キャリアガイダンスVol.416
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あてはまるものをすべて選んでもらった(図13)。トップは「教員の負担の大きさ」65%、2位「実施時間の不足」48%。3位「教員間の共通認識不足」42%、4位「教員の知識・理解不足」40%と続く。大短進学率別では、進学率が高いほど「実施時間の不足」が高く、受験勉強との両立が難しい様子の一方、進学率が低いほど「生徒の意欲や学力の低下・欠如」が高い。特に大短進学率40%未満校で生徒の意欲学力低下意識が高く、キャリア教育の役立ち度や必要性が高い認識だが、生徒自身の側に推進への課題を感じているようだ。 具体的な阻害要因をみると(フリーコメント3)、外部連携の負荷や、他行事との兼ね合いによる時間不足など、キャリア教育は「イベント型」という前提が散見される。一方、教員の理解・共通認識不足が障害とする声では「各々の授業でキャリア教育が取り上げられない」「各々の教育活動の中でどう取り組めばいいか理解度・意欲に差がある」など、裏を返せば教員個々が理解できていれば授業内でキャリア教育を行うなど、イベントではなく日常の取り組みに組み込め、時間不足や負荷の問題が解消できるヒントが示唆されている。 図 13 キャリア教育を進めていくうえでの障害 (全体/複数回答)教員の負担の大きさ●3年間系統立ててキャリア教育を実施していますが、本来の授業研究・教材研究の時間もほとんど取れず、負担の大きさがあると感じています。(群馬県/県立/専門学科:工業)●系統的・段階的な3年間のキャリア教育のカリキュラムを企画、実行、評価するには、ある程度大きな工数と知識が必要となるが、それを専任として担当できる教員がいない。(京都府/府立/普通科)●キャリア教育の中でインターンシップなど外部との連携活動では、受入先の開拓、事前・事後の指導、準備に多くの時間が必要となる。(岡山県/県立/総合学科)実施時間の不足●時間割が教科数増でびっしり埋ってしまっている。LHRも他の行事、指導との関わりで進路用の時間も増やせない状態にある。(北海道/道立/普通科)●学習時間でさえ確保できていないのに、キャリア教育にかける時間を増やすことはできない。(愛媛県/県立/普通科)●生徒の意識が低いため、浸透させるのに時間がかかる。丁寧に一人一人を見るには、現状では時間が足りていない。(鹿児島県/私立/普通科)●大学進学等の目先の問題に生徒は強く意識をもっていかれている。その中で、結果の見えにくいキャリア教育を行うための時間が足りない。(千葉県/県立/普通科)教員の知識・理解不足●キャリア教育は、単なる出口指導であるととらえている教員がかなり多いように思われる。(埼玉県/県立/総合学科)フリーコメント3キャリア教育を進めていくうえでの障害の要因● 進学部の教員が決まった時間に行う進路指導だけがキャリア教育という認識の教員が多い。(千葉県/県立/普通科)●なぜ、キャリア教育が必要なのかが理解できない教員が多い。だから、各々の授業でキャリア教育に関することを取り上げられずにいるのでは?(栃木県/県立/総合学科)●市販のワークなどを活用しているが、指導方法にノウハウがなく、試験で結果をフィードバックできる教科と違ってよりよいやり方への道筋が見えない。(福島県/私立/普通科)教員間の共通認識不足●キャリア教育の言葉は知っているものの具体的な取り組みとのつながりの意識がなく、うまく機能していない。(愛知県/県立/普通科)●各人色々な認識を持っており、コンセンサスを取るのが難しい。(神奈川県/県立/普通科)※「2016年全体」の降順 ※「2016年全体」より5ポイント以上高い数値を■色で表示教員の負担の大きさ実施時間の不足教員間の共通認識不足教員の知識・理解不足教員の指導力不足定義があいまい評価軸がない、評価の方法が不明確生徒の意欲や学力の低下・欠如教員が変化を望まない管理職のリーダシップ力2016年全体 (n=1105)64.948.141.839.928.123.020.019.016.110.0大短進学率別95%以上 (n=221)61.555.238.935.722.227.121.3 9.012.2 7.270~95%未満 (n=304)66.454.642.137.827.024.020.710.515.811.240~70%未満 (n=210)69.544.345.742.934.324.817.120.519.012.440%未満 (n=358)62.841.141.142.729.318.420.730.416.5 9.8(%)806040200 ■ 2016年 全体 ● 大短進学率95%以上 ▲ 大短進学率70~95%未満 ■ 大短進学率40~70%未満 ◆ 大短進学率40%未満『高校の進路指導・キャリア教育に関する調査2016』結果詳細はリクルート進学総研サイト(http://souken.shingakunet.com/)でご覧いただけます。キャリア教育の実態Ⅱ生徒の進路選択・決定力 どう高める?【調査報告】高校の進路指導・キャリア教育に関する調査2016152017 FEB. Vol.416

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