キャリアガイダンスVol.414
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取材・文/松井大助 米田先生は、他の先生と協力して学校全体のICT環境整備も進めてきたので、生徒は他教科の授業でも、ICT機器やデジタル教材を使いこなすようになった。ある生徒にいたっては、学校主催の交流プログラムで台湾の高校生と仲良くなると、SNSでつながり、ネットの無料ビデオ通話を駆使して日本語と中国語を教え合うまでに! 卒業後、その生徒は台湾に留学した。 ある生徒は、青年海外協力隊とネットでやり取りするなかで、今まで興味のなかった世界に目が向くようになり、各地域に日本や自分ができることを考えるようになった。 また別の生徒は、ネットの安心・安全利用について授業で考え、他校の生徒や社会人とも意見交換する「高校生自分のためにも社会のためにも情報を活用生徒はどう変わったかICT Conference」にも参加。立場の違う人と話し合うほど「視野が広がる」ことを実感し、こんなコメントを寄せた。 「高校生の私たちが意見を出し合い、学び合うことが、これからのネット社会を作るうえで大切なことだと思った」 学んだことをもとに生徒たちが社会にアクションを起こす機会も出てきた。スマホの利用について授業でプレゼンした生徒たちが、小学校で子どもたちに授業もする、といったように。 高校生が保護者や教員に対して情高校生が教える側で、教師が教わる側もありえる今後行いたい授業多角的・多面的な視点にふれる建設的妥協点を見出す誰をどう喜ばせたいか考える同世代・異世代・異業種・海外の人と一緒に学ぶなかで、自分とは違うものの見方や考え方を発見する自分の意見を伝え、相手の意見も聞き、意見の衝突・葛藤を乗り越えて、お互いに納得できる妥協点を生み出すチームのなかでどんな役割を果たせば、誰に喜んでもらえるか、社会にどのような貢献ができるかを思い描く123ICTの活用学習の充実化報モラルの授業をする、といったことも始めていて、米田先生としてはこうした生徒の活動を継続していきたいそうだ。 また、生徒が海外とのやり取りを通して日本の良さを再発見し、その強みを生かした課題解決や創造を考える、という授業も深めていきたいとう。 「世界中の人と出会い、SNSなどでずっとつながっていくこともできる時代。今後の社会では、多様な人と意見を出し合い、妥協点を見出すことがますます求められます。とはいえ、日本には日本でおもてなしや謙遜といった良い文化があります。そうした日本の良さも生かして、情報発信や周囲との協働をできるようになってほしいのです」図1 ICTの活用による学習の充実化図2 協働学習で目指すこと授業冒頭でスマホ利用についてプレゼンをする課題に立候補した生徒たち。ボランティア部として小学校でスマホの授業も行うという。友達や後輩がスマホを安心・安全に使うためのサービスを考えた協働学習。各グループに情報系企業の社会人も参加した。ICT機器の活用デジタル教材の活用遠隔教育の実践文字・映像・音声など情報の使い分け一斉・協働・個別の学習手法の使い分け誰に何を学ぶかの選択肢の拡大教室のPC、電子黒板やタブレットを活用。生徒が自分のスマホを家庭学習に活用することも想定デジタル教科書、DVD、ネット上のデジタル素材(ホームページやニュース)、Web講座などを活用大学生や社会人、海外の高校生などと、メールやSNSで情報交換したり、ビデオ会議をしたりする映像や音声で興味を高めてから教科書で詳細を学ぶ、言葉の説明だけではわらかりづらいことを映像も見ることで理解を深める、など教室で大きな画面で一斉に情報を共有する、タブレットを見ながらグループで考える、家庭で自分のスマホでマイペースに学ぶ、など学校の先生や友人、デジタル教材に出てくる講師や専門家、SNSなどでつながった大学生・社会人・海外の友人など「授業」で社会を生きる力を育む【Report 10】 情報352016 OCT. Vol.414

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