キャリアガイダンスVol.417
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るのが雇用対策協議会と共催の「郡上未来塾」。1回目(4月)は地元の事業所による説明。体育館に各社のブースを設置し、生徒は1人3事業所の説明を聴く。地元の人事担当者から直接の話とあって、生徒は真剣に耳を傾けているそうだ。2回目(5月)は少人数のグループで社会人(卒業生)の話を聴く。テーマは苦労したエピソードや高校時代の体験、夢や得意なこと、アドバイスなどだ。最後の3回目(6月)は企業担当者による模擬面接。 2年生の終わりに実施するのは「就職ガイダンス」。厚生労働省キャリア教育「高校生に対する就職ガイダンス事業」を委託しているもので、就職希望者に向けて各教室で終日行う。レッスン1「コミュニケーション能力を高める」から始まり、レッスン2「さまざまな仕事・働き方を知る」、レッスン3「会社づくりゲーム」、レッスン4「自分を知り、表現する」、そして最後のレッスン5は「面接を体験する」。生徒は他の生徒が見ている前で面接を受け、アドバイスまでしてもらう。「外部講師による面接は効果が大きいです。緊張感もあり、経験豊富な講師による指導は効率もいい。これがあることによって3年生へのスタートがスムーズになっていると考えられます」と田代先生は言う。 そして3年生の1学期に3回実施され 一斉授業の充実ときめ細やかな個別指導進路指導実践を磨く! 普通科編インターンシップは2年生全員が参加。民間企業のほか病院や保育園、消防署など37カ所が受け入れてくれている。最近では同校の地域連携の取り組みが浸透し、事業所側からの受け入れの打診もあるという。郡上未来塾は7月1日の求人票受付に合わせて3年生の4月、5月、6月に実施。地元就職への支援や啓発活動になっている。4月は地元企業等の人事担当者による説明。5月は地元に就職してがんばっている先輩を招き、パネルディスカッションやグループワークを行う。郡上未来塾の仕上げは企業担当者による模擬面接。生徒2名ずつが10分間の面接を受ける。担任も同席して書記として必要事項を書き出し、その後の指導に活かしていく。進学指導郡上北高校の進路指導のスタンス卒業したずっと先に充実した生活を送れているか 10年ほど前の指導が困難だった時期を乗り越え、改革を進めた郡上北高校。3年間を見通した進路指導計画を立て、一つひとつの取り組みは随時振り返り改良してきた。また、全員参加のインターンシップをはじめ体験的な学習や外部の教育力を活用しキャリア教育を充実。地域との連携は行事参加や交流なども含めた同校の教育活動全般に及び、現在では「地域とともに発展(KCD)プロジェクト」として根付いている。 進路指導主事の田代先生は地域の中で育つ生徒たちを長年にわたって見てきた。現在の生徒の保護者が以前の教え子ということもある。「進路指導をしながら常に考えてきたのは、家庭をもつ頃の子どもたちの姿。その頃に充実した生活、満足した生活が送れているかということです。進学でも就職でもいい。生きるための基礎的な力を身に付けて旅立ってほしいと願っています」と言う。 3年生の進路が決まっても、学校は社会人マナー講座、一人暮らしセミナーなどを開催。生徒たちが進学先、就職先で困らないよう卒業まで指導を続けている。口頭と面接評価シートへの記入という二重のアドバイスを受けることで、生徒の面接力を高める試みである。この3回の実施時期については7月1日の求人票受付までに完了するスケジュールとなっている。 進路学習の時間が進学・就職の進路希望別の場合、進学希望者に対してはガイダンスやテスト、進路希望調査、学校見学などが行われる。同校の生徒の進学先は専門学校が最も多く、大学・短大は指定校推薦がほとんど。また、ここ数年、難関大学に挑戦する生徒も出始めており、国公立大学の合格者も輩出している。1学年100人に満たない規模の学校で進学先が多岐にわたるため、それぞれの人数は数十名程度。そこで進学指導はオーダーメイド的なものになる。担任、教科担当、進路指導部の連携は引き続きの課題である。 一方で全体的な学力の向上にも力を入れており、例えば近隣の白鳥中学校との連携型中高一貫教育の取り組みの中で、教員が中学校の授業の見学に出かけ、高校の授業でつまずく生徒への対応策を探っている。また中学生と高校生の交流などから高校卒業後の進路を知ってもらうことで、志をもって入学してくる生徒も増えた。 同校はこれからも、就職、進学にかかわらず個々の希望をかなえる進路指導に取り組んでいく方針だ。392017 MAY Vol.417

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