キャリアガイダンスVol.416
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授業で生徒につけたい力知識能力意欲・態度つけたい力小説・評論などの読み方・ 表現法(比喩・擬人法)・ 風景描写=心情描写・ 新聞の紙面構成、面立て語彙文学史社会についての幅広い知識想像力/考え抜く力・ 授業で文章を読み、物事を心に思い浮かべたり、根拠をもって推し量ったりする(想像力)・ 授業で文章を読み、疑問点をあげ、その疑問をみんなで話し合って解消していく要約力/伝える力/傾聴力・ 授業で文章を要約し、自分の意見を加えて原稿にまとめ、生徒同士で発表と傾聴をする文章を読むのが面白いという感覚・ 文章を読んで気づきを得る面白さを味わう自分の意見をもち、伝える楽しさ・ 意見を述べて理解されたときの嬉しさを体感人の意見を聴くことの楽しさ・ 人の意見から気づきを得る楽しさを味わう社会に目を向ける態度その力が将来にどう生きる?物語の表現意図を読み取れる・ 小説や映画やドラマなどを、作者がその表現に込めた意図を読み取って一層楽しめる情報収集が的確にできる・ ニュースを理解することや、仕事相手や友人のメッセージを的確に読み取ることができる文章や社会事象への理解力が高まる・ 文章の読解力も、社会に対する理解力も高まる見通しをもった行動ができる・ さまざまな資料をもとに根拠をもって先のことを予測し、見通しをもって行動できるチームで課題発見・解決に取り組める・ 課題を見つけ仲間と話し合って解決していける人と向き合う柔軟性が高まる・ 主張もすれば他の意見にも耳を傾け、思いを共有したり立場の違いを理解したりしていける。読書や表現を楽しんでいける語彙力を伸ばすエネルギーになる・ 読むことや聴くこと、伝えることをもっと楽しむために、語彙を増やしたくなるより良い社会を構築していける・ 社会に関心をもち、自分ごととしてとらえて、より良い社会の構築を目指すことができる発表が一つもなく、『自分の言葉で考えを話そうとしている』のが伝わってきた」 さっそく平川先生はそのコメントを生徒たちともシェアして称賛した。 「みんなすごく上手になったよね。そうして自分の考えを言えるようになったのだから、もっと伝え合って磨き合えば、より考えを深めていけると思うよ」 平川先生が授業をしていて嬉しくなるのは、このような活動を通して「生徒たちが自信をもてたとき」だという。 「生徒が『できた』と感じたとき。読めたとか話せたとか。一番は『わかった!』と思えたときですね。その楽しさを知ったことで『もっと読みたい』『もっと話せるようになりたい』となってほしい。国語の授業が、生徒が自ら学ぼうとするその足がかりになればいいと思っています」 生徒のほうも手ごたえを感じているようだ。小説『羅生門』を読んで考えて スピーチやニュースキャスターの授業に取り組むと、前任校でも今の学校でも、明らかな変化が見られるようになった。 テストや宿題では、記述式の問題への無回答率が大幅に減少。スピーチの授業に取り組んだ1年生は、半年で全国模試の偏差値もアップし、上位層に食い込む生徒が増えた。今の高校では、3年生の選択科目「国語表現」で、ニュースキャスターに扮する授業を実施。その経験を、就職の試験や面接で生かすこともできたという。また、授業を見学した教育関係者からは、こんな声が寄せられた。 「『情報をまとめた原稿を読むだけ』のきた1年生は、授業の振り返りシートに、次のような記述を残している。 「よく考えて読まないと解決できなかった。疑問点を自分たちで考え、解決した。こんな授業は初めてでとても楽しかった」 「いろいろな人と意見を出し合い、共有することの楽しさを知ることができた。いろいろな表現の仕方や、新しい言葉と出会うことができてよかった」 「わからなかったことをわかることができた。どの班も話し合いでいい答えを出せていたのでまた次もしたいと思った」 「まだ解決できていない疑問もあるので、もっと細かい部分まで読んで解決したい」 「これからもっと他の文学作品も自分で読んでいきたい」 生徒が深く読んで深く思考したくなるような授業を目指して、教材を再構築する。平川先生はその授業準備を「ひとつの作品づくり」と感じているという。生徒はこう変わる■ INTERVIEW読んで話し合うことで思考を深めていく選択科目「国語表現」を学んでいる3年生の皆さん――記事を要約し、自分の意見も入れて、原稿を読み上げる。最初からうまくできました?「最初のころは、自分の意見は『何々がいいと思う』とか、そこらへんまでしか出てこなかったんですけれど、回数を重ねるうちに、記事を要約するなかで『こういうところが問題』とか浮かんできて、書けるようになりました」「賛成・反対を言ってから理由を述べるとか、意見の組み立て方もいくつか学んだのですが、それに当てはまらないパターンも出てくるので、そのときはまた自分なりに考えました」――人前で読み上げるのはどうでしたか?「はじめはガチガチに緊張しました」「恥ずかしくて抵抗があったんですけれど、数をこなすうちに楽しくなってきました」――何が楽しいのでしょう?「自分が一番伝えたいことを原稿にして、それを話したら、相手に理解してもらえた、というのが、面白くなってきたんです」「就職したら人前で話す機会も増えるし、自分のプラスにもなっていると思います」――読むときに気をつけていることは?「相手にわかりやすい言葉で伝えることです」「抑揚とか、イントネーションです」「まわりを見て、気持ちを伝えることです」伝えたくて原稿にしたことを理解してもらえると楽しい572017 FEB. Vol.416

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