キャリアガイダンスVol.417
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152017 MAY Vol.417 このように多様で個性的なメンバーが一つの方向に向かうためには、前述のミッションや「顧客を成功させたい」という思いを共有すること、さらにお互いが相手をリスペクトするスタンスが大切になる。同社が組織づくりやマネジメントにおいて力を入れているのもそこだ。 「多様だからこそ、意見の違いによる細かな摩擦や衝突は当然あります。ただ、同質な組織だと少しの違いが後を引きやすいですが、お互いに違うことが大前提だと、むしろ共通点を見出すことが喜びになりますね」 異なる価値観をもつメンバーの間で練られ、叩き上げられることで結論のロジックは必然的に強化される。また、常に自分と異なる意見に触れることで、メンバーそれぞれの視野も日々広がっていく。それこそがモンスター・ラボの強みだ。 このような企業風土の土台にある考え方を、椎葉氏は「ユニバーサル」と「グローバル」という言葉で次のように説明する。 「ユニバーサルとは、国や文化を超えて共通する普遍的なもの。グローバルとは、その国や人に独特の文化や習慣。それぞれをきちんと整理して、両方を大切にすることが、当社のような企業には求められます」 なお、東京オフィスにおける会議などの使用言語は日本語。東京オフィスの顧客は日本企業であり、外国人社員の今後のキャリアのためにも、日本社会で生活するためにも必要だからだ。採用時にもある程度日本語ができることは条件としている。 多様性とはモンスター・ラボにとって目的ではなく原点。日本で生活する外国人も日本企業のビジネスに興味をもつ外国人も増えている以上、壁を設けなければ、必然的に外国人社員は増えていく。近い将来には、同社のような多国籍なオフィス風景が自然になっていくのかもしれない。 最初から壁がないモンスター・ラボのような新興企業に対して、日本の経済成長を牽引してきた大手企業の多くは同質性の高さが特徴だった。日本人男性社員による長時間労働によってそのビジネスは支えられてきたともいえる。しかし、経営環境が多様性なくして成長なし進む〝働き方改革〞ユニバーサルとグローバル両方を大切にすることが必要柔軟な働き方を整備する制度を多角的に拡充図1 柔軟な働き方を実現するカルビーの諸制度フリーアドレスモバイルワーク従業員が自分の固定のデスクをもたず、毎日座席が変わる制度。カルビーではダーツシステムを導入し、システムが自動で座席を決定する。自宅限定で、週2回までだった在宅勤務制度を変更。2017年度からは場所を問わず勤務できるモバイルワークを導入し、日数の制限も廃止。フレックスタイム制度裁量労働制一律の始業・終業時刻に縛られず勤務できる制度。これまで設けられていた10:00~15:00のコアタイムを2017年度内に撤廃する予定。出退勤時間の制限をなくし、あらかじめ決められた時間を働いたとみなす制度。専門的業務に就く従業員に、2017年度内に試験導入予定。育児休業育児短時間勤務子どもが2歳になる誕生日の前日まで休業ができる制度。育児・介護休業法では1歳の誕生日前日までとされており、カルビーはこれより1年長い。育児中の男女社員を対象に、子どもが小学3年生を修了する時点まで、毎日の勤務時間を短縮できる制度。1日5時間以上の勤務が条件。介護休業・短時間勤務配偶者出産時休暇家族の介護が必要な場合、要介護対象者1名につき連続1年以内で会社が認めた期間の介護休業が可能。1年以内の短時間勤務もある。配偶者の出産前後に5日の有給休暇が取得できる制度。2017年から育児休業のうち5日を有給とする制度も始まり、合わせると10日休める。変わり、この同質性は女性や外国人の活躍を阻害する要因となっている。 そこで、今、各社が取り組んでいるのが、多様な人材が活躍できる環境を整えるための〝働き方改革〞だ。 なかでも、カルビーは松本 晃会長兼CEOのリーダーシップの下、「多様性なくして成長なし」を掲げ、早くから改革に取り組んできた。 同社は育児休業や短時間勤務の事 例カルビー2執行役員・人事部長兼ブランディング統括椎葉育美氏「多様性」で拓く生徒の未来【Company Case】 変わる企業の働き方 その狙いを探る

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