キャリアガイダンスVol.415
59/66

授業で生徒につけたい力知識能力意欲・態度つけたい力ICT・ネットワークの活用方法問題解決のためのフレームワークプレゼンテーション技法・ 教科書で学ぶというより、活動のなかで学ぶ・ 授業で課題に取り組むなかで、その課題解決に活用できるICT・思考や会議のフレームワーク(枠組み)・プレゼン技法などを生徒が学ぶ・ アイデア出しの技法を学ぶ問題発見と問題解決の能力発想力⇒創造力・ 物事を様々な視点でとらえて問題発見・解決へ・ ひらめき(発想)+調べたことなど、いろいろな材料を組み合わせて形にする(創造)ツールを取捨選択する力・ 使い方を知ったICTやフレームワークのなかでどの場面では何がより有効かを生徒が考える「知識」は変わりゆくという見方・ 自分の経験や社会の変化によって、効果的なツールやよりよい解決策は変わってくることを、授業の活動を通して生徒に体感してもらう他者と協働しようとする態度・ 授業の課題に、一人ではなく、他者とコミュニケーションを取って協働して取り組んでいくその力が将来にどう生きる?仕事などでツールを活用できる・ 仕事などでICTやフレームワークを活用できるロジカルシンキングが身につく・ 仕事などで「A=B、B=C、ゆえにA=C」などと物事を筋道立てて考えていけるラテラルシンキングが身につく・ 仕事などで「A⇒X⇒D」などと思考を多方向にジャンプさせて解決策に迫ることができる高度情報社会を主体的に生きられる・ 膨大な情報があふれる高度情報社会のなかで、何が重要かを主体的に判断し、自ら問いを立ててその解決に取り組める持続可能な開発を担える・ 貧困、不平等、気候変動、資源問題などの地球規模の課題についてみんなと一緒に考え、持続可能な社会を目指していける生涯「探求」と「探究」をしていける・ 知らないことを幅広く求めること(探求)や、知ったことをさらに究めること(探究)を、生涯楽しむことができ、成長もしていける地域や組織で創発現象を誘発できる・ 集団を構成する個人と個人のあいだで影響を与え合って、個々の力の単純な合算を超えた創造的な成果(創発)を全体にもたらしていける 「良かったプレゼンを次の代の子たちに見せると、『私も先輩のようなことがしたい』とそこを目指そうとするんです。子どもたちがつくってくれたリアルな教材を授業で生かせるのがうれしいです」 様々な思考法や会議手法、プレゼンを体験するなかで、生徒たちは企画立案や発表に対して自信を深め、オープンスクールを自分たち主導で取り仕切るなど、授業以外でも力を発揮するようになった。 育英西高校は、中学校もある中高一貫校で、堀川先生はその中学校との連携も進めている。高校生が情報の授業でやっているようなことを中学生もできない グループで1年かけて課題に取り組むにあたり、チーム編成時に「友人関係は考慮しない」。だから当初はギクシャクするグループもあるが、次第にお互い認め合い、チームとして機能していくという。 最終プレゼンは毎年ビデオで撮影。その記録が積み上がってきたことも、生徒にプラスの効果を生み出している。か。そんな思いをもった複数の教科の先生たちと、「シナジータイム」という学校設定科目の授業デザインにも参加しているのだ(左記コラム参照)。堀川先生としてはそのように、教科や校種の枠を越えて、課題解決型の授業の可能性をさらに模索したいと考えている。 「生徒には、いろいろな物事に対して『面白そう』と興味をもてるようになってほしいんです。そのうえでチームで創発的に活動し、共に影響し合い、成長していく。与えられたことだけやるのではなく、新たなことを生み出していく豊かな創造性を、学校で養ってほしいと思っています」生徒はこう変わる面白がって動き出した生徒が下級生のロールモデルに■ INTERVIEW――各自がアイデアをパソコンに入力し、画面上で共有しながらみんなでデータを作成する。やってみてどうでしたか? 話して共有するのと何か違いはあるのでしょうか。中井さん:記録が残るし、一緒に打ち込めるので、作業の効率がいいなあ、と思いました。松村さん:ほかの人のを見て「こういうのもあったんや」とまた自分も考えられたり。羽尾さん:しゃべるだけやったら、話が盛り上がっても中身は深まらないことがあるんですけど、入力してちゃんと言葉にするから、それぞれの意見が濃くなるな、と思いました。――堀川先生の授業を受けて、これまでと変わったことはありますか?中井さん:堀川先生は、言った意見に対してあんまり否定はせず、肯定してアドバイスをくれるので、何も気にせず、思ったことを言うようになりました(笑)。中学のときは人前でしゃべるタイプではなかったのに、プレゼンもやろう、と思えるようになって。松村さん:前に出るのは得意ではなかったけれど、この授業で免疫がついてきて、グループのリーダーにも立候補しました。ほかの人がやったほうがいい、といつもは考えてしまうのですが、この授業は楽しいので「やりたいんやったら、やっておこう」と思えたんです。羽尾さん:私は中学時代から目立ちたがりでした(笑)。中学のときと今で一番違うのは、外の人にもふれていること。その分、責任もあるし、まわりの目線もある。この授業ではパソコンの作業も、勉強というより仕事をしているようで、楽しいです。――育英西の中学生が受ける「シナジータイム」とはどんな授業なのですか?伏江先生:課題について一人ではなくみんなで知恵を出して考えることで、相乗効果をあげて成果を出すことを目指す授業です。土曜日の2時間の授業を使って取り組んでいます。長谷川先生:授業では国際バカロレアの10の学習者像、「オープンマインド」「リスクテイク」などを意識しているのですが、まずは生徒が意見を活発に出せるよう、雰囲気づくり、思考の仕方、ICTの活用などの面で、堀川先生に相談にのってもらっています。伏江先生:我われはつい、こっちから生徒にガミガミ言ってしまうんですが、堀川先生は待つんですよ。生徒をうまくもちあげて、本人に考えさせて言わせて、と畳みかけ方がすばらしい(笑)。長谷川先生:そうした生徒主体の活動を、各教科の学習にも導入し、授業のシナジーも生んでいきたいんです。楽しくて責任もあるから夢中に生徒主体の学びの機会を増やしたい羽尾涼峰さん(左)、中井奈緒さん(中央)松村菜沙さん(右)数学 長谷川成実先生(左)、理科 伏江勝久先生(右)592016 DEC. Vol.415

元のページ 

page 59

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です