キャリアガイダンスVol.416
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392017 FEB. Vol.416AL型授業への挑戦 「アクティブラーニング型授業研究会くまもと」は、豊永亨輔先生と溝上広樹先生が、AL型授業の先駆者である小林昭文先生(現・産業能率大学教授)の取り組みを雑誌で知り、それぞれが自身の授業で取り入れていたことから始まった。熊本が郷里である小林先生が里帰りする際に、一堂に会する機会を得た。 「そのときに豊永先生たちと、自分なりにやってきた授業改善をみんなで共有して勉強しましょう、ということになったのです」(溝上先生) 2013年に3名でスタートした勉強会が今では150名にものぼり、九州を中心に、関西や東北のメンバーも含む全国的な組織となっている。 活動は、お互いの授業を参観し合うことから始め、AL型授業に関わるさまざまな講師を招いたワークショップ、リフレクションの研修会など多岐に渡っている。また、メンバーはメーリングリストでつながっており、授業改善に役立つ情報を共有している。 研究会の目的は、授業をより良くすることと、それを一緒に考える仲間のネットワークを広げることだ。 「AL型授業を始めて何度も心が折れそうになりましたが、この会の仲間に勇気をもらいました。今は、学校の管理職が積極的にAL型授業を推進しているため、自分が授業研究係を任されています。そして、校内にAL推進チームができました。校内での広め方も、研究会の先生方に相談することもあります」(井上梢先生) 「生徒に主体性をもたせる授業をすると、喜んで学ぼうとし始めます。講義型では一定の強制力を働かせる必要がありましたが、ほとんど不要になりました。AL型授業の方法論に正解はなく、学校や教科、生徒の状況に合わせた授業をつくらなければなりません。最初は誰でもうまくいかず、一度失敗するとやりたくなくなりますが、どうしたら改善していけるかを、学校や教科を超えた仲間と一緒に練アクティブラーニング型授業研究会くまもと第9回生徒が主体的に、学びを楽しいと感じられる授業は、すべての教員が目指すところではないでしょうか。アクティブラーニングの視点からの授業(以下「AL型授業」)はそれを目指す学校や先生方により実践されてきていますが、地域や学校の枠を超えて授業改善の研究を行う有志の会も増えてきました。今回はその先駆けである「アクティブラーニング型授業研究会くまもと」の取り組みをご紹介します。取材・文/長島佳子 撮影/木下将り上げていけるのがこの会なのです」(豊永先生) 2016年度は「授業づくり」をテーマにした講座を開催。研究会メンバーがつくった授業を参加者たちで練り上げて実践する講座を行った。その様子を次ページでレポートする。 「ALはあくまで手段で、生徒が学びを楽しめる授業を行うことが目的で、その中でチカラを伸ばしてほしいと考えています。授業改善にゴールはありません。自分の学びたい欲が続く限り、研究会も続けたいですね」(溝上先生)授業改善を目指す個人が集まり情報、ノウハウ、勇気を共有。まず教員から主体的に学び始めている。ゴールのない授業改善に仲間と一緒に取り組んでいく動き出す学校と先生たちの実践レポートアクティブラーニング次ページにつづく溝上広樹先生井上 梢先生豊永亨輔先生「アクティブラーニング型授業研究会くまもと」代表。熊本県立苓明高校。生物担当。理学の博士号をもつ。研究会でのニックネームはプリンス。熊本県立翔陽高校。生物担当。2児の子育てをしながら、数字や平仮名を楽しそうに学ぶわが子を見て、「学びはそもそも楽しいことのはず」と気づいた。熊本県立東稜高校。生物担当。学校心理士・上級カウンセラーとして不登校支援にも携わり、生徒が授業を楽しめれば不登校対応にもなると考えている。地域・学校を超えた番外編

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