大学247人・短大23人・専門学校65人・就職11人・その他16人学校データICTの活用で「学習の充実化」を図り、「協働」の必要性や喜びも体感する情 報羽衣学園高校 (大阪・私立) スマホの利用について考える授業。より安心・安全に使えるようにアプリにどんな警告表示がされているか、実例をもとに確認した。342016 OCT. Vol.414

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