キャリアガイダンスVol.415
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372016 DEC. Vol.415案が図1だ。そこには「教科とSAPによる実践コミュニティ」とある。 「AL型授業もルーブリックも手段に過ぎません。この先、時代が変わったときにもその時代に即した授業や評価ができる『教員集団』をつくらなければなりません。個人の力には限度がありますが、個人の1つの工夫が50人分集まれば50個のアイデアになります。学校は、それをいつでも教員同士が話し合い、共有できる組織であるべきです」(美那川先生) また、従来の講義型の授業を否定せず、生徒の3年間を見通したときに、どのタイミングでどんな授業をすればよいか、一人ひとりの教員がカリキュラムを設計できることを目指している。授業やルーブリックの策定に際し、授業研究会を実施しながら、常にPDCAサイクルを回して改善していくことも明記している。現場から学校全体でのカリキュラムマネジメントを活かしたAL型授業を実践しているのだ。 「公立高校も黙っていれば生徒が集まる時代ではありません。『韮山に入ったらどんな人間を育ててくれるのか。そのためにどんな授業をしているのか』を地域に示さなければなりません。もちろん進学校として、大学に入るまでのプロセスを示すということにもなります」(櫻井校長) そのために、校長は「授業の韮山」と標榜し、教員全体に授業改革を意識づけている。学校全体での取り組みを始めてまだ1年に満たないが、9月に実施した公開授業では、参加人数が6月の倍以上となるなど、教員の意識は着実に変わり始めている。 生徒の変化は、授業の振り返りシートとして各教科で導入されているルーブリック表に顕著に見られる。例えば数学で、その日の演習問題を解く手順を分解して段階化し、「どこま「授業の韮山」を目指し全教員が授業改革に取り組む韮山高校のアクティブラーニング型授業への取り組みの歩み次ページにつづく図2髙梨副校長は「改革を始めてから教員同士の授業についての雑談が増えた」と感じている。「校長と副校長が教員の学びの場をつくってくれるからこそできる改革」と美那川先生は語る。で理解できたか」を書かせている。1学期は予めプリントに印刷された段階に対し、自己評価だけ記入していたものを、2学期からはすべて空欄の表にして(図2)、生徒自身に段階も作成させている(次ページでその授業の様子をレポート)。生徒たちがその時間に何を身につけるべきか、目標を理解している証拠だ。 「教員も生徒もこの半年で変わってきていると実感しています。完成形はありませんし、我々教員も生徒同様に『解のない問い』を続けなければなりませんが、目指すコミュニティの風土に近づきつつあると思います」(美那川先生)※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 発行メディアのご紹介 >> キャリアガイダンス(Vol.415)数学で使われている生徒自身が自己評価するルーブリック(振り返りのチェックシート)。右が予め段階が記入された1学期用、左が生徒自身が内容も記入する2学期用。地歴科の鈴木映司先生など、個々の教員が個人的な活動としてAL型授業やルーブリック評価を取り入れていた。2015年4月髙梨先生が副校長として着任。 将来的にSSHを目指したいと考えるなか、それまでにできる授業改革について検討。美那川先生が個人でルーブリックを取り入れた授業活動をしていたため、美那川先生を中心に改革を進めることに。同年5月静岡県の「サイエンス・アドバンススクール」の指定を受け、教員の外部研修や、外部講師を招いたり、生徒が外に出る特別授業などを実施。2016年4月櫻井先生が校長として着任。学校の特長を「授業の韮山」とし、授業改革を本格化。各教科の課題を検討する研究会・SAP(Science Advance Project)に6名の教員を指名。同年6月SAPメンバーによる公開授業同年8月教員研修会実施同年9月全教員対象の研究授業(公開授業)実施同年9月指導主事を招いての研修会実施生徒が作成した学校新聞でも「アクティブラーニング」について記事にしていた。

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