キャリアガイダンスVol.414
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 前ページまでは、教科において、「社会を生きる力」を育む授業を実践している先生方の事例を紹介してきた。生徒たちが将来「社会に出る」ということは、「働く」ということだ。では、働く理由については、どのような場面で考えればよいのだろう。 そこで、キャリア・サービス・ラーニング(以下CSL)という授業で「働くことについて考える」授業を実践している立命館宇治高校に協力を仰ぎ、「なぜ働くか?」を生徒たちが考える授業を設計、実践していただいた。同校の酒井淳平先生には、小誌402号にて「なぜ学ぶか?」という授業を共同開発いただき、学びの根源を考える授業として大きな反響をいただいた(※402号は『キャリアガイダンス』のHPでご覧いただけます)。  「社会を生きる力」には、自立する力、社会に貢献する力、他者と相互理解する力など、様々な力が考えられる。前ページまでに登場した先生方も生徒に育みたい力について、それぞれの想いで授業を設計している。それらの力を発揮する「社会」とは、多くの場合「働く場面」であろう。では、なぜ人は働くのか? どんな思いで働いているのだろう? 社会人になれば個々に感じる働く意義を、高校生にどのようにしたら感じさせることができるだろう。「社会を生きる力」の根源となる、「なぜ働くか? 」を考える 学びの先にある「働く意義」について考えるために、酒井先生が以前から実施している授業を汎用的に設計していただいた。立命館宇治高校でCSLを担当している4人の先生で内容を検討。特に授業のベースは、生徒たちに年齢も近い徳地克己先生が中心となり、「自分が高校生のときに、どのような授業なら働く意味について考えられたか」を意識してつくっていただいた。 「高校生はまだ働くことのイメージがありません。『収入のため』以外の価値は想像できていない生徒が多いと思います。この時期に、働くことの多様な価値に気付くことができれば、その後の学校生活が変わってくるのではないでしょうか」(徳地先生) 作成いただいた指導案の抜粋を左記に、実践した授業の様子、生徒たちの反応を次ページでレポートしているので参照されたい。授業設計で難しかった点について酒井先生に伺った。 「『学ぶ』の先にある『働く』ことを『自分ごと化』させる難しさを感じました。働く意義や思いについて、様々な大人の事例を提示しながら生徒に考えさせるワークをはさんでいきましたが、それだけでは足りず、指導案を何度も何度も練り直しました」 そこで、働いている大人4人の事例について共感するものを選ばせたり、各事立命館宇治高校 (京都・私立)  小誌編集部 共同開発授業酒井淳平先生徳地克己先生▶授業を行った先生方教員歴18年目。数学科教諭。2013年度よりキャリア教育授業(キャリア・サービス・ラーニング、以下CSL)を担当し、カリキュラムづくりから実践まで行っている。教員歴3年目。数学科教諭。立命館宇治高校出身で、現在ともにCSLを担当する髙野先生は高校時代の担任。期待のホープとして今回酒井先生とともに特別授業の1時間目を担当。「働く」ことの多様な価値を高校生に感じさせたい働く意義は、学校生活とどうつながっているか1994年創立/IBコース・IMコース・普通コース・一貫コース・文科コース・理科コース/生徒数1113人(男子538人・女子575人)/進路状況(2015年度実績)大学330人・専修その他3人、就職1人、その他8人学校データ総合的な学習の時間実況レポート付き362016 OCT. Vol.414

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