キャリアガイダンスVol.417
16/64

162017 MAY Vol.417ほか、在宅勤務制度、フレックスタイム制度など、仕事と育児の両立や柔軟な働き方を実現する施策を次々に実施。2017年度からは、在宅勤務制度をさらに発展させ、働く場所も日数も制限しないモバイルワークを導入。フレックスタイムのコアタイムも年度内に撤廃する(図1)。 また、長時間労働をなくすため、会議や資料の削減にも取り組み、業務の効率化も徹底して図ってきた。 「出産・育児がある女性の活躍を支援するだけでなく、男性も含めて、多様な人材が、自分で働き方を選択できることを重視しています。ですから、モバイルワークは男性も当たり前に実践していますし、育児休暇を取得する男性社員も多いです」(人事総務本部 ダイバーシティ委員会 委員長/新谷英子氏) もう一つ、多様性を活かす柔軟な組織にするための施策がフリーアドレスだ。どの社員にも決まった席はなく、出社すると毎日自動的かつランダムに席が変わる。異なる部署の人と隣同士になることはもちろん、新人と執行役員が隣同士になることも。部門や世代、階層を超えたコミュニケーションが生まれ、組織全体の風通しが良くなった。 「当社は、決して働きやすさだけを追求しているわけではありません。目的はあくまで成果。ライフの充実によって自分を磨き、人間的魅力を高めることも含め、多様な人材が個々の能力を最大限に活かせる組織にするための改革なのです」 そのためには、制度の整備だけでなく、マインドの醸成も重要な課題だ。多様性を活かすためには一人ひとりにインクルージョン(受容)の態度・姿勢が求められる。また、相手の価値観を理解し、受け入れるためには、自分自身の価値観を確立することも必要。同社ではそのようなテーマの研修にも取り組んでいる。 「この数年で日本企業は急速に変化しています。もはや多様性は大前提。『何のために多様性が必要なのか』を議論する段階は過ぎました」 7年前には5・9%だった同社の女性管理職割合は今や24・3%に達している。数字を見てもその変化のスピードは明らかだ。 平均的なモノやサービスは売れない時代に入り、誰も想像していなかった画期的なアイデアを生み出すこと(=イノベーション)はどの企業にとっても最優先課題。今、企業で多様性が求められるのは、それがイノベーションに必要だからだ。 その相関関係は科学的にも証明されている。図2は、メンバーの多様●“多様な働き方”を導入する企業事例人事総務本部 ダイバーシティ委員会 委員長新谷英子氏多様性からイノベーションを生み出すデザイン思考多様性は失敗も増やすが大ヒットも生み出すモバイルワークを実践する男性社員も多数富士通がICTを活用したテレワーク勤務制度を導入ヤフーが育児・介護中社員の週休3日を可能にロート製薬が兼業解禁部署を超えた就業も可能に富士通は、2017年4月から、全社員約3万5000人を対象に、仮想デスクトップなどICTを徹底活用したテレワーク勤務制度を導入。自宅、サテライトオフィス、出張先、移動中など場所を問わない働き方が可能に。環境や業務特性を踏まえて職場が主体となって検討・実施する。ヤフーは、2017年4月から、小学生以下の同居の子を養育する従業員や、家族の介護や看護が必要な従業員を対象として、土日の休日に加え1週あたり1日の休暇を取得できる「えらべる勤務制度」を開始。家族のサポートをしながらでも、より安心して働ける環境を提供する。ロート製薬は、2016年2月から、勤務時間外や休日の兼業を認める「社外チャレンジワーク制度」と、就業時間の一部を使って社内の他部署でも働くことができる「社内ダブルジョブ制度」をスタートした。個人の「内なるダイバーシティ」を広げることが狙い。サイボウズが複業(副業)を前提とした採用をスタート「100人いれば、100通りの働き方」を掲げ、多様な働き方を実現しているサイボウズは2017年から複業採用を開始。同社はそれまでも社員の複業(副業)を認めてきたが、この制度により、すでに仕事をもっている人が、同社での仕事を複業とする前提での入社が可能となる。

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る