キャリアガイダンスVol.415
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382016 DEC. Vol.415教職歴23年古瀬裕也先生大学で教員免許を取得した後、東京大学大学院で数学を研究。1994年静岡東高校に初任。その後、沼津城北高校、伊豆中央高校を経て、2016年に韮山高校に着任。教員としてのモットーは「あまり教えないこと」。設問ごとに隣や前後の仲間と、解き方を共有して、自分とは違う着目点に気づく生徒たち。つまずいた生徒のまわりに仲間が集まって、教え合う姿も多々見られた。生徒たちは演習に取り組みながら、自分の思考を分解してチェックシートに書き込んでいた。チェックシートも仲間と共有し、相手がやる気になるようなはげましの言葉を書き合う。数学(3学年) 3学年担当の古瀬裕也先生の授業は、先生が用意したプリントの演習が中心だ。演習を解く過程で、生徒たちはその都度隣同士で相談したり、相手に自分の解き方を説明したりしている。そして、生徒たちの机をよく見ると、演習を解くノートとは別に、「チェックシート」(前ページ・図2の左)を書いている。自分がどこまで理解しているか、設問を解く段階ごとに記入していることに驚きを禁じ得なかった。答えが出せなかった生徒にも、なぜそんなことができるのだろう? 古瀬先生の説明には「手順」という言葉がよく出てくる。公式や基本的な法則を教えるだけでなく、一つひとつの設問を解く「手順=段階」を生徒に意識させている。それをチェックシートに自ら記入することにより、どこでつまずいて進めなくなったのか生徒自身がわかり、古瀬先生にも伝わるようになるのだ。 古瀬先生がこのルーブリック形式のチェックシートを使用し始めたのは、同校に着任した今年が初めてだ。 「前任校では教務主任としてAL型授業を推進する立場でしたが、ALの捉え方にもいろいろあり、試行錯誤していました。本校に来て授業改革の柱としてルーブリックがあげられていたため、工夫のひとつとして導入してみたのです」 古瀬先生の「手順」に基づく授業はわかりやすいだけでなく、ルーブリックにも適した授業だ。 「数学はひらめきに左右されがちな学問ですが、それでは数学のおもしろさを広められません。しかし、手順を追っていけば、誰でもある程度は理解できると思ったのです」 チェックシートは家庭学習のやる気を起こすきっかけにもなるという。 「生徒にわかりやすい授業が必ずしも成績には結びつきません。わかった気になると生徒は復習しないからで自分がどこまでわかったか問いを分解して進めていく家庭学習したくなるのは「やり直そう」と思う授業ひらめきに左右されがちな数学で、解に行き着く「手順」にこだわり理解の段階を意識させたい!す。家でやり直そうと思うかどうかが重要で、チェックシートはその際に自分がつまずいたポイントがわかるヒントになります」 現在は、数学科の教員が個別に振り返りシートを作成したり、ジグソー法を取り入れたりしているという。 「今後は教員同士でノウハウを共有し合って、誰がどの学年を担当したときでも、活性化した授業を行えるようにしていきたいですね」授業REPORT

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