キャリアガイダンスVol.415
20/66

 2011年に、前身の富士市立吉原商業高校から改編された富士市立高校。「コミュニティ・ハイスクール(C)」「ドリカム・ハイスクール(D)」「探究ハイスクール(I)」のCDIがコンセプトの総合型専門高校だ。設置している3つの学科名に「探究」の言葉を入れたり、修学旅行を「海外探究研修」と位置づけるなど、「探究」にフォーカスした特色ある取り組みを行っている。特に、総合的な学習の時間(以下:総学)に行う課題解決型学習「究タイム」は、「探究」をカリキュラムとして徹底的に掘り下げた授業だ。 しかし、現場の教員たちが、富士市立高校開設の取り組みについて市からバトンを渡されたのは、開設のわずか2年前。吉原商業とインターバルなく開設する前提条件で、日常の学校業務と並行しながら、学科の再編からカリキュラム作成までこぎつけた。関わった誰もが「最初は無理だと思った」と語る学校改編の道のりについて、当時、開設準備室に所属し、現在も同校に勤務する4人の教職員に伺った。 前身の吉原商業高校は学区で唯一の市立高校かつ単独商業高校として、富士市の労働力の主力校と位置づけ「探究に満ちた学校へ」目指すべき学校像を具体化し、校外を巻き込んだカリキュラムを設計られていた。しかし、少子化・情報化・国際化という社会情勢の変化、国の教育改革など、教育環境が大きく動き出したなか、市立高校としての在り方を検討すべきという議論が始まった。 学校改編の幕開きは2005年、静岡県や富士市の有識者や吉原商業の同窓会を中心に「富士市立高校あり方懇話会」の設置に始まった。「市民の1961年創立/総合探究科・ビジネス探究科・スポーツ探究科/生徒数707人(男子294人・女子413人、2016年11月1日現在)/進路状況(2015年度実績)大学84人・短大19人・専修81人・就職48人・その他4人学校データ取材・文/長島佳子商業高校から総合型専門高校への大転換。新設校開設とほぼ同様の組織づくりやカリキュラム作成を、約2年間で日常業務と並行してこなしてきた、教員たちが経た道のりとは?学ぶ目的意識の低さを学校改編でどう解決するか図1 富士市立高校「学校改革基本計画」で示されたこと   (2009年6月:開校2年前)探究学習の核となる「究タイム」の研究課題に取り組むために、町に出て社会問題の現場を体験中の生徒たち。教育の基本的な在り方組織の基本的な在り方新高校における基本理念期待される入学者像期待される教職員像市立高校開設準備段階での会議資料。分厚いファイルが数十冊も残され、当時の議論の膨大さがうかがえる。●教育活動等の特長 ●探究学習 ●夢探究・実現教育 ●ネットワークの活用 ●スポーツ・文化活動の充実●教育活動等の具体的な在り方●総合型専門高校 ●総合探究科 ●ビジネス探究科 ●スポーツ探究科●学校運営協議会制度●学術顧問●存在価値 ●富士市立高校としての自覚 ●富士市の発展に寄与●目指す学校像 【高校教育界のリーダー】●コミュニティ・ハイスクール●夢実現高校(ドリカム・ハイスクール)●探究の精神に満ちた高校●育てたい生徒像 【自律する若者】●様々な探究を行い、夢を実現する生徒●高いコミュニケーション能力を持つ生徒●富士市や社会に貢献しようとする気持ちを持つ生徒【学び続ける挑戦者】●向上心に満ちあふれ、探究に挑戦したい中学生●先進的なキャリア教育により、進路を実現したい中学生●県内公立高校唯一の専門学科で学びたい中学生●魅力ある大人との出会いを求める中学生●スポーツ・文化活動に打ち込みたい中学生【信念を持った未来創造者】●幅広い教養を持ち、生徒の成長を支える教職員●出会いを大切にし、人の素晴らしさを語れる教職員●時代の流れを読み、行動に移す教職員カリマネはどのように取り組まれているか?学校現場で202016 DEC. Vol.415

元のページ 

page 20

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です