キャリアガイダンスVol.416
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だことを活かして商品の選定、陳列、接客、販売を行い、昨年度は東京での出張出店も行った。高校生ががんばっていると周辺店舗への刺激になっているそうだ。成果を上げているのは銚子電鉄支援プロジェクトだけではない。 講座のスケジュールは、4月当初、生徒へのアンケートを元にグループ分けをし、まずは取り組みたいことを話し合う。テーマごとに関係企業や地元の方達との話し合い、調査を行い、企画の方向性を決めたら実施に向けて動き出す。定期的に進捗状況について報告会を実施し、全員で協力して取り組むようにしている。グループごとに大きな目的はあるものの、具体的な企画内容は毎年変わるため、教師も生徒も共に道無き道を開拓していくことになる。 「この講座への参加条件は、具体的な地域活性化案を考え、レポートにして提出することです。ただ面白そうだから、では続きませんから」と石毛先生。失敗しそうなことでもまずは経験させる、ある程度のお膳立てはするがアポは生徒がとるようにするなど、生徒の意思や主体性を尊重するのが基本的なスタンス。ただし最初は目標を明確にし、いつまでに何をするか、締切を設定し段取りや手順を伝える。また、使える人的ネットワークや情報を適時提供するようにもしている。活動の方向を見ながら、臨機応変にネタを提供できるのは日頃から教師自身が街と関わり、情報収集に努めているからだろう。 石毛先生がもうひとつ心掛けているのはとにかく褒めること、地域からの期待を伝えること。「認めて、がん1900年創立/商業科、情報処理科、海洋科/生徒数781人(男子363人、女子418人)/進路状況(2015年度) 大学・短大50人、専門学校60人、就職114人、自家営業3人、その他10人石毛宏幸先生(生徒指導部長)と課題研究「地域活性化」のメンバー集めた寄付をもとに再び走り出した銚子電鉄の車両。1年間にわたり、銚子商業高校のヘッドマークをつけて運行した。目標額を達成した14年の活動。今年度は再びクラウドファンディングで資金を集め、老朽化した駅舎をきれいにする「銚子電鉄メイクアップ・プロジェクト」を実行中「銚商夢市場」の運営グループは市内の商業施設・ウオッセ21で週末、祝祭日に地元の特産品や高校で開発した商品を販売。東京での出張出店も行った「新商品開発」では、地元商店や大手企業、JA、大学等と連携して多彩なヒット商品を生み出してきた和泉大介さん(2013年度卒業、獨協大学法学部3年生)ばる気持ちが湧けば、自己肯定感や意欲につながります。活動が計画通り進まないチームに対しては、相談にのり、場合によっては新たなテーマに取り組ませるようにしています」。 生徒はどのような成長を実感しているのだろうか。現在3年生の尾池さん、埼玉県で大学生活を送る和泉さん共に「人前で堂々と話せるようになった」ことをまず挙げる。 加えて和泉さんは「それまで他人事だった銚子のことを自分ごととして考えるようになったことも大きな変化です」という。大学では各地の出身者が地元のPR活動をする学生団体に参加し、昨年はイベントを主催して約20人を銚子に連れてきた。高校で培われた自信が行動力の源だ。「僕が死ぬまでにやりたいのは今6万4千人の銚子市を人口10万人の町にすることです。銚子の人口は毎年千人ずつ減っています。いろんな人に、銚子に帰ってくるのかと聞かれますし、あれだけやったのに銚子を出るのかと友達にも言われたけれど、出たことで知ったこともあります。大学卒業後も働きながら銚子のことをずっとやっていきたい」と和泉さん。 「銚商生の情熱と挑戦は銚子に新風を吹き込み、マチづくりを塗り替えている。市民の意識を変え、マチを動かしている」。昨年12月、銚子市長が市広報に書いた言葉だ。「私たちが活性化の起爆剤になりたい。大人が動かないなら私たちが動く」和泉さんたち地域活性化講座一期生の願いは現実となり、街を動かしている。教師に引き出しがあるから失敗させることができる今は地元を離れても、ずっと銚子に関わり続けたい432017 FEB. Vol.416

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