キャリアガイダンスVol.415
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●教科間の連携●「コミュニケーション英語」で工業に関する教材を活用●「工業技術英語」の設置→英語で積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成●国際交流→外国人の考え方や異文化を理解できるグローバルな視点の育成グローバルな視点の育成豊かな創造性の育成としてしっかりPDCAサイクルを回してけるようにしたいと考えています」 2つ目の柱として掲げるのは、同校が特に力を入れている「実践的な技術力」の育成だ(図3)。そのために、主に「実習」や「課題研究」の科目において、大学や地元企業との連携を進めている。 例えば、「課題研究」で宇宙産業を題材にした研究班は、愛知工科大学の協力を得て模擬人工衛星(缶サット)の開発・製作に取り組み、昨年度の「缶サット甲子園」で全国大会出場を果たした。また、 「教科書はあくまで全国標準の内容です。SPHの狙いを含め、本校の状況に合った独自の内容を盛り込んで授業を行っています」 今年度はこれらの特色化を図った科目を中心として、学習到達度を明確にする評価方法の導入に挑戦している。評価手法の研究に取り組んでいる近隣の県立刈谷工業高校のものを参考に、同校独自のルーブリック評価基準表を作成。現在は対象科目ごとの個別性に合わせ、評価項目の調整を行っているところだ。 「評価の仕組みづくりはまだ途中段階です。個々の生徒を評価するだけでなく、教育方法の改善にも生かし、学校全体自動車のデザインに取り組んだ研究班は、愛知工業大学の指導を受けて風洞実験の測定や計算などを行い、空気抵抗の少ないデザインを考案した。 企業との連携では、希望者を対象として10日程度の就業体験実習を実施し、次世代産業等で求められる知識や技術・技能を学習。この取り組みを土台に、年間を通した就業体験実習の実施に向けた模索も始まった。 こうした連携において同校が大切にしているのは、外部との「Win-Win」の関係だ。例えば、企業の技能オリンピック出場者の練習用に同校設備を提供する代わりに、生徒はその様子を見学し高い技術力を学ぶ。 「SPHの予算は連携の謝礼には使わない方針です。金銭のやりとりはしないことで、SPH終了後も長く持続可能な関係を整えたいと考えています」 3つ目の柱には「グローバルな視点」の育成をあげている(図4)。ものづくりの現場においても、海外の工場に派遣されたり、多様な国籍の人たちと働くなど、グローバル化が進んでいるからだ。 そのため、英語の授業は実用に重点を置く。「コミュニケーション英語」では工業の教員と連携し、工業の専門用語や設備・機器の使用方法などを題材に学習。さらに今年度は工業科の科目である「工業技術英語」を設置し、仕事で海外赴任した際の日常会話や工場での打ち合わせの場面を想定した実用的な英語活動を展開している。 「『工業技術英語』を担当するのは工業科の教員なので、授業実践の難しさはあります。工業科と英語科が教科を横断して協力することで、効果的な授業を行う体制づくりを模索しているところです」 授業外では昨年度から、地元企業で学ぶ海外研修生との交流イベントを開催。小グループによる会話や英語でのゲームを通じてコミュニケーションを図った。また、豊田市が実施するイギリスの姉妹都市への高校生派遣事業に同校生徒も参加し、2週間の海外研修の経験を他工業の仕事で生かせる実践的な英語を学習大学や企業と連携し実習や研究の質を向上2学年「コミュニケーション英語Ⅰ」の同校オリジナル教材。工業科の生徒が興味をもちやすいよう次世代エネルギーに関する話題。自動車部品メーカーの海外研修生との交流会で、生徒は小グループに分かれ懇談。豊田市主催の海外派遣事業に同校生徒が参加。イギリスで2週間弱ホームスティ体験。●SSH校との連携→工業技術が将来の社会でどのように生かされていくかを創造する力の育成●専門高校との連携→工業高校で培ってきた技術・技能を他分野で活用する創造力の育成SSH校と共に豊田市が取り組む次世代エネルギー事業のモデル都市「とよたエコフルタウン」を訪問。低炭素社会システムや交通システムについて学習した。福祉科が実習で使用する介護用ベッドに電動昇降の補助機器を製作・取り付けるなど、危険や不便の解消に取り組んだ。特別支援学校の生徒のために、ピンポン玉を入れるとジュースが出てくる自動販売機や、缶つぶし機などを設計・製作。小学生にものづくりの楽しさを伝える「ものづくり授業」を実施。ペットボトルロケットの製作と打ち上げの補助を行った。図4 SPH事業の柱3図5 SPH事業の柱4522016 DEC. Vol.415

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