キャリアガイダンスVol.416
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242017 FEB. Vol.416長田▼今回の答申には、授業改善の視点のひとつとして、「学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる『主体的な学び』が実現できているか」と書かれています。すべての授業をキャリア形成の方向性と関連付けながら改善していくこと、と読み取っていただければと思います。藤田▼今の学びが将来にどうつながるかを先生方が意識していなければ、大学入試がゴールになりかねません。入試が終われば価値が消える授業では決してないはずです。――先ほども話題に出ましたが、「ALの視点による授業に取り組んでいますか?」(18ページ)という質問に対する肯定的な回答が、前回の47・1%から92・9%へ激増しました。長田▼驚くべき伸び方ですが、「国が言っているから仕方なく」ではないことを願います。授業改善は教員の本来業務。学びの意欲を引き出す授業をしたいという先生方の意識の表れだと信じています。加えて、気になるのが、型にこだわる先生が依然として多いこと。ALは型ではなく授業改善の視点であり、限りなく存在し得る学習・指導方法から目の前の生徒たちに付けてあげたい力を目指して、ふさわしい方法を選択するのだということを強調しておきます。藤田▼例えば机を動かしてグループにすることが約束事であるかのような誤解が一部でありますよね。日本の先生方の律儀な一面が、形にこだわらせてしまうのでしょうか。長田▼「ALの視点(主体的・対話的・深い学び)による授業で向上する力は?」(図表4)という質問で、「コミュニケーションスキルの向上」「主体性・多様性・協働性の向上」という回答が上位を占めていることも少し気になります。一方で、「基礎的な学力(知識・技能)の向上」は18・5%と随分低い。要するに、3つの視点のうち対話的な学びに偏っている気がするのです。優先順位があるわけではないですが、深い学びにつながってこそのALでしょう。そう捉えれば、「基礎的な学力(知識・技能)」が向上しないわけがありません。藤田▼ALとは、育成すべき資質・能力に達するための方途のはず。話し合う時間を確保することが目標ではありません。ただし、型から入ることで、「あれっ、生徒同士話し合うと、理解の深まりが速いな」などと、気づくこともあるでしょう。やってみることで学べることもあるため、私はこのデータを素直に歓迎したいです。――先程から答申の話題が度々でます。次期学習指導要領で、キャリア教育はどう変わるのでしょう?長田▼今回の答申にはキャリア教育に関する大事なポイントがいくつもあります。繰り返しになりますが、普通科におけるインターンシップの重要性が示されていること。授業改善の視点として、キャリア形成の方向性と関連付けることの大切さが示されていること。さらに、特別活動において、キャリア教育の観点からの改善・充実が図られること。公民科の新科目「公共」においては、社会に参画する力を育む中核的機能が期待される、と書かれていることも重要です。藤田▼高校生や保護者のニーズはありながら、これまでセーフティネットの仕組みなど将来の不安に対する備えについては指導しにくかったところ。これを体系的に学べるのが「公共」でもあります。特別活動であるホームルーム活動を軸に、公共や総合的なアクティブ・ラーニングは型ではなく授業改善の視点次期学習指導要領においてキャリア教育に期待されること図表3 「貴校におけるキャリア教育の評価についてあてはまるものは?」に対する回答1位今のところ評価をする予定はない42.2%2位評価したいが、方法がわからない23.0%3位評価の方法を検討・研究中17.1%4位評価方法を策定し、運用している15.5%※詳細は13ページ参照入試が終われば価値が消えるような授業では決してないはず

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