キャリアガイダンスVol.415
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建学の精神である「心技一体」を礎として、医療等に携わる「技」と、人をいたわる「心」を備えた人材を育成する。これこそ本学が目指すところです。医療人や教育者は、相手の声に耳を傾け、相手に合わせて対応することが大切です。特に、患者さんは職業も生活環境もさまざまであるため、多様性を受け止められる人間力も必要です。なかでもリハビリテーションの仕事は患者さんに長期間寄り添う必要があります。声なき声を聴き、何気ない会話からも本質を見抜かないといけません。そう考えたとき、単に記憶力に優れていることよりも、状況によって判断する力や人間性、倫理観のほうが大切です。それに必要な力は同じではありません。そのため、個々の理解力にあわせた指導方法の工夫が求められます。講義というのは、わかることと、わからないことのバランスが絶妙にとれている状態が望ましく、学生本人が、「ここまではわかるけれど、ここからはわかりにくい」とか、「わかりはするけれど覚えるのが大変そう」など、自覚できることが大切です。学長就任後、すべての授業内容をチェックしていますが、そうした点も含め見直しを進めています。 現在、子ども教育学科においては、特別支援学校教諭の免許状を取得できるよう準備を進めています。また、看護やリハビリテーション分野における大学院設置に向けても動き出しています。「教育」の役割が、既存の知識や最新の情報を伝え、高い次元へ導くことだとすれば、理科系の「研究」の役割は、未知の物事を発見し、実証し、社会へ還元していくこと。教員が質の高い研究に打ち込める環境を整えていくことで、学生にもいい影響を与えたいと思います。学生は、教員の真摯に研究に取り組む姿勢や、教育に対する気迫を感じ取るもの。学生の学びに対する意欲を刺激し、応えることで、大きな教育成果を生むような環境づくりを行っていくつもりです。【学長プロフィール】こうの・のぶおき●広島大学医学部長、広島大学副学長などを経て2016年4月より現職。日本内科学会理事、日本呼吸器学会理事、日本肺癌学会評議員、国際胸部医学会評議員、がんプロフェッショナル養成プラン広島大学統括責任者など役職多数。2018年4月に日本内科学会会長に就任予定。【大学プロフィール】2009年広島都市学園大学開学。宇品キャンパスに、健康科学部看護学科、子ども教育学部子ども教育学科。西風新都キャンパスに、健康科学部リハビリテーション学科(理学療法学専攻、作業療法学専攻)。学校法人古沢学園広島都市学園大学グループとして6つの専門学校を運営。心技一体の建学の精神のもと、医療人、教育者としての職能のみならず人間性の涵養を目指すらを養うためにも、知識や技術だけではなく、教養を重視すべきと考えています。大学の役割は、学生が医療人や教育者としての能力を身につけていることを、国家・社会の人々に対して保障するということなのです。 大学の教員に限らず、他者に何かを教えるとき、自分のレベルや学び方を基準に教えようとする人がいます。相手の理解力を考慮することなく、難解で細かすぎることまで教えこもうとするのです。どんな高尚な内容でも、相手がまったくついてこられないようでは意味がありません。特に、本学の場合、学生の入学時の学力に幅があります。加えて、高校までの学力と、将来、職業人として活躍するとき̶変革に挑む̶まとめ/堀水潤一 撮影/滑 恵介広島都市学園大学学長河野修興552016 DEC. Vol.415

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