キャリアガイダンスVol.415
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次期学習指導要領ではカリキュラム・マネジメントの重要性を掲げていますが、現場の先生方からは、新たな横文字の登場に戸惑いの声も聞かれます。そこで、前号に引き続き、中央教育審議会 教育課程部会等の委員である荒瀬克己先生にご登場いただき、何のためのカリキュラム・マネジメントなのかお話を伺いました。学校の教育力すべてをつなぐあらせ・かつみ●1953年生まれ。京都市立堀川高校校長、京都市教育委員会教育企画監等を経て、2014年4月より大谷大学文学部教授。05年以降、中央教育審議会初等中等教育分科会、教育課程部会、キャリア教育・職業教育特別部会、高等学校教育部会、高大接続特別部会、教育課程企画特別部会、高大接続システム改革会議等の委員を歴任。福井大学教職大学院客員教授ほか役職多数。大谷大学 教授中央教育審議会 教育課程部会委員荒瀬克己取材・文/堀水潤一 撮影/平山 諭なぜカリキュラム・マネジメントが必要なのか? あまり知られていませんが、1951年に文部省(当時)から「学習指導要領試案」というものが出されました。そこには、教育課程の定義が以下のように簡潔に書かれています。――学校の指導のもとに、実際に児童・生徒がもつところの教育的な諸経験、または、諸活動の全体。 次期学習指導要領では、「カリキュラム・マネジメント」の重要性が強調され、私も中央教育審議会 教育課程部会等の委員として、長く議論に参加してきましたが、この定義は今も生きているように感じられました。 カリキュラムとはすべてだと思います。月曜から金曜までの授業時間の枠の中だけの話ではありません。教育目標の実現に向け、教科学習、総合的な学習の時間、学校行事、部活動、キャリア教育など、さまざまな活動をどのようにつなぐか。施設や設備、教員のありようも含め、生徒の実態に応じて知恵を絞ることがカリキュラム・マネジメントだと思っています。 極端な話をすれば、廊下にどのような絵を掛けるか、照明の配色をどうするかということさえ、カリキュラム・マネジメントの発想が生かされる余地があると思います。というのも、国立高等専門学校の監事をしていた際のことです。ある学校で、学生相談室の蛍光灯が電球色になっていて、暖かく、包み込まれるような気分になったことがありました。心が落ち着くように配慮されていると感心しました。そういう発想でいくと、職員室の机の向きや、生徒をどう呼ぶのか、玄関に植物を置くかといったことでさえ、広義にはカリキュラムとカリキュラムとは学校の教育資源のすべて122016 DEC. Vol.415

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