キャリアガイダンスVol.414
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高校生活で養う課題意識・コミュニケーション力これからの推薦・AO入試指導高校生活でつける「マイテーマ」を設定する力生徒の志望理由書が似通っていると悩むことはないでしょうか。オリジナリティのある志望理由は、特別な経験がなければできないわけではありません。その生徒らしい志望理由のテーマを設定する力は、学校生活の中で問題を発見し、解決に向けて考える経験を重ねることで育まれます。ふじおか・しんじ●1975年生まれ 慶應義塾大学大学院修了。数学や生物の大学受験対策を教える塾講師を経て、大学院でキャリア教育の重要性に気付き、研究を開始。小学生から社会人までを対象とした現場指導経験を有し、推薦・AO入試対策、社会人基礎力の指導や教材・プログラム開発を大手大学受験予備校や高校・大学で行う。島根県立隠岐島前高校をはじめとし、行政と協業し教育を通じた地方創生に取り組み、現在、北海道から沖縄までの高校魅力化プロジェクトに参画、高校連携型の公営塾を運営。第 8 回藤岡慎二株式会社Prima pinguino代表取締役連載 推薦・AO入試では特に志望理由書において、自らが取り組むべき問題・課題つまりマイテーマを発見することが求められます。大学で学ぶうえで、目的意識や問題意識を明確にしなければ学部はおろか、大学すら選択できません。なぜなら、学生がもつ問題意識を、学問を通じて探求したり、明らかにしながら、その過程で学ぶ場が大学だからです。  マイテーマの設定は特別なこと、つまりは特別な活動をしていなければ、できない行為と思われがちですが、そうではありません。高校生活から発見できますし、問題発見能力を磨くこともできます。 慶應義塾大学総合政策学部の入学者受入基準(アドミッションポリシー)には、以下のような記述があります。「総合政策学部は「実践知」を理念とし、「問題発見・解決」に拘る学生を求めます。問題を発見・分析し、解決の処方箋を作り実行するプロセスを主体的に体験し、社会で現実問題の解決に活躍する事を期待します。(以下、略)」 東京大学のアドミッションポリシーにも「(前略)自らの問題意識を掘り下げて追究するための深い洞察力を真剣に獲得しようとする人を東京大学は歓迎します」とあるように、双方に問題・課題からマイテーマを設定する力が重視されていると言えるでしょう。 生徒に「あなたなりのテーマを設定してきなさい」と言うと、大体において生徒の問題・課題が似通ってきます。昨年度と今年度の生徒の志望理由書のテーマを見ると、貧困が多く、猫も杓子も「貧困が問題だ」の大合唱です。その前は自己肯定感、さらに2011年の震災の年はメディアが問題となっていました。時代の中を生きている生徒たちにとって、時代が変われば気になることが変わるのは理解できます。しかし、取り組むべき問題・課題から進路先まで似通るのはいかがなものでしょう。 問題・課題を設定するときに陥りがちなことは、生徒が安易に、周囲にある問題・課題をあたかも自らのモノとして捉えることと言えるでしょう。これは問題・課題の発見ではなく、単なる問題・課題の選択能力であり、大学が望む能力ではありません。新聞を読み、記事を指差して、「これが問題だ」と主張する能力を大学が求めるとは思えませんよね。必要なのは、その生徒にとって取り組む必然性のある「マイテーマ」の設定なのです。推薦・AO入試の中で求められるマイテーマの設定単なる「選択」に陥りがちな問題・課題設定原因は問題・課題を発見する力の欠如522016 OCT. Vol.414

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