キャリアガイダンスVol.416
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「進路決定力」と言いますが、それ自体、一つの能力があるわけではないんです。進路を決めるという意志決定のために、いろいろな情報を得たり、人の意見を聞いたり、今までの自分をしっかり振り返ってみたり…。そんなさまざまな経験をしながら、「決めなければならない時も来たし、とりあえずこれにかけてみよう」という決断をするプロセスなのです。  職場体験をするというのも、そういう意味で重要なわけです。自分が体験して現場をどうとらえたかはもちろん、同じような職場に行った他の人の話を聞くことで、「同じようなところに行ったのに、違った面を見てきたんだ」という気づきとなり、職場にはいろいろな側面があるという視野の広がりにもつながります。 こういったさまざまな体験のプロセスを経ない限り、進路決定はできません。つまり、多様な体験の積み重ねによる決定のプロセスこそが進路生徒が自分で進路をなかなか決められないのは、どうしてなのか。その背景にあるものと、教師が果たすべき役割を、カウンセリング心理学の研究者でキャリアカウンセラー育成などにも力を注ぐ渡辺三枝子先生にお話いただきました。筑波大学名誉教授、同大学研究センター客員研究員。明治学院大学文学部教授、筑波大学教授・同キャリア支援担当特命教授、立教大学大学院特任教授などを経て現職。元日本労働研究機構特別研究員。文部科学省「キャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議」主査や「キャリア教育・職業教育特別部会」委員など、キャリア教育推進に努める。ペンシルバニア州立大学大学院博士課程修了、Ph.D. 取得(カウンセリング心理学・カウンセラー教育専攻)。著書『新版キャリアの心理学―キャリア支援への発達的アプローチ』(編著・ナカニシヤ出版)、『生徒指導・教育相談・進路指導』(編著・田研出版)など多数。筑波大学名誉教授渡辺三枝子取材・文/清水由佳 撮影/西山俊哉進路決定までのプロセスこそ重要GCDF-Japanキャリアカウンセラー育成を行うキャリアカウンセリング協会で特別研究会員として活躍するなど、日本におけるキャリアカウンセラー育成にも力を注いできた渡辺先生が著したキャリアカウンセリング場面での指南書。『キャリアカウンセリング再考―実践に役立つQ&A』『キャリアカウンセリング実践―24の相談事例から学ぶ』SpecialMessage342017 FEB. Vol.416

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