キャリアガイダンスVol.416
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じて、自分の興味・関心について意識化してきた生徒たちは、高校2学年で「個人課題研究」に取り組むことになる。1学年の1月にテーマを決め、それぞれ研究がスタート。2学年の12月(来年度からは10月)の論文締切までに生徒たちは自分の研究を進めていく(図2)。テーマごとに関連する教科の教員が、テーマの精査や研究のアドバイスを担当することになる。 完成した論文は、12月にクラスごとに全生徒が発表会を行い、ここで代表に選ばれた生徒は2月に筑波大学で、保護者や下級生、大学の研究者たちの前で発表する。 「生徒たちは個々に悩みながら研究を進めますが、本校では行事ごとにレポートを書く習慣をつけているため、文章を書くことには慣れています。また、中学時からプレゼンの講習や発表の機会を多々設定しているため、発表会も堂々としている生徒がほとんどです」(尾島先生) 論文を推薦入試やAO入試の自己推薦資料として使う生徒も多いという。また、課題研究のテーマを大学でも研究を続けている卒業生もいるが、この取り組みで自分の向き・不向きを知る生徒もいるという。 「いずれにしても、課題と真剣に向きあうことで、自分が本当に何をしたいのか、生徒たちが得る気づきは大きいと思います」(尾島先生) 同校は海外留学や大学院に進む卒業生も多い。 「所属していた大学よりもさらに上の大学院に挑戦し、進学していく卒業生も多数います。卒業後も学びの意欲を失わない生徒が育っているのだと思い学ぶことの楽しさを知り学びの意欲をもち続ける進路指導部長尾島義之先生目標とする7つの生徒像①探究する生徒 ②知識豊かな生徒 ③コミュニケーションの上手な生徒 ④心を開ける生徒 ⑤心と体のバランスのとれた生徒 ⑥挑戦する生徒 ⑦自分の考えをもてる生徒学年個人課題研究関連その他の行事1学年9月 ●自分の関心事と学問部門   の関連について知る7月 ●サマースタディゾーン12月 ●テーマ設定や調査方法    に関するガイダンス9月 ●職業観セミナー1月 ●テーマ出し12月 ●ウィンタースタディゾーン2学年7月 ●課題研究集中期間   (1週間)7月 ●サマースタディゾーン   ●卒業生による進路ガイダンス10月 ●課題研究論文提出12月 ●課題研究発表会(全員)10月 ●海外研修旅行2月 ●筑波大学で代表者発表会12月 ●ウィンタースタディゾーン   ●卒業生によるパネルディスカッション課題テーマ理科系水害に耐えることのできる建築物の設計プログラミング教育を支援するサービスの開発すい臓がんの免疫治療における新薬文科系ラオスに対する今後の法整備支援に関する考察つくば市にある視覚障害者のためのバリアフリー公害犯罪処罰法の改善点とこれから体育・芸術系オリジナル住宅プランを考える咀嚼力を効率よく鍛えられる離乳食について少年野球における最適な指導方法の考察~野球しようよ~ます。本校では強制された勉強が進路実績につながるとは考えておらず、夏休みなどは部活優先で3学年以外は補習がありません。『学ぶことが楽しい』と思うことが、自主的に勉強し、進路やその先の生き方につながっていくと考えています」(尾島先生) 同校は2017年度からIBDP(国際バカロレア・ディプロマプログラム)認定校となり、さらに世界的日本人を育てる土壌が深まりつつある。また2回目のSSHの指定を目指し、いっそう「授業が楽しい」と思える、生徒主体の授業や教材開発に向けて動き出している。 「入試制度改革への対応にも向けて、今本校は変革の過渡期にあります。建学の理念や教育目標に沿った改革を行うことで、今以上に学びの意欲をもった生徒を育てていかねばならないと思っています」(尾島先生)図2 個人課題研究の流れと、進路に関わる行事例図1 茗溪学園の6つのStudy Skills(スタディ・スキルズ)が目指すもの図3 個人課題研究のテーマ例(2016年度2学年)さまざまな授業や行事を通した体験から6つのスタディ・スキルズを磨いていく実践期(高校2・3年)6つのStudy Skills展開期(中学3年高校1年)基礎力養成期(中学1・2年)知識ICT経験国際性体力創造性1期生からの個人研究課題の論文が保管されている(現在はデータ化されて校内のイントラネットで閲覧)。部活動も盛んで、ラグビー部を筆頭に全国大会やインターハイ常連の運動部や、科学部など全国コンクールで入賞する文化部が多数活躍している。生徒の進路選択・決定力 どう高める?【進路指導実践レポート】茗溪学園高校4332017 FEB. Vol.416

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