キャリアガイダンスVol.416
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 川崎市立川崎高校は普通科、生活科学科、福祉科からなる高校。生徒の進路は、就職から大学進学まで多様である。一方、普通科は2014年4月より附属中学が開設され、併設型の中高一貫校となった。そのこともあり、一般入試を含め大学進学への意欲が高まっている。今後、一層の飛躍が予想される学校だ。 15年度、3年生の理系クラスを受け持っていた中川靖大先生。「文理選択を経て理系クラスに来ているはずなのに、まだ進路に迷い、何をしていいのかわからないという生徒が少なくなかった。もっと早くから視野を広げ進路を考えてもらわないといけないと危機感をもちました」と言う。 翌年、1年生の進路担当となった中川先生は、年間の進路学習を見直した。多くの教材を取り入れてはいるものの、同校は行事や委員会活動が盛んなこともあり、進路学習に使える時間がそれほど多くない。そこで、少ない時間のなか、今ある教材を使って効果をあげるためには何をすればよいかを考え、振り返りを充実させどのような取り組みでも必ず事後にワークシートやレポートをまとめていくことにした。「振り返りやレポート作成は社会人になってからも必要なこと。進路を深く考えられるうえ、まとめる力も付いて一石二鳥になると思いました」と中川先生は言う。 50人の職業人が登場する冊子『じぶん未来BOOK』の配布は1年生の5月。「有名人が登場したり目を引くビジュアルで、進路にまだ興味がもてない生徒も入りやすい」と中川先生。登場する一人ひとりについてひと言コメントを書くワークシートや、簡単な仕事診断や自己理解ができるワークシートに記入するのは、それほど難しくなく、生徒も楽しんで取り組めているそうだ。その後、7月に大学見学に行き文理選択に向かっての学習をスタート。8月にはオープンキャンパスに3校以上行くよう呼びかける。2学期にも仕事や職業、学問について学び、広く考えさせながら文理選択に向かっていく。 ワークシート類がないものに関しては中川先生がオリジナルで作成。進路学習・行事すべてで振り返りを行っている。そして、ワークシート類はまず進路指導部で回収し担任に戻す。「その際、生徒についてほめたり情報を共有することで、担任の先生と連携するよう心がけている」そうだ。また、生徒のオープンキャンパスのレポートを文化祭で展示。投票でグランプリを決めて表彰式を行うなど、進路学習に興味をもてるような工夫もしている。 「進路学習が好きになったり、早く大学の資料を取り寄せて検討を始めたいという生徒の声も。そして、例年より理系選択が少し増えました」と中川先生。この学年は早めに進路を絞り込めそうな手応えを感じているそうだ。創立1911年/普通科・生活科学科・福祉科生徒数690人(男子270人・女子420人)進路状況(2016年3月実績) 大学進学86人、短大進学17人、専各進学78人、就職26人、その他17人取材・文/永井ミカリクルートサービスを活用した■ 「みらいを拓く進路学習ファイル」■ 職業人インタビューのワークシート振り返りやレポート作成は社会人になっても必須事項進路に興味をもてない生徒や担任の先生も巻き込んでいく進路活動は必ずワークシートで振り返り進路と担任が連携し生徒に向き合う川崎高校(神奈川・川崎市立)じぶん未来BOOK1学年担任・進路指導部中川靖大先生※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 発行メディアのご紹介 >> キャリアガイダンス(Vol.416)各自がすべての進路学習に関する記録をファイリングして残し、進路選択や入試などに活かしていく。普段は教室にスペースを設けて保管。面談などでも活用している。既存のワークシートがない学習については、中川先生がオリジナルでワークシートを作成。必ず事後学習を行う。612017 FEB. Vol.416

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