キャリアガイダンスVol.416
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 現在、進路指導に携わる先生方は進路指導の難しさをどう感じているか(図1)。「非常に難しい」の割合は10年以降に減少傾向で16年の今回調査では30%であったが、「やや難しい」を合わせると、9割が難しさを感じている状況は依然として変わっていない。 「非常に難しい」の割合を大短進学率別にみると、16年は進学率95%未満の高校が30〜33%で並ぶ。〝進学率が低い高校ほど難しい〞という就職環境が厳しかった10〜12年の状況からは変化。進学率中位校で高い傾向となり、進路多様校での指導の難しさが表れている。 進路指導について「非常に難しい」「やや難しい」回答者にその要因をすべて選んでもらった(図2)。トップは【学校】「教員が進路指導を行うための時間の不足」67%、2位は僅差で図 1 現在、進路指導を難しいと感じているか (全体/単一回答)2016年全体 (n=1105)2014年全体 (n=1140)2012年全体 (n=1179)2010年全体 (n=1208)難しいと感じている・計難しいとは感じていないその他無回答非常に難しいと感じているやや難しいと感じている進路指導の実態Ⅰ進路指導の困難な状況の要因は?「指導時間の不足」と「生徒の進路選択・決定能力の不足」大短進学率別「非常に難しい」95%以上70~95%未満40~70%未満40%未満23.533.233.330.227.536.834.427.515.729.842.744.618.230.938.052.6教員が進路指導を行うための時間の不足●教科指導、HR指導、部活指導に多くの時間をとられ、個々の生徒の進路指導がなおざりになる傾向にある。(静岡県/県立/普通科)●近年授業の進め方(アクティブラーニング等)で時間が取られ進路対策が後手に回る。(兵庫県/県立/総合学科)●一人ひとりの生徒の進路希望や受験方法の多様さに対応しきれていない。(兵庫県/県立/普通科)●以前はなかった提出書類や研修が増え、生徒と向き合う時間がなくなった。(千葉県/県立/普通科)進路選択・決定能力の不足●周囲に流されて育ってきているため、高卒後の幅広い進路選択において、自分の意志で決めきれなく、教員に頼る傾向が強い。(埼玉県/県立/普通科)●自分の適性ややりたいことが十分理解できていないために、悩むだけで先に進まない。(熊本県/私立/普通科)●真に自分の事として、とらえられていなく、すべてが受動的であり、動きがにぶくなっている。(北海道/道立/普通科)●情報を適切に選択・研究して結論に向かうことができず、アドバイスを生かすことができない。(神奈川県/県立/総合学科)入試の多様化●入試の多様化によって、個人指導のウエイトが高くなり、教員の多忙感につながっている。(香川県/県立/普通科)●4月になればAOの指導がはじまり、翌年3月まで国立後期の指導が続く。1年中受験で「教育」ができない。(福島県/私立/普通科)●各大学により入試方法、時期がまちまちで学校・生徒も対応が大変な上、一番力を入れて勉強しないといけない時期に振り回されるため、しっかりと実力をつけきれない生徒が出る。(鹿児島県/私立/普通科)学習意欲の低下●目標に対して、自ら学力を上げるのではなく、安易な方向へ流れてしまう傾向にある。(鳥取県/県立/普通科)● 特定の科目に興味関心をもち、深く追求する態度の生徒がほとんどいなくなった。(三重県/私立/普通科)家庭・家族環境の悪化:家計面について●学力、人物ともに優れている生徒が、経済的理由で不本意な進路を選ばざるを得ないケースが多い。(千葉県/私立/普通科)●母子家庭など片親の家庭が多くなっており、家計が厳しく、進路選択の幅を狭めている。(山形県/県立/総合学科)フリーコメント1どんな要因が進路指導の困難をもたらしているのか(%)※2010年・2012年・2014年・2016年それぞれ、「全体」より5ポイント以上高い数字を■色で表示。「難しい」状況は大きく変わらず「指導時間の不足」がトップ上位5に生徒要因が2項目教育改革の動きなども要因か82017 FEB. Vol.416

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