キャリアガイダンスVol.416
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222017 FEB. Vol.416み重ねることも大切だと思います。藤田▼まったく同感です。進路選択の幅の広さや将来の見えづらさなどに生徒の意識を向かわせるためにもガイダンスは非常に有効です。ただ、進路ガイダンスといえば体育館のイメージがあるかもしれません。体育館に集め、「さあ」となるから未消化に終わってしまうことも。日常のホームルームでもできることは多いはずで、その時間を活かすことで状況は変わると思います。――次に、インターンシップの実施率(10ページ)についてですが、高校のタイプによって大きな開きが生じています。特に普通科の進学校の低さが際立ちます。長田▼それについて見ていただきたいデータがあります。キャリア教育の実践と生徒の変容を調べるため、普通科の高校生を対象に、入学から卒業までの3年間、年2回ずつ継続して実施した大規模調査です。その中で、3年次のインターンシップ参加と基礎的・汎用的能力の変化を示したデータ(図表2)があります。3年次に実施するくらいですから系統だったキャリア教育を推進している高校の生徒が中心なのですが、2年の後半から3年にかけてプラスの変化が顕著に表れています。インターンシップやそこに至る事前指導が、基礎的・汎用的能力の育成につながっていることをご理解いただけるでしょう。藤田▼2年次の中だるみや、3年でぐっと伸びる様子まで数値で表れていますよね。この調査のポイントは普通科高校に限定しているところ。次期学習指導要領の指針となる今回の中教審答申においては、アカデミックインターンシップ(研究者や大学等の卒業が前提となる資格を要する職業も含めた就業体験)の充実も期待されています。進学校の生徒こそ、大学の向こう側の世界に触れてほしいですよね。研究室に3日もいれば、今、教室で学んでいる物理や化学に対するイメージも膨らみますよ。長田▼私が教師として就業体験を始めたとき、それなりの負担感はありました。でも、生徒たちの変化を前に、苦労が吹き飛びました。インターンシップをすること自体が目的だと負担感はぬぐえませんが、生徒たちが成長する手段と捉えれば気持ちも変わると思います。――キャリア教育については97・4%の学校が取り組み、中でも65・6%の学校が「学校全体」で取り組んでいるという結果がでています(12ページ参照)。一方で、キャリア教育の評価状況となると、「評価をする予定はない」「方法がわからない」という答えが上位に並びました(図表3)。藤田▼評価には「点検」と「見取り」がありますが、特に重視したいのは見取りです。がんばった結果である子どもたちの変容を見取ることなく、「来年もがんばろう」と継続するのはなかなか困難だし、楽しくないのでは?長田▼評価というとどうしても5・4・3やA・B・Cで計ることをイメージしがちです。しかし、答申に示された「育成を目指す資質・能力の3つの柱」のひとつである「学びに向かう力・人間性等」には観点別評価がなじまないものも含まれます。生徒自身が目標を設定し、何ができ、何が足りなかったかを個人内評価することも極めて重要な評価だと思います。藤田▼目標の設定と評価は表裏一体。そのため評価をしていない学校は、評価を拒むくらい目標の抽象度が高いことも考えられます。試しに、目標に主語をつけ、疑問形にしてみてください。それが答えにくいアンケート項目のようであれば抽象度が高い普通科の進学校におけるインターンシップの重要性キャリア教育の評価とカリキュラム・マネジメント目標の設定と評価は表裏一体。目標の抽象度が高いと評価に拒まれる図表1 「進路指導に難しさをもたらしている要因として感じるものは?」に対する回答1位教員が進路指導を行うための時間の不足67.3%2位進路選択・決定能力の不足66.6%3位入試の多様化62.6%4位学習意欲の低下54.3%5位家庭・家族環境の悪化:家計面について50.5%※詳細は9ページ参照

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