キャリアガイダンスVol.414
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う。就職や進学で面接を課される生徒に向け、同校では入学早々こうしたプレゼンの機会を設けており、これは3年間幾度となく繰り返される。 「発表することが大切なのはもちろん、『人の話を聴く』ことも重要。総合学習の中では聴く力も育てたい」と宮本先生。考える、調べる、発表する、聴く、判断する…この学習を繰り返しているうちに必ず力は付いてくるという。 その後、地元企業研究会や職業調べ、2学年での地元企業・大学見学会、就業体験(インターンシップ)、3学年でのテーマ別研究など、ただ講演を聴くだけというような取り組みはない。就業体験のための企業との電話連絡なども、できるだけ生徒自身が行う。 進路指導副主任の天坂美幸先生は言う。「生徒に負荷のかかる取り組みに、最初はとにかく『無理、できない』と言います。それを何度も根気よく繰り返しやらせているうちに、3年生になると、自分で求人票を見て、担任と相談し、面接を受けて就職していくようになっていきます。信じて引っ張れば力が付きます」。同校は2016年3月卒業生の就職内定率100%を達成した。 同校は青森県おいらせ町に位置し、町内で唯一の高校である。元々、生徒や教員による祭りやボランティア参加なども盛んだったが、各分掌や学年、教科などが 同校の普通科では、1学年で基礎学力の養成に力を入れ、2学年から希望進路に沿ったクラス編成を行う。そして、3年間を見通した組織的、計画的、継続的なキャリア教育を総合的な学習の時間「ステップアップタイム」で実施。教務部と学年が中心になって運営にあたりながら、生徒全員の希望進路実現を目指す。なお、学校のキャッチフレーズ「発見・挑戦・実現」は、それぞれが1年、2年、3年のキャリア教育のテーマにもなっている。 進路指導主事の宮本利行先生はキャリア教育を実践するにあたり、主事になる前の3年間、学年主任を務めた経験が非常に役立ったという。「3年生から始めるのでは遅い、3年かけてじっくり社会で活躍できる人材を育てなければならないと考えてきました。試行錯誤しながら必要なものを必要なときに徐々に取り入れているうちに、今の形ができあがったと思います」という。 1学年の最初の取り組みは自分が生まれ育った地域について調べること。同じ出身中学校の生徒がグループを作り、自由なテーマで地域を調べプレゼンをする。体育館でのポスターセッション形式なので、生徒は全員参加で何度も同じ発表を行3年間を通して育てる社会で役立つ力地域とのつながりを密にし地元の協力で模擬面接も総合的な学習の時間「ステップアップタイム」と進路指導における地域と連携した取り組み例地元企業合同就職説明会地域を知る就業体験総合的な学習の時間地域連携■ 地域連携を中心としたキャリア教育・進路指導の取り組み1年生 テーマ「発見」自分の良さに気付き、自己の在り方、社会への関わり方について考える姿勢を身に付ける地域を知る6~10月生まれ育った地域の自然や歴史、文化、産業について考察させ、グル―プワークによる制作物作成、ポスター発表を行う。12~2月町長との懇談会に向けて、ポスター発表の内容からテーマを設定。プレゼン用の資料を作成、プレゼン練習、発表会を経て代表発表者を決定、町長と意見交換を行う。職業を知る10~11月地元企業協力企業の事前学習。12月地元企業研究会で企業や仕事の説明を聞き、質疑応答を行い、ワークシートを完成させ、後日、班ごとの情報交換会を行う。2年生 テーマ「挑戦」自己の適性、可能性を高め、学ぶことへの意義や役割について理解を深める職業理解5~6月企業見学会に向けて、見学先の地元企業について調べ学習を行い、働くことの意義を考える。就業体験7~11月インターンシップ先を決定する。ビジネスマナー講習会を経て、就業体験を実施。事後に報告書を作成し、職業理解を深める。就業体験報告会12~1月就業体験を通してわかったこと、考えたことを振り返り、わかりやすくまとめ、1年生に向けて報告する。3年生 テーマ「実現」進路志望実現に向けて取り組むとともに、社会に貢献しようとする態度を身に付けるテーマ別研究5月KJ法を用いた探究。グループワークにて意見をまとめ、発表する。自己探求6月自己の経験から強みを見出し、自己を受容し、自己PRシートを作成。グループ内発表とプレ面接を行う。合同就職説明会7月地元企業の協力を得て、学校独自で実施。求人内容の理解を深め、応募先選択の一助とする。模擬面接9月地元企業人、PTA・同窓会などの外部関係者の協力を得て実施。生徒自ら課題と努力目標を設定し、進路実現へのステップとする。受験体験発表会1月受験体験シートを作成し、体験を通じて学んだことを確認し、1~2年生に報告、アドバイスをする機会としている。1 年生2 年生3 年生地元企業の協力で、就職説明会を校内で合同開催。3年生の進路選択の一助とする。希望する地元企業で3日間の就業体験。後輩の1年生に向けて報告会も実施する。同じ中学出身者によるグループ学習。出身地域のことを調べ、発表する。462016 OCT. Vol.414

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