キャリアガイダンスVol.415
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 今年9月、刈取り前の稲穂が光る岩手県遠野市に、全国から教員が集まった。遠野サミットと名付けられた研究会では、次期学習指導要領で求められる「主体的・対話的で深い学び」を実現するための方法論として、地域連携による課題探究学習を提案(図1)。今号では研究会のなかでも4校の事例紹介セッションをレポートするとともに、実践上の課題を考察したい。 事例は学校全体で取り組んでいるものも、課外での有志参加のものもあり、方法はさまざま。地域連携の多様な可能性が感じられるが、共通項は単に地域に出ていくだけではなく、探究のプロセスが埋め込まれていることだ。発表者からは、生徒の社会参画意識が芽生え、学習意欲や主体性が育つこと、探究のプロセスを通して情報の扱いや他者との協働、表現などのスキルが磨かれること、さらに、大人や社会と関わることでキャリア意識の形成にも効果があることが異口同音に語られた。 岐阜県立可児高校の浦崎太郎先生はスクリーンを背に、地域社会の現状とこれから求められる力をふまえ、今、学校が地域連携に取り組む必然性を力説した。 地域コミュニティの希薄化、教育力低下により、学校が引き受ける負担が増大しているという問題意識をもっていた浦崎先生。「社会形成姿勢」を学校で育てることが、地域、ひいては学校自身の衰退を防ぐことになる、そう考え生徒を地域に向かわせた。市役所で働く可児高OBに声をかけることから始め、有志の生徒が課外で大人と活動を共にする場を作ってきたが、昨年度から1学年の行事として地域課題解決に取り組む大人と対話する場を作った。理想は「地域主催のまちづくりの場に高校生が参加する」形にすること。NPO縁塾を立ち上げてコーディネート実務を委地域課題に向き合う学習が広がり始め、効果的な学習のための方法論とともに、課題も見えてきました。今回は特別編として、4校が事例発表を行った研究会の取材を通して改めてその意義やより良いあり方を探ります。取材・文/江森真矢子 取材協力/産業能率大学図1 遠野サミット概要地域連携による課題探究学習研究会遠野サミット特別編第5回誌上レポート● テーマ地域連携による課題探究学習研究会● ねらい「主体的な学びを推進するアクティブラーニングによる探究学習を考える」次期学習指導要領で求められる「主体的・対話的で深い学び」を実現するための授業改善の方法論として、探究的な学習の方法論や、その教科教育への活用や転換について検討する。● プログラム<1日目> オリエンテーション【セッション1】 事例紹介およびワークショップ① 100分【セッション2】 事例紹介およびワークショップ② 100分【セッション3】 遠野市のまちづくり再生に高校と連携した意図と思い30分 遠野市副市長 飛内雅之氏【セッション4】 懇親会<2日目>【セッション5】 新たな学習課題を開発する 100分分科会内容講師1岐阜県立可児高校の取り組み浦崎太郎先生2島根県立隠岐島前高校の取り組み常松 徹校長、中村怜詞先生3宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校の取り組み西山正三先生4岩手県立遠野高校の取り組み助川剛栄先生、菊池陽一朗氏、安宅研太郎氏分科会内容講師1復興ボランテイア学ワークショップ石巻専修大学 山崎泰央先生石巻専修大学・産業能率大学 学生2地域課題探究学習の課題探索ワークショップ(アクションラーニング)産業能率大学 皆川雅樹先生事例紹介およびワークショップ分科会新たな学習課題を開発する分科会● 日時2016年9月24日(土)13:30~20:45(懇親会含む)2016年9月25日(日) 9:00~12:00● 場所遠野みらい創りカレッジ(岩手県遠野市)● 主催産業能率大学レポート1可児高校の発表から学ぶ実践の必然性442016 DEC. Vol.415

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