キャリアガイダンスVol.414
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取材・文/長島佳子 撮影/平野愛「なぜ働くか?」を考える授業の目標指導案(抜粋)例についてグループで考えを深め合ったうえで、異なる事例の担当同士のグループで考えをプレゼンし合う、ジグソー的な活動をさせることにした。また、社会で働くことを考えさせながら、学校生活の中で自分がやりたい役割について考えるワークも行う。 「働くことの意義も思いも人それぞれです。やりがい、世の中のため、自分を表現するためなど、当然正解はありません。けれど、『働く』とは、考えれば考えるほど『生きること』に行き着く。高校生も『生きて』います。根本は一緒で、学校生活で勉強や部活、行事をする際▶CSL担当の先生方に、いろいろな意義や思いをもっているはずです。普段は意識せずに行動していることを言語化させて、働くことと照らし合わせることまでできたらいいと思います」(酒井先生) 今回の授業は、1学年次にCSLの授業を経験している2学年の生徒たちに受けてもらった。多くの生徒が授業前は「働くことはお金のため」と答えていたが、授業後に大きな変化を見せていた(次ページ下段参照)。 CSL担当の先生方自身が、教科授業も含めて、生徒にどんな資質・能力を育みたいと考えているか尋ねてみた。 「言われたことだけでなく、自ら問いをたててどうすべきか考える習慣をつけたいです。数学でも『なんとなくわかった』ではなく、『なぜそうなるのか?』まで考える力を育みたいです」(徳地先生) 「ひとつの事象に対して多面的に捉えられるようになってほしいです。見え方や捉え方は自分次第で変わることを知ると、自分の軸がもてるようになると思います」(髙野阿草先生) 「生徒に育みたい力というより、CSL今回の授業をともに考案されたCSL担当の4人の先生方。左から徳地先生、キャリア教育部長の武部先生(英語科)、酒井先生、髙野先生(社会科)。働くことの魅力に気付き、自分はこのように働きたいという思いをもつ。働くことは価値の提供ということに気付き、自分が提供できる(したい)価値を考える。(自分ごとにする)「働くことは生きること」ということから、目の前の学校生活で頑張れることに気付く。(目標をもつ)➡「どんな職につきたいか、何がしたい? 何のため?」の文章表現の、はじめと 終わりでどんな違いが出るか。➡授業アンケートで「授業が良かった」「働くことの良さ・大切さを実感した」と 答える生徒の割合はどれくらいになるか。➡「どんな職につきたいか、何がしたい? 何のため?」の文章表現の、はじめと 終わりの違いから確認する。➡2時間目の学校生活への置き換えでの記述内容で確認。➡感想の中で今後の学校生活の目標が具体的に書けるかどうか。123内容教員・生徒の行動1時間目*今日の目標を伝える*なぜ働く? どんな職につきたい?そこで何がしたい? それは何のため?ワークシート(以下WS)の問いに答える個人ワーク(1回目)まわりの仲間とシェア大人の働く理由を考えるスライドで提示されたアンケート結果を見る(WS記入)働く大人の事例から考えるスライドで、航空会社の様々な職種の事例についてクイズ形式で考える(WS記入)エジプトの労働者の話から仕事の意義を考える4人の労働者の意識の違いについて考える(WS記入)大人の働く思いを考える仕事に対して異なる意識をもつ3人の大人の事例から考える(WS記入)身近な大人の働く思いを考える教員自身が、この仕事についた理由、働く思いについて語るWSの問いに答える(2回目)「なぜ働くか?」について再度WSに記入する2時間目1時間目の振り返り1時間目に気付いたことを隣の生徒とシェア(ペアワーク)4人の大人の仕事への思いについて、共感するものを選ぶ資料を読んで自分の意見を決める誰がどの意見を深めるのか担当を決めてディスカッション同じ事例を担当する仲間5人くらいとグループワーク元のグループに戻って、自分の選んだ選択肢についてプレゼンする元のグループに戻って、ジグソー形式で順番にプレゼン再度選択肢を選ぶ仲間のプレゼンによって意見が変わっているか確認働く意味のタネを学校生活の中に見出す学校生活で起こりうる6つの役割から、自分のやりたいこと、できることを考える先生からまとめの説明を聞いて、WSの問いに答える(3回目)「なぜ働くか?」について再度WSに記入すると教科では目立つ生徒が異なっていて、普段自分が生徒の一面しか見ていないのではと思うことが多々あります。先回りして教えるのではなく、生徒を信じ、CSLのように彼らが自分で考えて答えを見つけるのを『待つ』大切さを感じています」(武部恵子先生) 「自分の人生を自分でつくれる力を身に付けてほしいです。教科で壁にぶつかったときに、乗り越えようと自ら考える行為は人生も一緒です。それを繰り返すことで、自分にできること、やりたいことが見えてくると思います」(酒井先生)※実際の指導案、ワークシートは『キャリアガイダンス』のホームページからダウンロードできます※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 発行メディアのご紹介 >> キャリアガイダンス(Vol.414)生徒が考えて答えを見つけるCSLの手法を教科でも次ページに続く 「授業」で社会を生きる力を育む【Report 11】 総合的な学習の時間372016 OCT. Vol.414

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