キャリアガイダンスVol.415
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次世代産業を担うスーパー技術者の育成柱1次世代産業に必要な知識や技術・技能の育成専門科目の教育課程柱2実践的な技術力の育成「実習」「課題研究」柱4豊かな創造性の育成「実習」「課題研究」図1 豊田工業高校のSPH構想図柱3グローバルな視点の育成「工業技術英語」「コミュニケーション英語」 機械、電子機械、自動車、電子工学の4つの専門学科で、ものづくり人材の育成に取り組む愛知県立豊田工業高校。生徒のおよそ9割が就職を希望するなか、地元有力企業を中心に堅実な就職実績をあげている。好調の理由は、ものづくり産業が盛んな地域にあるという恵まれた環境だけではない。同校の校訓は「人あって技術あり」。生徒は校内だけでなく通学途中に出会う見知らぬ人にも「おはようございます」「こんにちは」と大きな声で挨拶をし、地域のクリーン活動などのボランティアにも積極的に取り組む。そんな生徒の人間性も、就職の好調さを支えている重要な要素だろう。 しかし、同校にも荒れていた時期がある。校長の神谷弘一先生が教頭として着任した2009年度、募集定員を増やした影響で定員割れする事態に。それにより入学生徒の多様化が進み、学校は一気に荒れた。教員は危機感のもとで結束し、地道な指導や工夫を積み上げ、少しずつ回復。一時期は年間のべ2000人を超えた遅刻者も、数年でほとんど見られなくなった。そして、以前はよく生徒のふるまいに地域からクレームがあがったが、近年は褒められることのほうが多くなった。「人あって技術あり」の校訓のもとで次世代産業をにらみSPH事業に挑戦 「入学時の目的意識も影響しているかもしれません。学校説明会では中学生にこう伝えています。高校進学を目標にしてがんばるのはよいが、それを目的にしてはいけない。どんな自立した社会人になるか、その目的を達成するために高校生活を送ってほしい、と。我々はそうした生徒の目的の達成のため、教育の充実に取り組んでいます」(神谷校長、以下同) 上向いてきた同校をさらに飛躍させたのは、専門高校を対象とした文科省の支援事業SPH(スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール)だ。同校は事業初年度のSPHに応募し、工業高校で選出された2校のうちの1校となった。14年度から今年度トヨタ自動車のお膝元に位置し、地元産業に貢献する人材の育成が期待される豊田工業高校。「ものづくりを通しての人づくり」という同校の原点に基づく校外連携の推進を基軸として大きく飛躍した同校の事例には、工業科以外の高校にとっても参考になる部分があるのではないでしょうか。取材・文/藤崎雅子スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール 大学・産業界・他校・異校種との連携グローバル教育 教科間連携 次世代産業への対応先進校に学ぶキャリア教育の実践地域や他校との連携でものづくりを通しての人づくりに取り組む豊田工業高校(愛知・県立)上の図は豊田工業高校の資料をもとに簡略化したもの。それぞれの柱の内容については図2~5で紹介する。502016 DEC. Vol.415

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