キャリアガイダンスVol.416
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412017 FEB. Vol.416 模擬授業終了後には授業の振り返りが行われた。振り返りは再びグループに分かれ、ワールドカフェ方式で授業者がすべての参加者から、順々に感想や意見を聞ける。 どのグループも事前検討会以上に白熱していた。参加者たちはそれぞれの授業に対して良いと思ったことを口々に伝えたり、生徒役をやってみて今までの授業で感じたことのない思いを伝え合ったりしていた。事前検討会での授業の練り上げの成果を実感していた先生も全員がすべての授業を振り返る白熱した議論で授業がさらに深化模擬授業の振り返り会第3部参加した先生方の感想研究会役員の方々の感想いた。さらに、「もっとこうした方が良かったかもしれない」という意見や、「自校の生徒に合わせる場合はどうしたら良いか?」などの相談も出ていた。 最後に全体での共有、個人でのリフレクションシートの記入でこの日の講座は終了した。 終日にわたる密度の濃い研修会ながら、参加者の先生たちに疲れの表情は見えず、語り足りないという雰囲気すらあった。普段は学校で試行錯誤、孤軍奮闘してAL型写真左から、初参加の横川淳先生(コムタスグループ・広島)と、緒方裕美先生(宮崎商業高校)。末吉勝也先生(鹿児島純心女子中学・高校)は3回目の参加。写真左から、豊田拓也先生(熊本県立八代清流高校)、今村清寿先生(熊本県立第二高校)、代表の溝上先生、模擬授業を担当した前川先生、寺本先生元のグループで授業を振り返り、事前検討会でブラッシュアップさせた効果などを検証。模造紙にびっしり書き込まれた議論や授業の様子。授業の練り上げの過程が見てとれる。参加者たちは感じたことを伝え合い、他の参加者の意見にも興味深く耳を傾けていた。サポーター担当者は、終始議論の内容を模造紙に記録。他のグループで出た意見がわかる。元のグループ以外の授業者のもとへ順次まわって振り返り。生徒役目線での感想を議論。授業を実践している参加者にとっては、学校や教科を超えた仲間との学び合いは貴重な体験であり、多くの気づきを得られる場のようだ。生徒の主体性、能動性を引き出す授業をするためには、まず教員自体がアクティブに他者の考えを聞き、意見を交わして学びの楽しさを実感するべきだと、あらためて感じることができた講座だった。 組織としてAL型授業の推進に取り組む学校も増えてきた一方で、「何から始めていいかわからない」と立ち止まる学校や教員も少なくない。生徒のために前に進むには、個人が集まったこの研究会のような活動にも期待したい。横川先生「イキイキした勉強会で、部屋に入った瞬間から先生方の不思議な熱量を感じて楽しかったです。自分は塾の講師ですが、学校の教員外も受けて入れてくださる度量の広さに感謝しています」緒方先生「生徒役になる講習を初めて受けましたが、自分の意見を言えて取り入れてもらい、そこからまた授業が発展していく楽しさに感動しました。それを生徒たちや、自校の先生たちにも感じてほしいと思いました」末吉先生「AL型授業を実践するようになってから、課題に対する自分の考えを言葉でアウトプットする習慣がつき、生徒の記述力が上がりました。この研究会で学んだことをすぐ自校で取り入れてみると、『おもしろい!』と賛同してくれる仲間が校内にも増えました」今村先生「AL型授業はマニュアル通りに進められるものではなく、マインドセットが変わらなければ意味がありません。また、大事なのは授業の練り上げです。学校では教科ごとの縦割りになりがちですが、教科を超えて考え合えるこの研究会は貴重な場です」前川先生「文科省もAL型授業の推進を唱えていますが、国レベルの政策と、我々のような草の根の活動の両輪がないと現場は変わりません。それには『変えたい』という人と人とのつながりが大事です。ネットで広く呼びかけてつながった人同士が、リアルに集まることでお互いの研究を深め、広めることができます。例えば、この会で出会った溝上先生に私の学校の講習会に来てもらうなど、ここでの出会いを自校に紹介することで確実に広がっていると感じます」

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